見出し画像

テンセグリティを意識して内側から体を開放する動き方

アメリカでジャイロトニックとジャイロキネシスを教えています、ゆうです。体を動かす楽しさ、奥深さを伝えたいです!

インスタグラムでも触れていた、身体中に空間をあけるような動き方の事、もう少し噛み砕いて書いてみたいと思います。

同じ動きでも、全く違う動き方ができます。2通りの動き方でデモンストレーションしています。

「何をやるかじゃなくて、どうやるかが大事。」本当にそう思います。

「正しい」動きをしていると思っていたとしても、実際には体の癖を強調してしまっていたり、さらに重力に負けて体を縮めるように動いていたら、固まっている体にもっと負担をかけて動く事になってしまう。

だから動きをこなすよりも、どうやったら最大限に体が本来持っているしややかさと強さを引き出すか、動きの意図を理解して意識をしていく事がまず大事だと思います。

ジャイロでも、ヨガでもピラティスでも、スポーツでもなんでも!


では、ジャイロの動きを例にとって見てみましょう!例えばアーチ(背骨を反る動き)とカール(背骨を丸める動き)。

2種類のアーチ↓

画像2

画像3

見えるかな?

1枚目。かかっている力はほぼただ一つ、重力です。重力に押しつぶさて、体はそれに反する力を持たず、だらっとしています。中にある内臓がどうなっているか想像してみてほしい。下っ腹あたりがぽこっと前に出ているのは、内臓が入ってるお部屋(腹腔)が潰れている状態だから。

そして、トップスのシワも見てほしい。骨盤の上あたりの腰の部分、シワが深く入っているのが見えますか?ここ、他の場所より背骨の中では反りやすいところ。首も反りやすいから、この二つの箇所でアーチをこなしている分、そこ以外の背骨はあまり動いていません。これではここ二箇所に負担がかかっている状態。


2枚目。青い矢印のところ、下っ腹が引きあがって、中の腹腔も長く伸びている状態。頭と尻尾(尾てい骨)がお互いに引っ張り合いながら、後背部で大きな円を描いているみたい。背骨の一つ一つに間があいて、伸びやかに動いているのがわかる。

シワも、負担がかかっていた腰のところに空間が出来たのが反映されて、伸びています。


では、カールの動き。

画像3

画像4

1枚目。もう説明しなくても、これはすごくわかりやすいと思う! アーチの1枚目と同じで、重力に押しつぶされている体はこんな感じ。

二枚目。さっき描いてた円は今度は体の前方にあります。足も床に向かって伸びていき、頭はそれに反して伸びあがりながら動いています。背骨一個一個の間が開いていってる。

お腹のところ、矢印が集まっていますが、中にバキュームがあるかのようにそこに力が吸い込まれて集まっていきます。中で内臓も引きあがってマッサージされている状態。深層部の腹筋も使われます。


アーチもカールも、二枚目の方が断然動いてて気持ちがいい!体は、何がいいかわかってると思う!背がすぐに高くなった気がしたし、私の固まりやすい胸椎周りがすごくすっきりした。自律神経も副交感神経になって、安心して体があったかくなる感じ。


どうして二個目の動き方のほう体が喜ぶのかと言うと、人間の体のつくりに秘密があります。ーテンセグリティ構造ー


昔は、人の体って「固まり」という認識だったんです。骨があって、筋肉があって、内臓があって、皮膚に覆われた「固まり」。体を強くするには、筋肉を鍛えて硬くしてさらに固める、という考え方。

しかし、筋膜(身体中に張り巡らされるネットのようなもの)の研究が進んで、実は体って圧縮と張力のバランスで保たれているから、重力に負けず立っていると現在は認識されています。

より凝縮された繊維を持つ骨(圧縮)、それをつなぐ筋膜に包まれた筋肉、腱、靭帯(張力)の構造はテントに似ています。

画像5

これをテンセグリティ構造(tensegrity)と言って、tension(張力)とintegrity(統合)という言葉を混ぜた造語です。この構造では、圧縮も張力も総合的にバランスが取れている事で成り立つ仕組みなので、このテントの布の一部が縮んでしまっていたら、そこに引っ張られて全体のバランスを無くして倒れてしまいます。逆に、布が伸びすぎてたるんでいたら張力を失って骨組みだけでは支えられずに、これもまた倒れてしまいます。

写真で載せている二個目のアーチの仕方、カールの仕方は、ピンと張った風船のように体全体を通して均等に張力がいきわたるように、張力にバランスを作り出す動き方だから、体が喜ぶんですね。

画像6

残念ながら現代のライフスタイルは、体を動かす機会がどんどん減ってきていて、座っている時間がかなり長くなってきています。そうやって固まった張力をリセットしてあげる事が出来ず、テンセグリティの本来持っている伸張、開放的な広がりがなくなってしまい、体の中に閉じ込められるように小さくでしか動けなくなってしまいます。きゃー!


でもいいニュースもあります🎵

身体中を張り巡っているネットのような筋膜は、年齢関係ありません。固まってしまっても、損傷していない限り、歳関係なくまた元のしなやかさに戻る事が出来ます。時間がかかるかもしれないけど。なので、固まった筋膜に水分補給してまた伸びやかに体をサポートしてもらうには、まず動いて循環をよくしてあげる事!

そして、押したり引っ張ったりするあくびや伸びのような動きを使って、伸びやかに動く事で筋膜に柔軟性を取り戻してあげる事。ジャイロはそんな動きのオンパレードだから(腹筋鍛える時でさえ!)、私はすごく好きです。

でも、ジャイロしない人だって、普段の生活で自分なりに伸びのある動きでパソコンの合間にリフレッシュしたり、ヨガをやるなら、ただポースを真似するのではなくて、意識的に対になる方向に体を伸ばしていくようにしてみるだけでも、とてもいい習慣だと思います。

ただ長年固まったままでいた完全に元に戻したい場合は、動いていない時間が長い分、習慣的に長い期間で筋膜に働きかける動きをしていく必要があります。元に戻るには時間がかかるけど、うまくガイドして動かしてあげたら、変化を感じるのは時間はかかりません。

忍耐強く体と向き合いながら、すこしずつ変化する体を感じていくのはとても楽しいプロセスですよ!


そんなこんなで、今日の投稿はちょっと盛りだくさんでした。

また、体って面白いなぁと思っている情報シェアしていきたいと思います❤️アメリカ生活のこと、育児のことも、気ままに〜。

週1の日本語で教えているズームでのジャイロキネシスも、ゆったり教えています。興味があればご連絡ください。インスタグラムからメッセージが一番いいかも!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?