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犬の可愛い安心ファミリー映画。レスキュードッグ・ルビー

め~め~。

なんらかの事情によって飼えなくなってしまった動物が殺処分されてしまうというのは、大変に悲しいことです。

助けられる命には限りがある以上、やむ得ないこともあるわけですが、本作品「レスキュードッグ・ルビー」は、殺処分される2時間前に飼い主が見つかったことで、警察犬として何人もの命を救うことになる雑種犬ルビーと、その犬とパートナーを組んでいる男ダニエルの実話を基にした作品となっています。

ちなみに、物語の後半におきる事件は、嘘のような本当の話となっていますので、驚かないでいただければと思います。

犬の可愛さ、内容の簡潔さ、94分という短さ、という大変見やすい映画となっていますので、ネタバレを控えつつ、本作品の魅力について語ってみたいと思います。

事実をもとにした作品

冒頭でも書きましたが、「レスキュードッグ・ルビー」は、実際の出来事をもとに作られています。

作品の中では、1年にも満たない時間となっていますが、現実では、7年間の間に起った内容が凝縮されています。

実際の事件や活躍については、以下のリンク先で、2018年時点で紹介されていた内容となっていますので、参考にしていただければと思います。本物のルビーたちを見ることができます。

基本的には、ルビーとダニエルとの実話をベースにしてありますが、本作品は、物語のメソッドをきちんと守ったつくりとなっており、大変に見やすい内容となっているのもポイントです。

ルビーの問題

さて、内容に入る前に、本作品を見た際に、思いだした作品も書いていきたいと思います。

物語の前半においては、ルビーという犬は、問題行動を起こす犬として、何度も保護施設に戻されています。

ただし、施設に勤めている職員パッドは、ルビーに対して強い想いをもっており、殺処分するには惜しい特別な犬だと思っていたこともあり、新しい飼い主のもとで暮らして欲しいと願っていました。

しかし、そんな期待を裏切るように、ルビーは問題行動を起こし、施設に帰ってきてしまうのです。

貰い手がなければ、殺処分となってしまう保護犬の運命とは裏腹に、ルビーはやんちゃをしてまわりを困らせています。

ただ、その姿が大変愛らしいです。特に、ダニエルと出会ってからのルビーは、映画「ベートーベン」を彷彿とさせるコミカルさが魅力です。

映画「ベートーベン」もまた、とぼけたセントバーナード犬が、周りに迷惑をかけながらも、事件を解決したりするファミリー向け映画として有名です。

また、古い漫画になりますと、「平成イヌ物語バウ」なんていうものもあったりして、少しとぼけた動物というのは、大変魅力的だったりします。

落ちこぼれ、立ち上がる

さて、本作品のもう一人の主人公であるダニエルが、K-9という警察犬とともに事件を捜査する部隊に行きたいと思って試験を受けたりしますが、なかなか希望が叶わないでいます。

彼は、失読症であり、多動性障害をもった人物であり、彼が、警察官になるまでの間にも相当の苦労があったことが匂わされます

彼のそんな素性もありまして、落ち着きがなく見られたりすることも、減点対象となっていることが明かされます。

彼の奥さんは、大変な人格者となっていまして、都合がいいぐらい理解のある人となっています。

普通であれば、仕事のためとはいえ、相談もせず保護犬をもらってきてしまうというのは、家庭内に亀裂が走らないほうが不思議なぐらいの出来事です。

ですが、ダニエルの奥さんは、夫であるダニエルも、犬のルビーも一緒だというのです。

登場人物のセリフとしても、ルビーとダニエルが同じ問題を抱えているんだ、ということをわかりやすく言ってくれています。

本作品は、落ちこぼれな主人公と、犬が、一緒に努力することで成長して試練を乗り越えていくバディものとなっている点は、まさに教科書通りの面白さとなっています。

ちなみに、動物と、落ちこぼれの主人公たちが活躍する映画といえば、「シービスケット」は欠かせないところです。

大恐慌時代、落ちこぼれの馬シービスケットと、同じく落ちこぼれの3人の男たちが出会うことで、成長していく物語となっています。

動物は、愛玩的な可愛さももちろんありますが、時には、同じ目標をもって戦うことのできるパートナーである、というところは、「レスキュードッグ・ルビー」にしても、「シービスケット」にしても、共通するところではないでしょうか。

メソッドに忠実

本作品は、実話がベースにありますが、脚本にしても編集にしても、メソッドに忠実に作られているのがわかる作品となっています。

ダニエルが困ったり悩んだりしたときには、謎の老人がでてきて、彼にアドバイスをしていきます。

いわゆるメンター的な存在となっており、ダニエルがルビーを信じられなかったら、そのことについて指摘をしてみたりと、よくも悪くも物語で長くなりそうな部分をずばっと教えてくれたりします。

また、「映画大好きポンポさん」でも言われていましたが、現代の映画では、90分という時間が、ベストとされています。

それよりも短ければ内容を語るには少なすぎる尺となりますし、長ければ、観客に長尺の作品に耐えてもらえるかがわかりません。

そのような意味では、多少エピソードが足りなく見える部分もありますが、ファミリー映画として安心してみることができる作品となっています。

感動大作映画もいいですが、実話に基づきながら、しっかりと職人仕事として間違いのない映画をみるというのも、勉強になるところです。

抑えるべきところは、きっちり抑えているところはポイントですし、ご覧になっていない方は、ぜひそのあたりを気にしてもらえるといいかと思います。

以上、犬の可愛い。安心ファミリー映画。レスキュードッグ・ルビーでした。


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