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発達障害であると診断を受けて、気持ちが楽になった

発達障害の診断を受けてきました。

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結果は
・自閉症スペクトラム(ASD) 傾向あり
・注意多動性障害(ADHD) 傾向あり

と診断されました。

傾向としてはASDのほうが強いようです。

はい。
知ってた。

知ってた、けど、診断されるかどうかは微妙なラインかなとは思っていました。

確かに私は、集団行動ができない、周囲に協調できない、なんかは昔から抱えてきています。が、例えば主治医いわく、「強くASD傾向があると、他者が何を考えているのかが全くわからなくて意図せず空気を凍らせてしまうとか、他者がなぜ怒っているのかを理解ができない、ということもあります」とのこと。
私の場合はそこまでではないんですよね。どちらかというと、むしろ空気には過敏なほうですらあるかもしれません。ゆえに、診断はつかず、単なる性格とも取れるのかも……と思っていました。
性格なのか発達障害なのかの答えを知りたくて、結構前から受けよう受けようと思ってたのに、電話予約がうまくできなくて(電話するという行為が苦手で強いストレスを感じる)、3年くらい放置していたんです。このたびその病院でネット予約ができるようになっていたので、満を持して!行ってきました。

診断テストをしてくれた専門医と、クリニックの主治医は別の人でして、診断を申し込んだ時点では、主治医の見解では「他者から受けるストレスにはかなり敏感で、繊細な傾向はありそうですが、発達障害とまでは診断されないんじゃないかと思います」でした。

発達障害の分野ってまだ発展途上なんだなぁ、と思ったのが、このように、診断も医師の考え方によってかなり幅があるようなのです。この数値が出たからここから先は発達障害と診断されますよー、と明確なものではありません。明らかに強い数値が出る人をのぞいて、ボーダー上の人はたくさんいるのだと思います。大枠では私もそちら側(ボーダーライン)にいるのでしょう。

ただ、私は発達障害だと診断されて、むしろ良かったです。

診断されることで落ち込む人もいるようですが、私はスッキリしました。今まで生きる上で感じてきたズレに、明確な答えをもらえた、と。例えば、集団行動が苦手、とかは、今この時代をこの国で生きる上で、わがままとか自己中と思われがちです。世の中で「普通」とされていることが全然できなかったり、共感できなかったり、わからなかったり、そういったあれこれにASDやADHDと「名前がつく」のは、どれほど気持ちが楽になることか。
だってしょうがないし、悪いことでも恥ずかしいことでもない。たまたま、今この時代の「普通」と合わない性質を持っていただけで、その性質ゆえに生活を送る上で「障害物」が立ちはだかりやすい、というだけです。

◆◆◆

診断は具体的にどのようなことをしたのかの話をします。
言語、視覚情報、処理速度などのあらゆるジャンルのIQテストっぽいものを2時間みっちり。あとほかに、「他人の感情よりも、事実や数字の正確さのほうが気になる」みたいな質問に対して、強く当てはまる、やや当てはまる、どちらでもない、やや違う、強く違うと思う、と5択を選ぶのをトータル100問くらいやりました。その結果から総合的に判断するようです。

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IQテストっぽいやつの結果をざっくり言うと、言語にはめちゃくちゃ強いね!単純作業にもめちゃくちゃ強いね!視覚的な認識は他の分野と比べると弱いね!でも日常で必要な空間把握能力には問題ないよ!あと、一般的な知識には疎いね!
総合的には平均よりも高い知能だけど、ジャンルによって出来るのと出来ないのとでバラつきがありすぎてそこは要注意だよ!
だそうです。

また、結果から言えることは、
状況を分析して問題解決方略を考える力が長所だよ!言語表現や推論が得意だよ!処理速度が速くて効率厨だよ!デスクワークなどの事務作業にも向いてるよ!
知覚統合力(見て判断する系能力)と言語理解力に極端に差があるね!
だそうです。
おおむね、自分でも思っていたことと一致していました。視覚情報の処理、確かに昔から全然だめです。

医「言語分野が強いから、人の発言の矛盾にも気付きやすくて指摘せずにはいられない、とも推測できますね(他者との協調よりも、事実を優先するASD傾向)」
と言われたのもあり、これは点数が高いから日常に支障がなくて、低いと支障がある、といったシンプルなものではなさそうでした(たぶん)。

ちなみに、これはあくまでも主治医の見解です。発達障害とはこういうものだ、と断定するものでもなく、この記事に書いたことはすべて私の場合の一例であり、私もまだまだ知識に乏しくて間違ったことを書いてしまっている可能性もあります!

<苦手なこと>の欄に書かれている、「一般的な知識の幅が狭い」は何なのかというと。診断テストの中になぜか知識問題があるんですよ。「富嶽三十六景」を描いた人の名前は?とか歴史の授業で習ったようなことをたくさん聞かれました。全然答えられませんでした!ンなもん覚えてないよ!「東大王」いつも見てるけど見たそばから忘れるよ!

私「あの、どうしても気になるんですが、この苦手なこと認定された知識に乏しいってやつ、15年も前の歴史の授業でやったこと覚えてないんですが、思考力とか認知力とかに関係ないですよね?これって発達障害の診断に何か関係あるんですか?」

医「そうねぇ。なんでかな…。昔の人が決めたテストだからねぇ…(モゴモゴ)。まあでも、この知識の分野については、雑学を披露する仕事をしているとかじゃなければ、たいていは必要ないですよねぇ」

……。

雑学を披露する仕事………

してますね。

テレビの「二軒目どうする?」のお仕事で、居酒屋案内人として、酒やツマミや街についての雑学を披露していますね!
でも、診断結果の紙をよく読んだら、「興味のある分野や専門的な知識を使った活動をするのが良いでしょう」と書かれているから、いいのかな……。あれはほら、居酒屋やツマミの専門的な活動だし……。

結局、ASDやADHDって何か薬を飲んで治療していくものでもないので(たぶん)、世の中とどう折り合いをつけていくか、落とし所を探っていくしかないんじゃないかと私は思っています。今までもこれからも、やることは変わらなさそうですが、自分の選んできた道がおおむね間違っていなかったことがわかったのは収穫でした。よかったよ、本当は強化系なのに今まで知らずに操作系の修行してた、とかじゃなくて。あと、シンプルに「あなたの得意な能力はこれです」って言われるの嬉しいです。なんか褒められてる気がしてホクホクします。占いで「水瓶座のあなたはこれが得意!」とか書かれてるとなんかちょっと嬉しいのと似てる(占い感覚で言うな)。もしも生きづらさを抱えていたり、ズレを感じていたりするなら、もしかしたら診断されることで楽になれるかもしれません。


続編→ https://note.com/moyomoyomoyo/n/n5b6de8240e53

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