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映画感想文「ザ・クリエイター/創造者」 う~ん、SF<戦争映画っぽい

現在映画館で公開中の「ザ・クリエイター/創造者」を鑑賞しました。
感想を書いてみようと思います。

最初にこの記事のトーンを書くと、SFファンであり、主演のジョン・デヴィッド・ワシントンとジェンマ・チャンのファンでもあるので期待して観に行ったのだけど「う~ん」って感じでした。

※ネタバレあります。これから観に行くよって方は退避。

2023年 アメリカ
監督 ギャレス・エドワーズ
遠くない近未来、人を守るはずのAIが核を爆発させた—— 人類とAIの戦争が激化する世界で、元特殊部隊の〈ジョシュア〉は人類を滅ぼす兵器を創り出した“クリエイター”の潜伏先を見つけ、暗殺に向かう。だがそこにいたのは、兵器と呼ばれたAIの少女〈アルフィー〉だった。 そして彼は“ある理由”から、少女を守りぬくと誓う。やがてふたりが辿りつく、衝撃の真実とは…

公式サイトより


タイトルに「う~ん」と書いてしまったのだけど、良くも悪くも大作映画という感じ。
ひとことでいうと、大雑把なんだよなあ。
ストーリーは二転三転して飽きずに展開していくのだけど、滑らかすぎるというか。
そこはもうちょっと立ち止まった方がいいでしょってところでも、ひたすら前に進んでいく。「ここはこうだからこう」「次はこうだからこう」っていう展開ありき。
観客を退屈させたくないっていうギャレス氏のサービス精神もあるんだろうけど、もうちょい掘り下げる箇所があっていいと思う。

さらにジャンルの話だけど、この作品はSFと銘打っている。
未来の設定だしAIが出てくるからそうジャンルわけされてるけど、自分はそこまでSFじゃない気がしたのです。。。

この作品は、AIが核爆発を起こしたのでAIの存在を許さない西側諸国と、AIとの共存生活を送っているニューアジアとの戦争を描いてます。
西側諸国は自分たちを脅かす可能性があるAIはけしからん、ということで、武力にものをいわせて、AIと共に暮らしているニューアジアを攻撃する。
で、ニューアジアの人たちとAIは力を合わせてゲリラ戦を展開する。

これって既視感ありませんか。そう、現代世界の戦争の構図ですよね。
だから自分はこの作品は戦争映画だと思う。
実際、映画の大半は戦闘(戦争)シーンで、自分は観ていてしんどかった。

最終的にニューアジアが西側諸国最強の空飛ぶ武力兵器〈ノマド〉を破壊して勝利。ニューアジアの人とAIが手を取り合って喜んで映画は終わる。
でも、身もふたもないツッコミをすると、一度作ったものってもう一度作れるんじゃないかなあ。
さらに、大体そういう時って前よりすごいものを作るよなあ、なんて醒めたことを考えてしまった。
もっとすごい兵器を作られて、また攻め込まれる可能性あるよなと。

結局ひとたび戦争が起こると復讐の連鎖が始まる。
この作品では悪者に描かれている西側諸国の兵士にも家族がいて、その子どもは自分の家族が殺されれば、ニューアジアを憎むだろう。
スターウォーズシリーズの「ローグ・ワン」でもそうだったように、弱い側・劣勢の側に立つギャレスさんは、きっと良い人なんだと思う。(会ったことも話したこともないけど。。。)
でもこの作品ではAIには温かい感情もあり、人間と同等のものとして描かれている。
そこまで優れた存在のAIなら、まずは戦争をやめさせようとしないのか。
そういう視点も少しはあるのだけど、結局は「人間の戦いの論理」にAIが引きずり込まれてしまっているのが残念。
以前と違ってAIが当たり前の時代に入りつつあるのだから、SFファンとしては、AIプラスもうひとひねり欲しかったです。

総合評価 ☆☆+☆半分(☆5つが最高)

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