育成年代の指導プログラム

サッカーの指導をするとき、多くの指導者は3つの疑問を持つと思います。

1. 「何を指導すべきか」、

2. 「どのように指導すべきか」、そして

3. いつ、それを指導すべきか

という疑問です。

サッカーは人生と同じように学習が必要ですが、小さな子供たちにとって、学習するためにはプログラムが必要となります。それらのプログラムは成長する段階に合わせたものであり、トップリーグに達するまで、育成段階に合わせて教えていきます。

1stステージ(6〜7歳)

2ndステージ(8〜9歳)

3rdステージ(10〜12歳)

の三段階に分け、それぞれに必要なトレーニングの指導計画を立てます。

指導計画をたてる上で最初にすべきは、選手のカテゴリーをどのように分けるかを考えることです。カテゴリーを分ける歳、体の成長に応じて区分けをするのもひとつの方法ですが、フィジカルを基準に年代を区切ることはしません。考慮する点は、「サッカーの理解度」です。つまり、頭の成長に応じてカテゴリーを分けます。子供たちは頭の成長に応じて、物の見方やサッカーの捉え方、理解のレベルが変わっていくからです。

例えば、6〜9歳といった低年齢の時期は、エゴイスティックな気持ちが強い年代です。自分がサッカーのプレーでしたいこと、そうでないことがはっきりしています。そのような状況の子供にパスの仕方、サポートの仕方を説明しても、積極的に理解しようとはしてくれません。一方で、ドリブルやシュートには興味を示してくれます。

しかし、10〜12歳になると、チームメイトと助け合ってプレーすることに意識が向き始めます。チームとして完全にぷれーしているわけではありませんが、エゴイスティックなプレーが減り、組織プレーへと移行する時期でもあります。この年代の子は、チームメイトと協力する気持ちが芽生えているので、それをつなげる『パス』のトレーニグをする必要性が出てきます。うまくパスをするためにドリブルでボールを運び、相手をひきつけることによってチームメイトがフリーになり、より広いスペースでボールをもらうといったプレーを理解することができます。

サッカーの指導は、学校の教育と共通した考えがあります。誰も、小学校1年生に二次方程式を教えようとは思いません。まずは足し算、引き算、掛け算、割り算など、基礎的なことから始めます。

しかしそれが、サッカーになると事情が変わってきます。学校では年齢に応じた教育を受けている子供たちが、サッカーグラウンドに行くと、年齢に関係なく、みんなが同じトレーニングをしている場面をみかけることがあります。そのような場合、指導者は、その選手が7歳なのか、12歳なのかは考慮せず、自分が知っていることを全て教えようとしてます。

育成年代での指導で大切な「ことは、体の成長ではなく"頭の成長"に応じた指導計画をたてることです。

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