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宿題を溜めるのは学力の問題ではない

新型コロナウィルスの影響で、春休みが前倒しでやってくることになりました。
国の突然の決定で、残りのカリキュラムをどうするか?とか、卒業式をどうするか?とか、期末テストをどうするか?とか、いろいろ検討しなければならないことが一気に押し寄せてきて、それを1日で判断させられた教育委員会や学校の先生方のことを思うと気の毒でなりません。

勿論そうなると、春休みの宿題をどうするかなんてことは、検討としては優先順位の後ろの話で、案の定、うちの娘も、これといった課題はなく、土日程度の宿題だけ出されて帰って来ました。
これは、仕方が無いです。
本当は先生方も学年の振り返りとなる課題やプリントをいろいろ考えていたと思います。
とはいえ、これを放置するとAmazonプライムで鬼滅の刃をひたすら観るだけの春休みになってしまい、時間の過ごし方として勿体ないです。
この長期休暇における自宅での課題設定の仕方については別の記事にまとめるとして、今回のテーマは、春休みや夏休みといった長期休暇における計画的学習活動についてです。

足りないのはプロジェクトマネジメント力

長期休暇に限らず、普段の土日でも宿題を早めに終わらせない息子、娘にイライラすることはありませんか?

「嫌なことを先にやってしまえば、後は楽しく過ごせるのに」と大人は経験則から思います。
それは、普段自分がお仕事を計画的にこなしているかどうかに関係なく、子どもに対しては一様にそう思います。
そして、何回言っても伝わらないと「うちの子は勉強が出来ない」と、大雑把に定義してしまいがちです。

しかしながら、「勉強するために机に向かって学習を始める能力」と「着手後にその学習を終わらせる能力」は本来別なので、それを一つにしてしまうのは、実は少しかわいそうなことです。
具体的にいうと、誘惑を断ち切って机に座って作業を始めるの能力は欲望を制御するセルフコントロール力です。
さらに長期休暇期間中に与えられた宿題を配分して、計画的に実行する能力はプロジェクトマネジメント力です。

プロジェクトマネジメントにおいては、自分に与えられた資源(リソース)を管理して、決められた期日(リミット)までに、一定の品質(クオリティ)で作業を完成させなければなりません。
これは大変な作業で私も含め大人になっても完璧にやり切ることは難しいです。

長期休暇期間中に宿題を完成させるにあたっては、まず前段に横たわっているプロジェクトマネジメントという課題を乗り越え、セルフコントロール力でそのモチベーションを維持しなければなりません。

求めすぎない

我が家の結論を先に記載すると、

そんな高尚なスキルまで求めてはかわいそうなので、
計画は一緒に立ててあげれば良い

というものです。
その上で、日々の誘惑とどう向き合うかについては、毎日の環境づくりなどでフォローしていくというスタンスです。

出来れば、休みの日でもサクッと起きて、朝食、着替え、歯磨き等を終わらせたら、まず宿題に着手して、その宿題まで休みの始めの方にほぼほぼ終わらせて…みたいな感じでやってくれたらいいですが、こうなるためには先ほど書いた能力以外にも多様な能力が必要となります。

特にその中でもレベルが高いのがプロジェクトマネジメント力、平たくいうと計画する力ですが、学習とは違う能力ですし、そもそも子どもにはハードルが高い作業と考えているので、我が家ではやらせてイラつくくらいなら、そこは手伝ってしまっても問題ないと考えています。

計画の立て方

では、どうやって手伝うのかというと、我が家では長期休暇の度に手書きで以下のシートを作成します。

まず期間内にやるべきことを列挙します。
ここでは、書き漏れに注意して下さい。
我が家では以前、始業式の前日になってやり残しがあることに気づいて大騒ぎになったことがあります。

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やることを書き出したら、それぞれどれくらいボリュームがあるのか数量を記載します。

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やることリストが出来上がったら、後は休みの日程を右側に追加していきます。

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次が重要です。
日程を引くとすぐ日ごとのボリュームを書き込みたくなりますが、その前に休み中のスケジュールを記載します。
特に泊まりがけの旅行など、宿題をやるのが難しい日は予め対象外として外しておきましょう。

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稼働日が決まったら、課題ごとの数量を割り当てていきます。
子どもと相談しながら、「日記は旅行の後にしよう」とか、「感想文は先に終わらせよう」とか休み中の状況を想像しながら現実的に割り振ってください。
大体長期休暇用の宿題は、毎日少しずつやれば、半分ぐらいの日程で収まるようになっています。

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上記のように一通り作業を割り振ったら、後は毎日終わったところに丸をつけて管理をします。

少し余分にこなした日には、余分にこなした分を後の工程から削除することで、前倒し感が出てモチベーションが上がります。

計画さえできれば

このように計画さえ出来上がれば、子どもも比較的やる気になります。
もし、計画に遅れが生じたら、子どもと一緒に日ごとの数量を見直すことで危機感を共有することができます。
反対に普段我々大人が子どものペースに苛立つのは、大人にはどうなるかが見えていて、子どもにはイメージできていないというギャップが原因なのではと感じています。
計画表さえ出来れば、その辺りの認識ギャップは解消されます。

誘惑との戦いを支援

では計画表さえ出来れば、後は自発的に取り組むようになるかいうと、なかなかそうはいきません。
最初に書いたように計画能力とは別に、遊びたいくつろぎたいという気持ちを断ち切って、学習へのスイッチを入れるセルフコントロール能力が必要だからです。
これはもう環境面でサポートしてあげるしかないです。
大人がテレビを観ている状態で子どもに勉強を進めても、それは子どもも切り替えられません。
普段のことがルーズなのに勉強だけ自律して取り組むということもあまりないと思いますので、毎日の当たり前の作業を当たり前にこなすことを高く評価してモチベーションを上げることも一つかと思います。

そういった取り組みと組み合わせることで、長期休みの宿題も計画にこなせるのではと思います。

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