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映画【市子】名セリフ
川辺市子は3年間一緒に暮らしてきた恋人・長谷川義則からプロポーズを受けるが、その翌日にこつ然と姿を消してしまう。途方に暮れる長谷川の前に、市子を捜しているという刑事・後藤が現れ、彼女について信じがたい話を告げる。
新しい作品だが胸に強く残っている。
元が舞台演劇なのでセリフが強いのはある。
(太文字が映画の中の台詞です。
台詞の紹介なので基本全てネタバレです。ご了承を。)
やから
うち 今 幸せなんよ
長谷川くんと好きな食べ物の話をしている時に、自分はみそ汁が好きだという市子。
うちは みそ汁かな
夕方になったら匂いするやん
どこかの家の
幸せそうな匂い
憧れの匂い
やから
うち 今 幸せなんよ
涙ぐみながら。
まさか明日にはこの幸せがなくなるとも思わず。
花は ちゃんと
水あげへんと枯れるから
好き
市子の部屋に飾られている花を見て、パティシエ志望のキキが市子に聞く。
花 好きなん?
それに淡々と答えたセリフ。
何気ないセリフだけど市子の心情がよく表れている。
うちな
花火 好き
同じく淡々としたセリフだがここも印象に残る。
うちな
花火 好き
でも みんなが上 見てる時
なんか安心すんねん
高校生の市子と北くんが花火のポスターを見ながら。
そういうことを
“好き“って言うんやとしたら
うちは
ちゃんと人のこと
好きでいられたんかな
長谷川くんの事を思いながらのモノローグ。
映画の中で唯一、一人の普通の女の子のように感じられるセリフ。
このまま何事もなく長谷川くんの側で一緒に生きていられたら、市子は一人の人間として幸せに生きていられたのかもと。
それも無理な話ではあるんだけど。
なあ 長谷川くん
うちは初めて 人と一緒にいることが
こんなに幸せなんやって思えたよ
家に帰る途中で
今日 一緒に食べるごはんのこと考えて
スーパー行って 買い物して
帰りの遅い長谷川くんのために
ごはん作って待ってて
今から帰るって
メールくれるんがうれしくて
たまに買って帰ってきてくれる
お土産のプリンがおいしかったり
洗い物サボって テレビ見て笑って
たまに お風呂も一緒で
うちな
長谷川くんといられて
うれしかったんよ
毎日 眠る前に
一緒に1つの布団に もぐり込んで
そこには長谷川くんの匂いがあって
朝 起きた時に
寝顔があるのを見て安心する
そういうことを
“好き“って言うんやとしたら
うちは
ちゃんと人のこと
好きでいられたんかな
最高や!
全部 流れてしまえ!
突然の雨に打たれながら叫ぶ市子。
全てがこのセリフに詰まっている。
最後にひとこと。
色々な人間を翻弄しながら生きる市子。
悪女という言葉がよく似合うけど作品自体は市子と長谷川くんの気持ちに寄り添って進んでいくので悲壮感がすごい。
結果だけ見ると悪女でしかないんだけど。
杉咲花のはかなげな感じがまた寂しさを倍増させる。
そう思ってしまう事こそ劇中の市子の手の中に私も入っているのだろうな。
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