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ぽぽら春日部モヤモヤカフェ(2022年6月)

6月18日(土)に、春日部市市民活動センター(ぽぽら春日部)で、モヤモヤカフェを開催しました!

 今回のモヤモヤカフェは久しぶりにぽぽら春日部の会議室3という場所で開催しました。予想よりも多くの方にお申し込みいただいたため、やむなくお断りさせてもらった方がいたのは残念でしたけど、当日は参加者同士の会話もはずむ和やかな場となりました。コロナ禍でなかなか人をお呼びできない状況が続いていたことを考えると、会って交流できる機会が少しずつ増えていることはなんだかとても嬉しいです。
 今回も一部ではありますが、当日のゲストのお話しをご紹介しますので、最後までぜひお楽しみください。暑くなってきましたので、麦茶でもアイスコーヒーでもよいですし、飲み物片手に一緒にモヤモヤしましょう!

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『自分のことを分かってあげることが幸せの近道』

1.メンタルコーチングモヤモヤ
  【モヤ友】NATSUKIさん(メンタルコーチ)

吉村さん1

 “メンタルコーチ”と言うと「なんか怪しくない?」と思われてしまうことに、私は一番モヤモヤしています。メンタルコーチは(カウンセラーの方とは少し違って)、人の『思考』の部分にフォーカスし、その人が “なりたいこと” や “やりたいこと” に対して行動できるように、伴走しながら背中を押してあげています。
 私は中学1年生と小学3年生の子を持つシングルマザーです。私自身が家庭問題ですごく悩み、メンタルが崩壊していた2018年にメンタルコーチと出会いました。コーチと話すことで自分の中で本当に思っていたことがみるみる浮き彫りになり行動できるようになって、本当に180度人生が変わったという経験をしました。その後(私以外にも)悩んでいる方々を少しでもサポートしたいと思って、1年間メンタルコーチングを学びました。経営者の方や主婦の方、学生さん等、10〜50代の男女関係なくご相談をいただき、実績を積んで2020年に独立しました。私が変えるのではなく、皆さんが “自分の力で” 自分に適した居場所を見つけられるようにサポートする活動を続けています。
 資格は認定のメンタルコーチで、心理学や脳科学、脳科学の一種のNLP(神経言語プログラミング)を使いながら活動しています。その他に、マインドフルネスの瞑想の指導者もしています。コーチングに心理学を乗せたのがメンタルコーチングで、行動に制限をかけてしまう無意識の思い込みを対話を通して書き換えていくことで、行動ができるようにしていきます。心の中にある自分を制限していたものが外れることで、感情に振り回されることが減ります。人生を思うように生きられなかった自分も知らない根本的な問題を解決することで、実際の生活の中での物事に対する捉え方や考え方が変わってきます。コーチングに依存性は全くなく、ある期間サポートさせていただいた後は皆さんご自身のやり方で幸せを掴み歩んでいっています。最終的には自分で人生を豊かにすることができるというところがメンタルコーチングの素晴らしいところだと思っています。
 「どうしたら幸せな人生になるか?」ということを一緒に考えてみてほしいのですが、人の人生は脳の仕組みから考えると5つ(の要素)からできています。私たちの(脳の)中には『ビリーフ(思い込みと信念)』があり、次に『思考』が働きます。そして、『感情』が動いて『行動』するようになり、その行動の積み重ねの結果がその人の人生になっていきます。人間は必ず2つの感情をエネルギーとして行動を起こしており、その2つは「痛みを避ける」「快楽を得る」というものです。例えば日常生活で『歯磨き』という行動を当たり前のようにやっていますけど、これには「虫歯になる」という痛みを避ける感情と、「歯がきれいになる」という快楽を得るための2つの感情があり、その感情が無意識に動くことで行動につながります。そして、感情は思考でできていて、思考はビリーフから、つまり「歯はそもそも清潔にしないといけない」という無意識の思い込みを持っていることから「歯磨きをしないと!」という思考が生まれていきます。私のメンタルコーチングは、人の『ビリーフ』と『思考』にフォーカスしています。なぜなら、それは私たちが生きる上で自分を守るためにの知恵として根付いた無意識の思い込みだからです。そして、ビリーフというのはすべて過去の『経験』からできていて、幼少期に何度も繰り返された言葉や裏切りや否定などの強い感情を感じたときに脳の潜在意識の中に勝手に記憶されていくものです。この根本的な問題となっているネガティブな思考のクセを変えていくことが私たちメンタルコーチのサポートしている内容です。例えば「ポジティブな言葉を使いましょう」という表現も街やSNS等で見かけると思いますが、これもほしい未来を叶えるために必要以上のネガティブな思考を一回失くして、軽やかに自分のやりたいことや好きなことに行動する力を身につけていくことを意識してやっています。
