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映画感想文「インビジブル」ポール・バーホーベン
配信で「インビジブル」を鑑賞しました。
感想を書いてみようと思います。
※日本のドラマではありません。2000年のアメリカ映画です。
2000年 アメリカ
監督 ポール・バーホーベン
国家最高機密に属する研究プロジェクトを率いる天才科学者のセバスチャン・ケイン。人間を透明にするというプロジェクトを進めていた彼は、ついに自ら実験台となる。"透明"の力の虜になり次第に行動がエスカレートしていくケインは、狂気へと暴走していく・・・
はい、アイキャッチにあるように透明人間のお話です。
監督は鬼才、ポール・バーホーベンさん。
「ロボコップ」や「スターシップ・トゥルーパーズ」、最近だと「エル」や「ベネデッタ」(未見)の監督です。
バーホーベンさんの特徴をひとことで言うと、(文字としては矛盾するのだけど)「悪趣味の良さ」。これに尽きます。
「インビジブル」は、高飛車な科学者が自身の研究である透明人間になる実験台に名乗り出て、透明になることは成功するも、元に戻れなくなるお話。
で、透明人間のままになって何をするかというと、女性の身体を触ったり、向かいの部屋の美人なお姉さんの部屋に紛れ込み、またいやらしいこと。あと、のぞき。。。
最後には、透明人間の存在を危険視し始めた同僚の研究チームメンバーを襲い始める。
もう悪趣味のオンパレードなのだけど、「透明人間になったらそれやるっしょ」って感じで、てらいなくやるのがバーホーベンさんなのです。
え~っと、褒めてます。
好き嫌い別れると思いますが、こういう監督がいてもいい。
正直、悪趣味さはちょっと物足りないと感じました。
バーホーベンさんならもっと悪趣味でいい。。。
ただ、身体が透明になっていくCGは当時としては凝っててある種ちゃんとSF作品だし、ヒロインがラストのバトルシーンで透明人間に冷凍室に閉じ込められるのだけど、磁石の力を使って扉のかんぬきを外すところとか科学の知識を使ってていい。
あと、透明人間って一歩間違えると何でもありになりそうだけど、主な登場人物を研究チームのメンバーに絞り、場所も研究ラボ内をメイン(上記のように悪さのためにちょいと街に出るのですが)にしてって感じで、収拾つかなくならないようにバランスをとっている。
そのバランス感覚は好きです。
****
ここで映画感想から少し離れると、透明人間になるメリットって何だろう?
この作品では軍の依頼で研究してるのだけど、まあ軍隊では敵にバレないで近づくとか出来そう。
でも日常生活レベルでポジティブなことってあるかなあ?
人に親切なことをするのに姿を隠す必要ないもんなあ。
しかも今の時代AIと話したり無人販売のお店もあるから、「姿なき者」って特段新しくもない。
となると、バーホーベンさんが描いたような悪趣味なことしかないのかなあ。
1992年に「透明人間」っていうコメディ映画があるのだけど、ちょっと観てみたいなあ。
****
最後に、劇中に「鏡に映らなくなるとモラルもなくなる」ってセリフがある。
そっか、自分の顔をずっと見られなくなったらどんな気持ちなんだろう?
自分事として考えてみると、大した顔じゃないけど、それなりに寂しい気もする。
もしかして「アイデンティティの喪失」とか言えちゃうかもしれない。
でもそういう小難しいことに脇目もふらず悪趣味に邁進するバーホーベンさんが好きです。
総合評価 ☆☆☆
☆☆☆☆☆→すごい。うなっちゃう!世界を見る目がちょっと変わる。
☆☆☆☆ →面白い。センス・好みが合う。
☆☆☆ →まあまあ。
☆☆ →う~ん、ちょっと。。。
☆ →ガーン!
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