『パラサイト』の原点⁈韓国映画の奇才・キム・ギヨンとは?
みなさん、こんにちは!
映画チア部の(てつ)こと、大矢哲紀です!!
神戸のミニシアター・元町映画館では、8/8より「生誕100年記念 異端の天才 キム・ギヨン」特集上映がスタート!!
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今回は、多くのクリエイターにも影響を与えたという奇才・キム・ギヨン監督と、『パラサイト』の原点とも言われている数本の作品について紹介していきたいと思います!!
韓国映画の巨匠・キム・ギヨンとは?
出典:http://www.cinenouveau.com/sakuhin/kimkiyeong/kimkiyeong.html
キム・ギヨンさんとは、1950年代から90年代の終わりまで活躍した韓国の映画監督。
黒澤明監督や、アルフレッド・ヒッチコック監督などと同年代に活躍し、現在に至る韓国映画の礎を築いた人物と言えます。
特に彼の代表作『下女』(1960)は、多くの監督に影響を与え、近年、『ハウスメイド』(2010)としてリメイクされたほか、『パラサイト 半地下の家族』の監督・ポン・ジュノさんも作品の元ネタとして、言及しているほど。(後述)
しかし、これまで、国内で注目されることはほとんどなく、ソフト化もされてこなかったのがキム・ギヨン作品の実情。
そのため、今回の特集上映は、かなり貴重な機会となり、今後、観ることができない作品もあるかもしれないのです。
『パラサイト 半地下の家族』に与えた影響
出典:https://eiga.com/movie/93143/gallery/
第72回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞、さらに、第92回アカデミー賞では作品賞を含む4部門を受賞するなど、前代未聞の快挙を成し遂げた韓国映画『パラサイト 半地下の家族』(2019)
日本でも高く評価された本作は、今年の興行収入ランキングで、2位と倍以上の差をつける約45億円の大ヒットを記録しました。
そんな本作に多大な影響を与えた作品として挙げられているのが、キム・ギヨン監督の『下女』(1960)
こちらのインタビューでも監督本人が言及している通り、ある一家に侵入していく主人公や、家という舞台設定、階段を巧みに利用した物語構造など、様々な部分で共通点が見られます。
また、6月には『パラサイト 半地下の家族 モノクロVer.』も公開。
こちらには、数々の名作古典映画に並び、本作への強いリスペクトが垣間見えるのです。
それでは、そんな『下女』(1960)とは、どんな作品だったのでしょうか?
以下では、『下女』(1960)、そして、キム・ギヨン監督本人が同作をセリフリメイクした2作品について、説明していきたいと思います。
(筆者は『下女』しか鑑賞していないため、残りの2作については公式サイトの情報や、すでに観た方の参考を基にしています。ご了承ください。)
『下女』(1960)
『下女』は、1960年に公開された白黒映画。ある一家にやってきた家政婦によって、家の支配権が入れ替わっていくサスペンス映画。
『パラサイト 半地下の家族』に通ずる様々な設定はもちろん、まるでめまいを起こしたかのような独特なカメラワークに魅了される古典韓国映画の隠れた傑作です。
『虫女』(1972)
『虫女』は、1972年に作られた『下女』のセルフリメイク作品。
話の大まかな流れは共通していながらも、様々な新規設定が盛り込まれ、まるで全くの別作品のような味わいを見せる一作。
メロドラマのようでいて、徐々に不気味さを増していく物語には、キム・ギヨン映画の真骨頂を堪能できるそうです。
『火女’82』(1982)
『火女’82』は、1982年に製作された『下女』のセルフリメイクのカラー作品。
実は、1971年に『火女』という作品(これまた『下女』のセルフリメイク)が作られているそうで、正しくは、そちらのリメイクだそう。
本作ならではの新規要素も健在で、養鶏場や地下室といった新たな舞台の登場、銀箔を使った衝撃のシーンなど、絵的にも印象に残るカットが次々と登場するようです。
終わりに
さて、いかがだったでしょうか。
パラサイトの原点と言われ、多くの映画監督にも影響を与えたというキム・ギヨン作品の数々。
ここでは紹介しきれませんでしたが、元町映画館での特集上映では、上記3作品以外にも、以下の9作品が公開予定!!
・『玄海灘は知っている』(1961)
・『高麗葬』(1963)
・『レンの哀歌』(1969)
・『肉体の約束』(1975)
・『異魚島』(1977)
・『水女』(1979)
・『死んでもいい経験』(1990)
・『屍の箱』(1955) ※無音上映、『私はトラックだ』との併映
それぞれの作品は上映回数が限られており、感染予防対策のために座席数も半減しておりますので、ご鑑賞の際は、是非、お早めのチケット購入がオススメです。(チケット購入は、当日の初回上映30分前から。)
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いまだからこそ観たい!巨匠・キム・ギヨン監督の貴重な作品たち!!
学生の皆さんは「超!学割シネマ」の対象外のため、通常の学生料金にはなりますが、それでも、お得な1000円で鑑賞可能!!
「生誕100年記念 異端の天才 キム・ギヨン」特集上映は、ついに8/8から!
ぜひ、『パラサイト 半地下の家族』にハマった人も、韓国映画が気になるアナタも、貴重な特集上映に足を運んでみてください!!
では、また!!
執筆:映画チア部 神戸本部 大矢 哲紀
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