 私たちアジア人、特に日本人は幸福度が世界で最も低いのはご存知ですか?実はその幸福度を上げるために必要なことが3つあります。1つは『環境』です。そして『思考』を変えることでも私たちは幸福度を上げることができます。それよりも影響があるのは『遺伝子』で、日本人は海外の方より遺伝子的に幸福度を感じにくいのですが、それも実はマインドフルネスによってかなり変えることもできます。メンタルコーチは自分の思考にフォーカスして、自分の思考のクセに気づいてもらい、過去の経験から刷り込まれた(ネガティブな)いらない思考を手放して、ポジティブな思考へ変えるお手伝いをしています。このサポートがなぜ必要なのかというと、私たちの思考には3万倍のパワーがあるからです。刷り込まれた思考というのはとても強く、「本を呼んでも変われない」「頭では分かっているけどなかなか変われない」というのは本当にその通りで、自分ひとりで3万人(の自分)と戦っているようなものです。それを私たちのようなプロのコーチが伴走することによって、飲み込まれそうな思考に対して、「違うよ」「あなたにはこれはいらないよ」と新しい思考をつけていくのです。
 私たちの悩みの90%は人間関係で、その人間関係のさらに80%は他人ではなく自分との問題です。相手をどうしようか悩む前に、自分との関係が上手になればこの悩みはほぼ解消してしまいます。愚痴をこぼしたり、誰かに強くあたってしまうことってありますよね?それは怒るという感情の中に「私の気持ちを分かってよ!」という思いが伴ってきます。ただ、怒りの感情を感じることも自分の大事な感情を感じることなので悪いことではないと思っています。怒りの感情もしっかりと感じ、コントロールしていくようになれます。自分という存在は自分しかいないですし、同じ経験をしている人もいないので、他人に分かってもらおうとするのはまず根本的に無理があります。じゃあ誰に分かってもらうのかというと、やっぱり自分自身がしっかりと“自分”の感情や思考を分かってあげることがすごく大切になります。これらを理解して身につけることがすごく大切で、幸せな人生を送る近道になります。ただ、これにはすごく訓練がいるので、それを一緒にやっていっています。
 2つの感情と思考を丁寧に扱い続けていくだけで、私たちは今よりもさらに自分なりに豊かで価値ある人生を歩むことができます。自分が幸せな人生を送るための答えというのは自分の中にしかないので、そこには依存は生まれません。さまざまな方法と良質な質問を通して、その人の中にある本当の答えを導き出し、その方法を身につけることができたらこれは一生モノの財産になります。

吉村さん2

 最後に、コーチングのイメージとしてよく聞くのは「やってみたいけど金額が高い」とか「(成果が)目に見えないものだから興味はあるけど不安」というものですが、これもほぼ思い込みです。ストレス発散で美味しいものを食べに行く、お風呂に行く、旅行に行くということもあると思いますけど、これらは外からの刺激による一時的な措置、つまり応急処置みたいなものです。一生自分と向き合っていくメンタルコーチングとマインドフルネスを続けることで、内側からの良質な変化を求めることができるということも伝えていきたいです。
 メンタルを整えるだけではなく、生まれもった使命だったり、自分が大切にしている価値観等、いろいろな自分に出会えるのがメンタルコーチングです。悩みに大きいも小さいもありません。誰にも話せない心のわだかまりを家族や友達、第三者に話すことで今の苦しさから解放への道が開き始めることもあります。メンタルコーチは決して敷居は高くなく、皆さんが悩んだら占いに行ったり、本を呼んでヒントを得るのと同じようにひとつのツールだと思っていただきたいなと思っています。私なりのこれまでの経験を通して、その人自身の幸せな人生を歩んでいけるようにお手伝いをしながら、メンタルコーチの素晴らしさも伝えていきたいなと思っています。



