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【映画感想】アキ・カウリスマキ「街のあかり」 

配信で「街のあかり」を鑑賞しました。
で、感想を書いてみようと思います。

2006年 フィンランド
監督 アキ・カウリスマキ

ヘルシンキの百貨店で夜間警備員を務める冴えない男コイスティネンは、魅力的な女性ミルヤと出会う。しかしミルヤは、百貨店強盗をもくろむ悪党リンドストロンの手先だった。まんまと利用されたコイスティネンだったが、惚れたミルヤをかばって服役する。リンドストロンはそこまで読んで孤独な彼を狙ったのだ。なじみのソーセージ売りアイラの思いには気づかぬまま、粛々と刑期を終え社会復帰を目指すコイスティネン。だがある日、リンドストロンと一緒のミルヤと居合わせた彼は、自分が利用されていたに過ぎないことを悟る。

ウィキペディアより


だらだら書きます

はい、フィンランドの名匠、アキ・カウリスマキさんの作品。
自分は何作かアキさんの映画を観たことがあるのですが、もうだいぶ前で記憶があいまい。
最後に観たのは、「希望のかなた」(2017年)だった気がします。

今回の「街のあかり」は初鑑賞。
何か理由があって観たわけじゃありません。ふと観たくなって。

で、やっぱり好きだなあと。

あらすじだけだとドラマチックに読めないこともないけど、映画はほんとにこぢんまりとした印象。
音楽もほとんどありません。時間も78分だし。

孤独な警備員の男が、後ろに悪いやつがいる女に騙され、服役し、出所して働いていた働き口も奪われ、さらに痛めつけられ、ってもうとことん悲惨な方にいくのだけど、見守ってくれる別の女性に手を重ねることで希望を失わない。

「不屈」みたいなカッコいいものは全くなくて、むしろ真逆のカッコわるい感じの世界観だけど、どんなひどい目に遭っても世の中には素敵なものがちょっとはあるんだよ、と。
そこがたまらなく好きです。

あと、生活描写も好き。
女の人とデートするときにはジャケットにアイロンをかけ、髪を整え、車を掃除する。
女の人が家に来るときは、花瓶に花を飾る。

警察の取り調べから解放されて、家に帰って皿洗いしてるのもよかったなあ。
自分もするかも。(取り調べを受けたことはありませんが)

罪をなすりつけるために、女の人が男のコーヒーに睡眠薬を入れるんだけど、男がそれをぐいぐい飲んじゃうのも面白い。
これも自分もぐいぐい飲みそう。。。

そういえば、主人公の男の部屋の壁紙がカラフルでお洒落なのだけど、これはもう監督の趣味でしょう。
フィンランドってどの家の壁紙もお洒落なんじゃないかと錯覚してしまいそうだけど、お洒落じゃない壁紙の人もいるんだろうな、きっと。

話を映画に戻すと、不愛想な男が主人公で、出てくる登場人物の大半は不愛想な男で、監督のアキさんも不愛想な感じで、女の人も笑わないのだけど、なぜか全体的な印象が「かわいい」。
(どうでもいいけど、「アキ」って響きもかわいい。)

あるいは、「いじらしい」と言ってもいいかもしれない。
不愛想に見えて、いじらしい。そしてほんのちょっぴり人間賛歌がある。

食事で例えるなら「白ご飯にお漬物。味噌汁」って感じのシンプルなものだけど、ほんとはこれぐらいの食事(味噌汁の具をちょいちょい変えれば)で十分なんだよな。

と、土井善晴さんみたいなことを言いたいところだけど、それだと物足りなくなって、ごてごての脂っこいハリウッド映画に手を出す自分がいます。
人が残虐に殺されるホラー映画もみます。
大したことは言えません、トホホ。

余談です。
立ってするアイロンって素敵に見えませんか。
自分は小さいアイロン台で座ってやってますが、大きなアイロン台って憧れるなあ。
じゃあ毎日アイロンかけるかっていわれたら、面倒だからそこまでしないんですけど。。。

※画像はフィンランドの写真をお借りしました。行ってみたいなあ。

総合評価 ☆☆☆☆

☆☆☆☆☆→すごい。うなっちゃう!世界を見る目がちょっと変わる。
☆☆☆☆ →面白い。センス・好みが合う。
☆☆☆  →まあまあ。
☆☆   →う~ん、ちょっと。。。
☆    →ガーン!

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