足し算

進化する我が家の百マス計算

我が家では、毎日10分程度の学習を習慣化しており、下の息子は、音読とひらがな練習。
上の娘は百マス計算です。
ただ、やらすだけでなく、子どもたちにもメリットのある仕組みにしているのが我が家の特徴です。
詳しい運用の仕方については、以下の記事を参考にして下さい。

そのうち今回は、上の娘が行なっている百マス計算について、ご紹介したいと思います。

百マス計算とは

百マス計算は、安倍内閣の諮問機関「教育再生会議」委員も歴任する教育者の陰山英男さんが基礎学力の向上策として推奨している計算シートです。
列と行それぞれにある数字の合計を10×10の100マス内に埋めていくものです。

実物はこんな感じ。

単に計算するだけでなく、タイムトライアルの要素を組み込むことで、競争心の育成や脳の活性化に繋がるというもので、行き過ぎたゆとり教育への見直しムードも相まって大変注目されました。

1年生からスタート

我が家では、娘が1年生後半の頃から始めました。最初は横で時間を計ったりしていましたが、ストップウォッチを買ってからは、自分で計って取り組むようになりました。
やりはじめは10分以上掛かり、本人も終わると毎回消耗していました。
慣れるまでは気持ちも折れ易いので、それを支えるためにいくつか追加で施策を打ちました。

施策① 親も一緒になってやる

百マス計算のいいところは年齢に関係なく誰でもチャレンジすることができるところです。子どもとしても自分ばかりやらされていては、気持ちも萎えますが、時々親が一緒になってやってくれると連帯感があり、気持ちも軽くなります。さらにパパとママで勝負!といったイベントもあるとさらに盛り上がります。実際、自分でやってみると、スピードを意識するあまり結構単純ミスを繰り返します。家族全員で誰が早くて誰が点数が高いか競う会うのも良いでしょう。

施策② ベストスコアを記録として残す

100点が取れた時には、そのタイムを書き残すようにしました。
スコア表を部屋に掲示し、ベストタイムが更新される度に赤字で書き加えていきます。少し辛くなってきた時も新記録が出るとまた新たな気持ちで取り組む意欲が出ます。

施策③ 旅行先でもやる

ここは我が家にしては珍しくスパルタですが、必ず毎日やるということを印象付けるために意図的な旅行先などでも行います。
特別な日にやる方が子どもに「必ず毎日やる」という意識が刻まれます。
我が家では、年に何回か私の実家に帰省するので、その際にも持っていきます。
そうして、お祖父ちゃんおばあちゃんから褒めて貰うとさらにやる気が出ます。

これらの施策によって最初の1ヶ月をクリア出来れば、解答速度も上がりストレスも減ってきます。

習熟度に合わせたチューニング

百ます計算において重要なことは、上に書いたモチベーションの維持と、採点を通じた子どもの傾向観察です。
子どもが解答したものは大人が必ず採点します。
その際のチェックポイントは、
・間違いの理由を分析する
・点数と解答スピードから習熟度合いを見極める

の2点です。
間違いに関しては、繰り上げミスや縦横の足す数字の間違いなどが一般的です。
ちょっと想像がつかない時には、直接子どもに確認します。
注意すべきは同じ間違いの繰り返しです。例えば、8と7を足した時に16にしてしまうなど、繰り上げ数字の覚え違いが癖になっているケースがあるので、早めに見つけ直接伝える必要があります。
コンスタントに10分が切れるようになって、5分台に近づいてきたら次のステップが近づいている証拠です。
我が家では、その習熟度と学校での学習ペースを見極めながら、定期的に百マス計算のチューニングをしてきましたので、その過程をご紹介します。

0や1があることで救われる

最初の百マス計算です。
0や1って必要なのかなって思うかもしれませんが、これがあると苦しくなった時に考えずに進められるため、少しリフレッシュ出来ます。
解き方についてですが、我が家では、左端から解く必要はないといっています。
1や0のところだけ先に埋めてしまっても構いません。
人生の中で何度か試験やテストを乗り越えないといけないがありますが、その時大事なことは時間を有効に使うための戦略的な発想です。
決まったやり方ではなく、戦略的に時間を使って効率的に行う思考訓練も重要と考えています。

答えが20以上になる足し算

足し算が早くなって喜んでいましたが、学校のテストなどで十の位の繰り上げ間違いがあったため、気になって観察していると、繰り上がる時に頭の中で、もともとの十の位を頭の隅に置きながら処理するところが弱いことが分かりました。
十の位が1か無しかでは、ワーキングメモリをあまり使わないのではと考えたため、答えが20以上になるパターンを作成しました。

引き算

足し算に慣れてきたら引き算です。
足し算は、列と行どちらから足しても良かったですが、引き算となるとどちらから引くかが決まっています。
ですので、少しやりにくさが生まれます。
これをやったことで、引き算の処理能力は足し算のそれに由来することが改めて確認できました。

2桁と2桁の足し算

さらにワーキングメモリを広げるべく、2桁と2桁のシートを作りました。
足し算能力を高めることが引き算の演習にも繋がると分かったため、このシートは結構長い間使いました。

掛け算の登場

2年生になると本格的に掛け算が出てきます。
我が家はお風呂場に九九のシートを貼って、浸かる間のカウント代わりに何段か言ってから出るみたいなことをして覚えました。
その確認としてのシートになります。
掛け算は覚えてしまえば簡単なので、子どもには好評です。

二桁の掛け算(12の段、13の段、15の段)

我が家では、九九は9の段まででなく、12の段、13の段、15の段までを対象としています。大人が考えている以上に子どもの頭は柔らかいので、そうやって覚えるもんだという空気さえつくれば、抵抗なく覚えます。
特に12の段、15の段はこの後、時計など60進数の計算を行う上でも有効なので、9の段で歩みを止めず、進みましょう。

割り算の準備としての約数

3年生になると割り算が入ってきます。
そんな時、24÷6は、6×3が18だから、もう少し上で6×4だ。とやっていると時間が掛かるので、24という数字を見た時に、3とか4とか6とか8とかいう約数が浮かんでくるように、答えから逆算した九九の表を作成しました。
百マス計算ではありませんが、数のイメージを広げるためのトレーニングとして活用しました。

九九の分布(ランダムバージョン)

同じく九九の分布表の穴埋めですが、数の分布をバラバラにしました。
小さい数から並べると、回答に傾向が出過ぎて考えずに解けるようになってきたからです。ただ、6、12、24、36、48のように、あえて約数の並びに規則性が生まれることに気づかせるために配置している部分もあります。

どんどん戻ってくりかえす

新しいメニューをこなしたからといって、常に次へ次へと進む必要はありません。
大事なことは、基礎学力の定着です。
定期的に足し算や引き算に戻って、基礎を確実なものにしていくことが重要です。

また、百マス計算に対する批判のうち、複雑な問題への対応力が身につかないという指摘があります。確かに百マスで全てを賄おうと思うとそうなるかもしれませんが、それはそれで別に手を打つのであれば、百ます計算は処理スピードの向上という特性に特化しても良いのではないかと思います。

他の記事でも最後の方によく書くのですが、うまく回して、定着させるためのコツは、ヤラセっぱなしにせず、毎日じゃなくても良いので、時々観察し、チューニングをかけていくことかと思います。

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