『歳を重ねても最後まで自分らしく暮らせるように』

2.高齢者一人暮らしモヤモヤ
  【モヤ友】生沼和明さん(株式会社わくわーく 代表取締役)

生沼さん1

 武里団地の目と鼻の先にある大場という場所で、3年前から高齢者のためのデイサービス(『デイサービスセンターハピエル(春日部市大場249ー4)』)を運営しています。私は介護の世界に入って24年になりますが、高齢者の方のお看取りをさせていただいたり、(介護)施設で働いた経験もあります。現在は、ご自宅で生活している高齢者の方たちを迎えに行き、施設に来ていただいて、楽しいことをしながら一日過ごして帰っていただくということをしています。元々は私の義理の母親が一人暮らしだったので、“義理の母が楽しんでもらえるデイサービス”をつくろうというのがコンセプトで始めました。朝食から始まるというデイサービスが世の中にほとんどなかったので最初はそこから始めました。高齢者の方は早起きというイメージがありますが、実際は介護が必要になってしまったぐらいの方は遅起きだということが分かり、現在は日中型で運営しています。
 簡単に事業の紹介をします。歳を重ねるとやはり“腰が痛い”、“足が痛い”、“膝が痛い”と精神的に参ってしまっている方もいるので、個別のリハビリをしています。認知症の方の気分を落ち着かせたりするのにアロマ(の香り)がよいという職員の意見を取り入れて、ハンドマッサージをしたりもしています。常に良い香りがしている施設です(笑)。それから、利用者の皆さんに思い思いの楽しい時間を過ごしてもらいたいので、趣味と余暇活動として編み物をしたり、塗り絵をしたり、歌を歌ったりと、個別で対応するようにしています。昼食は手作りで、自分で好きなだけご飯を盛っていただくようにしています。それから運動や体操をしたり、お風呂もあります。
 そしてもう一つ、建物の2階でレンタルスペースをやっています。私は長年介護の世界で働いていますが、私が会える人は介護が必要になった方ばかりです。施設で働いているので、施設に入所して初めて(利用者の方と)お会いするというのは当然なんですよね。でも、その時の状態というのは残念ながら本当に介護が“必要な”状態でして。。元気な時代から会うことができていたら、ひょっとしたら違う人生を送っていただけたんじゃないかなと思う方もいて、ずっとモヤモヤしていました。自分で(施設を)始める時にレンタルスペースを始めたのは、この場所を使って地域の方たちと何か一緒に交流し、元気なときから関わりたいと思ったからです。

