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the dawn wall 感想

一言:アウトドア、クライミング、山が好き、一つでも当てはまるなら見て!映像美がやばい

内容:ヨセミテ・エルキャピタンにおいて、フリー化されていないセクション「Dawn Wall(ドーンウォール)」。フリー化が不可能と思われていたこのセクションに、可能性を見出し1本のフリークライミングのラインを引く。美しくも困難な登攀が長年のチャレンジの末に成し遂げられる。2015年1月、トミー・コールドウェルとケヴィン・ジョーグソンによるヨセミテ・エルキャピタンの未フリー化セクション、ドーンウォールへのトライが世界から注目を集めました。長年に及ぶチャレンジの末、19日間も垂直の壁の中で過ごしたこのクライミングは、世界中のメディアをくぎ付けにし、熱狂させたニュースとなりました。ルートは、既存のエイドルートと新しく開拓したルートを繋ぎ、全32ピッチ、5.14dを含め14台が7ピッチという厳しい内容。また、トミーにとってこの登攀は、単に世界最難のフリールートを開拓しただけではなく、さまざまな困難を克服することによる人生の輝かしい1ページとなったのです。トミーが22歳の時、キルギスタンにおけるクライミングトリップ中に反政府主義者に誘拐されながらも生還。その後、作業中に左手の人差し指を失いますが、諦めずにトレーニングを続け、クライミングの強化を成し遂げます。また、クライミングパートナーでもあったベスとの離婚の悲しみをドーンウォールに打ち込むことで癒していきます。憑りつかれたように献身的に、6年もの間、注意深く計画しトライを続けてきました。ケヴィンというパートナーを得て世界中が見守る注目のトライで、トミーは難しい局面に立ち向かいます。この壮大な夢を実現するために2人揃っての完登を諦めるのか? 友情のために成功を危険にさらすのか? 輝かしいクライミングの成果を捉えたドキュメンタリー映画です。(引用:映画サイト https://www.staticbloom.co.jp/dawnwall)

媒体:Netflix

感想

1年前にヨセミテへ行った。その時、人間をはるかに凌駕する自然の迫力に息を呑んだ。日本の自然とは違う雰囲気があり、ヒトを相容れない、圧倒的な力がそこにあった。

コロナの自粛生活にも慣れてきたそんな日に、ふと自然を欲して「ヨセミテ 絶景」とインターネットで検索して、ヨセミテの写真を眺めていた。そんな中偶然この映画に行き着いた。

内容はトミーの半生である。トミーにはクライミングの才能がある。

悲劇に遭いながらも、その経験を自分の中で消化し、他者と対話し自分の人生を紡いでいく。映画の前半はトミーが生まれてからクライミングのパイオニアとして成長する過程、後半はヨセミテ・エルキャピタンにおいて、フリー化されていないセクションDawn Wall(ドーンウォール)に挑戦する内容である。

私はクライミングをしたことはない。けれどもドーンウォールは実際に目で見たことがあった。あれに素手で登るなんて考えられん。


手に滲む血、なかなか思うように進まないイライラ感。一般的なドキュメンタリーだとそんな人としての弱みは良いスパイスとして扱われる。

でもこの映画ではトミーの人柄なのか、監督の思いなのか、全く持ってそういう人間臭さが、良い意味でない

トミーが笑って、やっちまおうぜー、と緩い雰囲気を纏う。ひたむきに、確実に体を動かす。

この人は名声のためにやっているわけでも、誰かと競争している訳ではない。というのがわかる。自然を愛していること、登ることへの喜び。

クライミングをやったことが私でも、彼と彼を囲むメンバーの思いに胸が熱くなる。

自然で行うスポーツ。相手は自分。

トミーの実直さが伝わる。


また映像が何よりも綺麗である。ヨセミテの風を感じられる。

何か人生において大事な何かを学びました、とかそういう上手い表現は私は出てこない。けどこの映画見てよかったと思える作品である。

日常に疲れた人、競争社会で疲れた人、コーヒーを呑みながら、秋の夕暮れにみて欲しい映画である。

クライミングが好きな人は絶対みた方が良い。




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