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映画感想文「ブラックブック」ポール・バーホーベン

配信で「ブラックブック」を鑑賞しました。
感想を書いてみようと思います。

明日からGWって方も多いのではないでしょうか?
自分もその一人です、うふふ。
ちょいと旅行を予定しております。天気が良いといいのだけど。

とはいうものの、それはまた別の話なので映画の話に戻ります。

2006年 オランダ・ドイツ・イギリス・ベルギー合作
監督 ポール・バーホーベン

1944年、ナチス・ドイツ占領下のオランダ。ユダヤ人の女性歌手ラヘルは、オランダ南部への逃亡中に、何者かの裏切りによって家族をドイツ兵に殺されてしまう。復讐を胸に誓った彼女は、名前をエリスと変えてレジスタンスに身を投じる。彼女はスパイとしてドイツ将校ムンツェに近づき、彼の愛人になるが……。

映画.comより

先月バーホーベンさんの「インビジブル」を観てレビューを書きました。
で、今回は「ブラックブック」。
バーホーベンづいてるのかと言われるとそうでもないのだけど、映画サイトの評判が良いので、観てしまいました。(「観てしまいました」ってどうだろう?)

面白かったです。
先月のレビューで書いたバーホーベンさんの特徴である「悪趣味の良さ」は控えめな気はしたけど、それでもエロスはちゃんとある。
汚いシーンもちゃんとある。。。さすがです。
自分の作風をよく分かってらっしゃる。

ストーリーは第二次世界大戦時のナチスとレジスタンスのお話。
まあこうなると「レジスタンス=善、ナチス=悪」という図式が普通なのだけど、そこはバーホーベンさんなので一筋縄ではいきません。
もちろんナチスには鉄槌を下すのだけど(バーホーベンさんはオランダ人)、レジスタンスにもナチスと通じていたいけ好かない奴がいて、それは誰だっていうのがこの作品の肝。
歴史もの・戦争ものっていうよりは、サスペンス要素強めのエンタメ作品。
二時間半弱の尺ですが、長さは感じませんでした。

連合国側が勝利するのはみんな分かっているのでそこに重きはおかず、それよりもナチスの中にもいい奴はいたし(まあでも最後にはちゃんと処刑される)、レジスタンスの中にも悪い奴はいたってことで、先ほど書いた図式をいい意味で利用して裏切るしたたかなところがバーホーベンさんぽい。
みんなが持ってるイメージを覆しにかかるところは、ある意味「悪趣味の良さ」に通じるのかもしれない。
バーホーベンの前にタブーはないのだ!
そこが好きです。

でもちゃんとナチスは成敗するし、女性主人公はたくましくて魅力的だし、そういうところは人してきちんとしてるんだよなあ。

総合評価としては☆3つ半。
☆半は潔くないと思うのだけど、今回はこれでいかせてくださいませ。
理由としては、タイトルになっているブラックブックと呼ばれる手帳が小道具のひとつぐらいにしか感じられなかったこと。
そういう黒い手帳が事実として存在していて、そこにはレジスタンスがナチスと通じていたらしい情報が書かれているのだけど、作品の中での存在感がいまひとつ。
もっと押し出されてくるものかと思っていたので、肩透かしの印象。
なので☆4つから半引きました。

ひとたび戦争が起こると、もう敵味方関係なくいろんな人間の思惑が錯綜して、誰しもが傷つく。
そういう部分で考えさせられるところは多いのだけど、説教くさいことはいっさい言わずエンタメとして描くバーホーベンさんはやっぱり素敵。
ふざけてるように見えるし、あえて悪ぶってる感じもあるけど、「映画は刺激があって楽しくなきゃ!」っていう姿勢は共感します。

総合評価 ☆☆☆+☆半分

☆☆☆☆☆→すごい。うなっちゃう!世界を見る目がちょっと変わる。
☆☆☆☆ →面白い。センス・好みが合う。
☆☆☆  →まあまあ。
☆☆   →う~ん、ちょっと。。。
☆    →ガーン!

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