生沼さん2

 今一人暮らしをしている方が非常に多く、これからさらに増えていくというデータもあります。なぜ高齢者の方は一人暮らしを続けるのでしょうか?内閣府の調査によると、「今の生活に不満がないから」という方が一番多い。それから「頼れる家族や知人がいない」「子どもに迷惑をかけたくないから」という理由が続きますが、この理由はなんとなく分かります。実際、私のデイサービスでも、介護を受けている方で6割ぐらいの方が一人暮らしです。中には5分前のことも忘れてしまうような重度の認知症の方もいらっしゃいます。そういった方が一人で生活していると考えると、ちょっとドキドキしてしまいませんか?5分前に食べたことも忘れてしまっているけど、一人で暮らしているわけです。ご家族は一人娘さんだけで嫁いでしまっていて一緒には住めない。なんとかギリギリまで頑張って(一人で暮らして)もらいたい。そういう方は多いです。ここ(調査データ)には残念ながら要介護を受けている方たちの意見が入っていないような気がします。
 一つエピソードをお話します。忘れもしません2月14日のバレンタインデーの日、一人暮らしで身寄りもなく生活保護を受けている方を夕方に送っていったときのことです。もう17時を過ぎていたので辺りは真っ暗です。お家に帰ったら電気がつかないということになったんですね。どういうことかといったら、電気が止められていました。どうしようかと思いましたが、最終的にはデイサービスに戻ってきて泊まっていただきました。本来は泊まってはいけない施設です。でも、そんなことはいってられない現状がた〜くさんあります。そういったところにいつもモヤモヤしています。
 何か良い解決策はないかと自治会長さんのところに行って、自治会の中で『一人暮らしの方たちだけのコミュニティ』をつくりたいという提案をさせてもらいました。なぜかというと、一人暮らしの方が抱えている問題は一緒なのではないかと感じているからです。問題が同じなので、同じ問題を持った人たちで集まれて、そこで一緒にご飯を食べたり、お友達の関係ができたら良いのではないかなと考えています。誰もが歳を重ねていくのは当然です。大切な方とお別れしたりして、一人暮らしの方がますます増えていく中で、私たちがどういったカタチで関われると、この一人暮らしの方たちが最後まで自分らしく生活ができるのかなというところにモヤモヤしながら日々取り組んでいます。
 アンケートの続きでは、経済的な暮らしについて「心配ない」とする人の割合が76.1%になっています。でも、実際は国民年金だけをもらって生活している方たちは家賃などを払っているだけで精一杯ですし、このデータが本当なのかどうか分かりません。住まいに関する質問でも76.3%が「満足」となっています。武里団地のことはご存知だと思いますが、5階建てでエレベーターがありません。(高齢で)足が不自由になっても、なんとか5階から下りてきて、また戻るということになる。団地の高齢化が進んで、仕方なくそういった環境に置かれている方も非常に多いのが現状だと思います。歳を重ねたときのことをなかなか想像できなくて5階や4階に一人で住んでいる方もたくさんいます。

生沼さん3

 アンケートでは今後心配なこととして6割の人が「健康や病気のこと」、4割ほどの人が「寝たきりや身体が不自由になること」を挙げています。元気なうちは一人で頑張れると思っている人が非常に多いというデータです。介護保険は細かな調査を経てようやく認定が下りてサービスを受容できるようになるので、データも大事ですが、データには出てこない人たちがたくさんいることは覚えておいてもらいたいと思っています。「特に難しいと感じる活動」を聞くアンケートでは「難しいと感じることはない」という意見がほとんどになっています。でも実際には困っていることが山のようにあって、こういったアンケートが実際の状況をどこまで反映できているのかということには非常に疑問があります。(同じ質問で)「少し重いものを持ち上げたり運んだりする」や「立ったり座ったりする」のが難しいと感じる人が多い結果となっていますが、これはたぶん元気な方たちです。すでに歩けない方もたくさんいて、それでも一人暮らしを続けている方が多いというのが現状です。そういった人たちを支えていくことを、これからしていかなければならないと思っています。
 (最後に)『春日部医介塾』というコミュニティがあり、現在私が塾長を務めています。医療や介護、専門職の方、福祉に興味のある方たちを対象に、勉強会や飲み会を開いて情報を共有したり、交換することを目的に活動しています。コロナ禍になってしまってからは、飲食が難しくなってしまったので勉強会のようなものを2ヶ月に1回開催してます。いろいろなテーマを設けながら少しでも皆さんのお役に立てるように、少しでも問題を解決できるような会にしていますので、こちらもよろしくお願いします。



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モヤモヤカフェは、暮らしのなかで感じるちょっとした疑問や悩み、ワクワクするアイデアを、コーヒーなどの飲み物を片手におしゃべりをする場所です。これからも春日部で活動する個人個人の思いを紡いでいきたいと思います。

 次回のモヤモヤカフェは2022年9月17日(土)の開催を予定しています。ぜひ楽しみにしていてください。ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

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