【#75】富山県・舟橋村長選挙&村議補欠選挙レポート(2022 11.27)
「日本一小さい村」の、舟橋村(ふなはしむら)。 面積が福岡空港とほぼ同じで東京ディズニーリゾートの1.5倍という大きさです。 何より、富山県の約3割の面積を占める、お隣りの富山市の大きさと比べれば、その小ささが一目瞭然だと思います。
富山市のベッドタウンで人口がここ30年で倍増し「奇跡の村」とも呼ばれる舟橋村で「42年ぶりの村長選」が行われるというコトで全国ニュースに取り上げられ一躍有名になりました。 きっと投開票翌日には「〇〇が勝った」「●●が負けた」という点を大きく取り上げたニュースが踊るでしょうが、私が現地で取材して感じたのは勝ち負け以前の、もっと根本的な問題点でした。
一人でも多くの人に、この状況を知ってほしい。 そのために、この記事は無料で公開いたします。 是非ともご覧いただいて、
というコトを知っていただきたく存じます。
◆概要
面積:3.47㎢(日本一小さい自治体)
人口:3,285人(富山県で最も少ない)※2022年11月1日現在
人口密度:946.6人(富山県で最も高い)※2022年11月1日現在
平均年齢:42,9歳(富山県で最も若い)※2021年10月現在
衆議院は富山2区に属し、
上田英俊(自民 1期)氏を選出
※最初に
今回、村長選・村議補選ともに一騎打ちなのですが、そのうち、村政を大幅に変えたい側の候補を「改革派」。 対して(村政改革自体は反対ではないが)今までの流れも尊重したい側の候補を「主流派」と定義します。
更に、先祖代々舟橋村で生活し続けてきた住民を「元村」(もとむら)。 他自治体から舟橋村に引っ越してきた住民を「新住民」と表現しています。
以降、この言葉を多数用いますので覚えていて下さい。
◆村長選・立候補者
◆村議補選・立候補者
◆選挙に至る経緯
コチラの記事を見ていただければザックリ把握できるかと思いますが、改めて私の方でまとめてみますとすれば、
2021年2月、40代の生活環境課の男性によるパワハラ行為が発覚。 地元紙で取り上げられ問題になったコトを受けて開かれた第三者委員会の調べで、役場職員の3分の1にあたる10名が過去にパワハラを受けたコトがあると明らかになる。
また、2019年に農薬散布用ドローンを使用する法人の「ドローン用の発電機を買いたい」という相談に応じ、ドローンによる農薬散布の面積を水増しする形で補助金を約9万円多く支給したとする問題が2021年10月に発覚。
それに対し古越村長は、パワハラ問題については副村長時代に「目立たないように」と穏便に済まそう(「放置」ともいえる)としたようで、更にドローン補助金問題についても「職員の処分ナシ、補助金の返還も考えていない」としたため、村議会が激怒。 村長に不信任決議案を叩きつけ、9月に全会一致で可決。
不信任を受けて古越村長は即、村議会解散を決定。 10月に村議選が行われるも定数キッカリ(現職5人、元職1人、新人1人)で揃え無投票当選。
再招集された議会で再度、不信任決議案が全会一致で再可決。 古越村長は自動失職となり、11月27日に村長選が行われるコトに。
渡辺光氏は改革派の立場から古越村長を批判。 失職により村長選が行われた際は立候補すると、いち早く表明。
当初、古越前村長は出馬に意欲を見せる一方、不信任動議を出した中心人物である竹島貴行(6期)議員が、古越前村長が出馬するなら不信任決議で村政が混乱した責任を取って村議を辞職し、村長選に打って出ると表明。
しかし古越前村長は体調面の不安で家族が反対したコトを理由に不出馬を表明。 一方の竹島村議も古越前村長が出ないなら立候補する理由が無くなったため、立候補を撤回。 村議に留まると表明。
42年間村長選をせず、実質自らの手で村長を決めてきた主流派グループ(=金森勝雄元村長後援会)は、10月の村議選で初当選した酒井村議に立候補を要請。 それを受諾し酒井村議は当選後わずが12日で辞職し村長選に出馬するコトに。 これにより主流派と改革派による一騎打ちの村長選となる図式が完成。
酒井村議辞職に伴い村議補選が行われるコトになり、改革派からは村長選の渡辺候補と協力体制を取る小杉候補が。 主流派からは古越前村長の後援会副会長である川崎候補が立候補を表明。 村長選の酒井候補と協調体制を取る。 これにより村議補選も主流派と改革派の一騎打ちに。
このような経緯で行われた村議選と村議補選。 古越村長への不信任は全会一致でしたが村議の中にも、このまま改革に舵を切りたい議員と、これまでの流れ(話し合いで村長を決めてきた後援会の影響力)を残したい議員がいたという形になります。
そして、結果はこうなりました。
◆村長選・選挙結果
◆村議補選・選挙結果
投票率が心配でしたが70%超えと多くの有権者が一票を投じた結果、両選挙とも改革派候補が当選。 これにより村政は大きく変わるコトになりそうです。
と、ココまではどのニュースでも報じられるコトでしょう。 しかし、本当に大切で重要なのは、ココから。
選挙取材を始めて2年間で70本以上の選挙を見てきた私が、現地に入り、候補者に話を聞いて感じたコト。 そしてこの村の問題点を、レポートしていきます。
◆川崎 淑子(かわさき よしこ)候補 (村議補選・主流派)
川崎候補は洋画家として活動する一方、自民党富山県連女性部副広報委員長、同舟橋支部女性部長、そして、古橋前村長の後援会副会長を務めています。 今回、主流派の流れを汲む候補として立候補。「チェンジ&チャレンジ」を掲げて初当選を目指しました。
