【レポート #47】長野県・阿南町議会議員補欠選挙レポート(2022 4.24)
私はサムネイルには可能な限り複数の候補者の写真を載せるようにしています。 例えば一騎打ちなら両候補、3候補の選挙なら頑張って3候補の写真を撮って並べる、という風に。
で、翻って今回のサムネ。 何故片方が実物、片方がゆるキャラのか。 実はこの並びこそが、この選挙の歪さを如実に表しているのです。
万全の準備をして出馬した候補に対するは、
一見矛盾する言葉に見えるでしょうが、読んでいただければ分かります。 人口5,000人にも満たない小さな自治体で行われた、ドッロドロの政局模様を、レポートします。
◆概要
今回のレポートは、同日に行われた阿南町長選のレポートと “ニコイチ” となっていますので、是非そちらを御購読いただければ阿南町独特の風土が理解できるのですが、それが難しい方は是非無料部分だけでも読んでください! そちらに書いてある「◆POINT」は今回のレポートにも通じる基礎的な知識をまとめているので、どうか宜しくお願いします!
◆立候補者
平沢 文彦(ひらさわ ふみひこ)候補
平沢候補は飯田市出身で日本福祉大学除籍後、ケアハウスを開設したり全国で福祉・ボランティアの講座を実施。 現在は靴下販売会社の代表に就任する傍ら、長野県南部の市民団体「伊那谷市民連合」の共同代表を務めています。「福祉・自治・健康」の三本柱からなる政策を掲げ、初当選を狙います。
小澤 亮子(おざわ りょうこ)候補
小澤候補は町内でトレーニングジムと空手道場の代表で、自身もトレーナーを務めています。
・・・このように、小澤候補のデータが殆ど有りません。 補欠選挙なのでニュース記事が少ないせいも有るのですが、いくら調べても出てこないのです。 ただひとつ分かっているのは、
というコト。 これって、一体全体なんなのか? 分かっているコトを書き出してみます。
◆POINT
①小澤候補は、何者か?
阿南町は町民の健康づくりのために「ふっとふっと体操」というものを推進しています。 これは阿南町の町の形が足の形に似ているコトから(似てるか・・・?)、「足から健康に」を合言葉に2001年から取り組んでいる事業です。
この体操を子供から高齢者まで、全町民に普及させようとケーブルテレビで毎日毎日、繰り返し繰り返し放送して町民に広めています。「ケーブルテレビで流したところで・・・」なんて思うかもしれませんが、阿南町はその山に囲まれたテレビアンテナでは受信できない世帯が殆どのためテレビを見るにはケーブルテレビが必須な環境なのです。
また、町役場では朝礼時にこの体操を取り入れたり、
このように体操教室を開いたり町内のイベントに参加したりして、町民の健康増進のために、ふっとふっと体操を激推ししている中、体操のインストラクターとして活動されていたのが、小澤候補のようです。 なので、サムネイルには撮影できなかった小澤候補の代わりに、ふっとふっと体操のキャラクターである「ふみ子ちゃん」を並べてみました。 小澤候補側から見れば不快に思うかもしれませんが、写真を撮らせてもらえれば(後述)こーいうコトにはならなかった旨、御了承いただきたく存じます。
話を戻すと、町内唯一の民間運動施設(トレーニングジム&空手道場)の代表として町内でも知られているコトに加え、ふっとふっと体操のインストラクターとしてイベントで、そしてケーブルテレビで毎日見かける顔なのが、小澤候補。 だから、ポスターに顔が載っていなくても小澤候補のコトは「みんな知ってる」と、取材時に町民の誰もが口にするのでした。
②石田元町議が辞職したコトを受けての補欠選挙
町長選に立候補するために1期途中で辞職した石田仁志候補。 その議席を争う選挙が今回の補選です。 石田候補は神奈川県で自営業を開いたのち2019年に帰郷し、阿南町議選に立候補し当選した方で、町長選では「閉鎖的な町の風土を変え、もっと開かれた町にしたい」と訴えていたので、どちらかというと平沢候補の主張に近く、そのポジションを平沢候補が当選するコトで守れるかどうかというのが、“本来の” 争点です。
③「伊那谷市民連合」とは?
伊那谷市民連合は昨年の衆院選において野党共闘に尽力した市民連合と連携する「信州市民連合」の長野県南部担当のような位置づけで、昨年の衆院選では長野5区野党共闘候補の曽我逸郎氏の支援に尽力されていました。
選挙戦は曽我氏が優勢と言われていましたが最終盤で組織力のある宮下陣営にひっくり返された形となり落選。 曽我氏は立憲長野5区代表を降りたとの話を伝え聞きましたが、半年が経ち、国政選挙を活動の場として政権交代によって理想とする政治の実現のために活動されていた市民団体の代表が選挙に出る。
同じベクトルながら明らかに違う形で政治にアプローチしようと思うに至ったのは何故なのか? 取材するにあたって、その点にものすごく興味が有りました。
ここから先は
もし宜しければサポートをいただけると大変嬉しいです! いただいたサポートは今後の取材費として使わせていただきます。