指導者のヴィジョン(1.指導者の役割)

1. 指導者の役割
(1) サッカーの指導理念を持つこと
 ・一貫性のヴィジョン
 完成期に花開く選手の育成とチーム強化のヴィジョンと詳細かつ現実的な指導プランの準備
 ・目標設定・・・遠い目標、近い目標
 まず、自分の指導理念や指導方法を確立し、さらに、指導者仲間と議論を重ねることが必要である。具体的には、どんな選手を育てたいのか。自分の指導するチームが何を目指すのか、チームの目標は何か。その目標を達成するための指導者の役割は何か、といったことなどである。指導者が、今何をやるべきかをしっかり把握して実践していけば必ず良い結果を生み出せる。
(2) 情熱があること。指導者自身が自分自身を良く知ること
 (オープンマインド、感情のコントロール)
(3) 子供たちの良いお手本であること
(4) 指導者自身の個性を発揮する
 迷わずに進んでいく推進力になる
(5) 指導者の資質向上
 発育発達に応じた指導方法、サッカーのコーチ方法、技術体系、技術・体力・戦術を高める練習方法、スタイルの違い、生理学、心理学、栄養学、トレーニング法、コンディショニングなどの全般にわたるアプローチが求められている。
(6) 子供の特性を知る
 発育発達の仕組みや様子・・・身体面、精神面
 個性、パーソナリティ
 「子供は小さな大人」ではない
(7) 子供の外的環境を知る
 家庭環境、友達関係、学校やグループ内での様子など
(8) スケジュール作り
 ・年間スケジュール:参加する大会に合わせた指導計画など
 ・シーズンのスケジュール:試合期、トレーニング期に応じた練習計画など
 ・月間スケジュール:練習日数、一日の練習メニューなど
(9) 指導者の組織作り、管理と運営、地域社会や学校との連携
 コーチ同士の連携や役割分担はチームに良い結果をもたらす
(10) 集団の良い雰囲気作り
 チームの雰囲気が、子供たちのサッカーに取り組む意欲に大きく影響する。その要因としては、
 ① 指導者の子供たちに対する態度
 ② 子供たちの仲間に対する態度
 ③ グラウンドや施設用具の外的環境
があげられる。そして、子供たちにサッカーが楽しいと思わせる雰囲気が何より大切である。
(11) 子供たち一人ひとりが自信をもってプレーできるようにサポートする
(12) フェアプレーの精神を大切にさせる
 ・ルールや規則を守らせることも大切。
 ・相手を敬う気持ちも大切。
(13) スポーツ障害の予防と緊急処置について知る
 ・ストレッチやウォーミングアップとクーリングダウン
 ・R.I.C.E(Rest=安静、Icing=冷却、Compression=圧迫、Elevation=挙上)
 ・慢性疲労への注意
 ・医師との連携
 ・食事指導、ジュース類やインスタント食品の弊害、栄養指導
 ・熱中症の予防
(14) 休養・休息への十分な配慮
 休むことも練習のうちである。子供の筋組織は、遅筋線維の割合が多いので疲れにくいが、練習のやりすぎは怪我や燃え尽きの原因となる。
(15) クラムジー(Clumsy)に対する配慮とアフターケア
 骨と筋肉や腱の発育のアンバランスから、13歳前後の年齢は、動作の習得には不利な時期である。また、骨や腱の障害も発生しやすい。この時期は、一見サッカーが下手になったように見える場合もあるが、心配はいらない。指導者は、こういった点を十分理解し、精神面を含めた指導の配慮やアフターケアをする必要がある。


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