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「京都で時代劇を作れる贅沢さを......」映画『仕掛人・藤枝梅安』舞台挨拶に行ってきました

みなさんこんにちは!映画チア部京都支部の今村です

早いことに2023年も1月が終わり2月を迎えていますね!
毎年この時期映画界は賞レースで賑わい、注目作の公開も多いですから、皆さん素敵な映画ライフを過ごせていると思います。

MOVIX京都にて

久しぶりの更新となる今回は、先日公開された映画『仕掛人・藤枝梅安』についてです!ご縁があり舞台挨拶にも呼んでいただきましたので、その内容も併せて皆さんにお伝えします。

・日本から世界へ 新しい時代劇


今回紹介する『仕掛人・藤枝梅安』の原作となるのは、「鬼平犯科帳」「剣客商売」などで知られる時代作家・池波正太郎さんの小説です。
京都を舞台に、仕掛人として悪を裁くダークヒーロー・藤枝梅安について描き、これまで多くの人に愛されてきた作品です。

同作者の作品はこれまで多く映像化されてきましたが、池波正太郎生誕100周年記念となる2023年に公開となった今回、日本国内だけでなく、国外のより幅広い世代へのアピールを見据え、豊川悦司さん、片岡愛之助さん、天海祐希さんをはじめとする豪華役者陣が作品を彩ります。

(C)「仕掛人・藤枝梅安」時代劇パートナーズ42社 

・豊川悦司演じる主人公、藤枝梅安


作品の主人公である藤枝梅安を演じるのは、近年でも多くの話題作に出演される俳優・豊川悦司さん。

(C)「仕掛人・藤枝梅安」時代劇パートナーズ42社 

梅安は、鍼医者としての表の顔と、依頼をうけ悪人を裁く”蔓(つる)”と呼ばれる仕掛人(所謂殺し屋)としての裏の顔を持ったダークヒーロー。
豊川さんは、人を救い時には殺すという善悪の両面性を持つ難しい役どころを見事に演じ切っています。

・舞台となった京都の冬景色


京都支部として見逃せないのは、やはり京都が舞台となっている点です。
京都といえば時代劇……なイメージは確かにありますが、まさにその通りで制作側からするとかなり思い入れもあるそうです(詳しくは後の舞台挨拶レポで……)。

まずは映画の内容をじっくり楽しみ、その次は再び劇場に戻ってきていただいて、京都の幻想的な冬景色を隅々まで堪能してほしいです。


・舞台挨拶レポート


2月4日、MOVIX京都にて舞台挨拶が行われました。登壇されたのは、監督の河毛俊作さん、主演の豊川悦司さん、そして急遽決定した田山涼成さんです。

30分ほどの舞台挨拶は、田山さんのハイテンションなトークも相まって和やかな雰囲気で進んでいきました。作品について多くのことを語っていただいたので、いくつかに分けて紹介します

・冬の京都というロケーションについて


舞台挨拶では何度も、舞台となった京都についての話題が上がりました。
河毛監督は京都について、「帰ってきた、懐かしい」場所と喜びを語りながら、「お金では買えないロケーション」「京都の冬には、独特の質感、手触りがある」など、京都を絶賛する言葉を続けました。

豊川さん、田山さんのお二人も次のように語りました。

豊川さん:「3か月間の撮影で、京都で時代劇を作れる贅沢さを改めて実感した。時には雪に困らされることもあったが、天然の雪の中撮影できてよかった」

田山さん:「僕が京都で撮影するのはなぜか真夏か真冬ばかり。だから寒さにはなれた(笑)。京都で撮影できてうれしく、寒さなんか関係ない」

特に、豊川さんが冬の京都を「もう一人の登場人物」と述べていたのはとても印象的でした。

・哲学的な内容について


人は悪いことも良いこともするという一種の池波正太郎の哲学的要素が盛り込まれた作品について聞かれた河毛監督は、
「哲学ほど堅苦しいものでもないけど、池波先生は人間のダメなところ、弱いところに優しい目線を向ける。どんな人も善だけでは成立せず、逆にそれは人間の愛おしいところでもある。私たちはお互いに悪いところを支えあい、補わなくてはならない。それでもダメなところは、仕方ない……といって済ませればいい」
と述べており、現代の善悪の区別をはっきりさせる風潮へのアンチテーゼ的な考えが伝わってきました。

(C)「仕掛人・藤枝梅安」時代劇パートナーズ42社 

また作品が長い間愛される理由についても、「梅安が悪人を殺すことを善とせず、どこか殺めたという後悔や罪の意識も持っている、矛盾を抱えながら生きている」ことだと考えているそうです。

同時に、このような難しい人間を演じた豊川さんの演技について、「ゆったり素早い動き。スピード命みたいな最近のアクションとは違う美しさ」と絶賛していました。これに対して豊川さんは「うれしい限り。精進したい」とのこと。
監督曰く「クロヒョウのような」豊川さんのアクションに注目ですね!

・最後に、作品の見どころ


豊川さん:「色調、音楽など各パートの人が新しい時代劇を考えて作った集大成といえる作品。目に見える画面を楽しんでほしい」

田山さん:「豊川さんの言う通り。加えて、片岡愛之助さんとのコンビ芸にも注目していただきたい」

(C)「仕掛人・藤枝梅安」時代劇パートナーズ42社 

河毛監督:「皆さんに作品を愛していただければ、これから先も続けていける」

舞台挨拶は終始和やかなムードで幕を閉じました。
締めとなった豊川さんと河毛監督の挨拶からは、京都から世界へという強い思いが伝わってきました!


以上少し長くなりましたが、映画『仕掛人・藤枝梅安』についてでした!
今回舞台挨拶のあったMOVIX京都をはじめ多くの劇場で公開中です。
時代劇ファンの皆さんも、まだ見たことないという人も、是非たくさんを劇場に足を運んでいただきたいです!


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