川崎候補の選挙事務所は地区の集会所を利用していました。 伺ったところ川崎候補御本人がいらっしゃったので今日の予定を聞いたのですが「今日は休み」とのコト。 写真撮影も断られ(完全私服のOFFモードだったので仕方ないか・・・)てしまったのですが、その代わり、“主流派目線” から見たこの村のコト、この選挙の話をたっぷり聞くコトが出来ました。 川崎候補曰く、
とのコト。 主流派の発言なので問題を小さく小さく見せようとしているのを考慮しても、「元村」と「新住民」の間の対立は住民間より役場内の問題であるというコトが分かりました。
また、全国ニュースになったコトで、役場に対して「クレーマー」からの電話が多数かかってきてしまい、職員が対応に追われ住民サービスに支障が出たそうで、あぁ、ここにも「物申したい人たち」が襲ってきたんだなぁ、と彼らの民度の低さに呆れるばかり、、、
選挙公報はコチラ。 とにかくこの選挙が終わって村が落ち着いてほしいと願っていた川崎候補。 敗れてしまったため議会の場でチカラを発揮するコトは叶いませんでしたが、その落ち着いた語り口と冷静な主張は、これから改革に舵を切るであろう村政をチェックする役割として必要だったかも、、、と私は感じています。
◆酒井 信行(さかい のぶゆき)候補(村長選・主流派)
駅前でポスター撮影していたところ選挙カーで現れた酒井候補。 舟橋村は富山市のベッドタウンとして機能しているが故、村民の多く(新築の家を建てた家庭は共働きが多い)は富山市内へ働きにいくため、平日昼は村内ガラガラ。 出歩く人も殆ど見当たらない中、選挙カーをガンガン走らせて「一周30分」と言われる村内を走りまくり、その日の夜に行われる総決起集会の宣伝をしていました。
総決起集会の取材許可を得ようと選挙事務所に行ったら酒井候補も戻ってきており直接伺ったのですが、総決起集会の撮影はおろか、取材自体もNG。 この場での撮影も断られ、そのうち私が何を話しても手元の新聞を見てコチラに見向きもしない。 サスガにちょっとカチン!ときて、
と言ったのですが、反応無しか「いいですよ!」という回答だったため、それに従い今回、その時の状況を細部まで書かせていただいております。 私のようなフリーの選挙ライターは、取材拒否されたら何も書かないワケではなく、どのように取材拒否されたかを事細かく書くのが、流儀なのです。
残念でした。 そちらが「いいですよ!」と言ったから書いており、何ならそちらの希望通りに記事にしているダケですので。 悪しからず。
ただ、そのような固い態度を取るのも理解できる部分が有り、週刊誌等に取り上げられ、それらの報道全て、主流派が悪者にされる流れがあるのに加え、富山新聞によると、取材前日に酒井候補の応援に入った弁士が、
と超問題発言をし、演説後、富山新聞の取材に「支持者に危機感を持ってほしくて、自分の想像で発言した」と弁明したコトが紙面を飾っていたため更に対応が固くなってしまったものだと思われます。 “塩対応” された私ですが、サスガにそれは同情いたします、ハイ。
ちなみに別の取材現場で富山新聞の記者に会い「よくあんな新聞らしからぬネタを載せましたねー」と聞いたところ「あまりにも酷い話だったので載せるコトにした」と仰っていました。
選挙公報はコチラになりますが、補助金問題の舞台になった「ドローンによる農薬散布」を公約に載せていたり、子育て政策が弱かったりと引っ掛かる点は有りますが、それ以外の公約は決して悪いものではありません。
コチラには載っていませんが、実は舟橋村は歯科を除く病院が無い「無医村」だというコトで、その解消にも努めるとするなど、行政が先頭に立って住民サービスの向上に努める内容になっており、これらについて具体的に聞くためにも、総決起集会の取材を許可してほしかったと思わずにはいられません。
村議初当選後、僅か12日で辞職し、村長選にも落選し、結果として村政に直接的に関わるコトが出来なくなってしまいましたが、改革派の村長が進める政策をチェックする役割として、村議として残っていただいた方が良かったかもしれません。 勿論、酒井候補が立ったおかげで42年ぶりの選挙戦となり様々な問題点が白日の下に明かされたワケですから、それについては感謝しかないのですが・・・。
◆渡辺 光(わたなべ ひかる)候補(村長選・改革派)
渡辺候補は舟橋村出身。 富山大学卒業後、レッカー会社の取締役を務める一方、JCの活動にも積極的に参加し、2020年には富山県青年会議者の理事長に任命されました。
今回、村政の混乱を見過ごせず立候補を決意。「光かがやく未来をえがく」と掲げ初当選を目指しました。
◆小杉知弘(こすぎ ともひろ)候補(村議補選・改革派)
小杉候補は横浜国立大学大学院修士課程修了後、大成建設の設計本部に勤務。 2020年に舟橋村に移住後、翌年に「小杉建築設計事務所」を設立し独立しました。 今回「ふなはし新時代!」を掲げ初当選を目指しました。
このお二人は行動を共にしている(後述)ため、まとめて紹介します。
渡辺候補の選挙事務所は支持者と思われる方の自宅を使用していました(小杉候補の事務所は本人の自宅だったので撮影できず)。 ご覧のように両候補の看板を並べて貼っていたり、
古川元気村議との二連幟を村内各地に設置したりと、運動量は村内を見渡した限りでは改革派が上回っているように見えました。
ちなみに新聞等によると村議7名のうち4名は改革派についており、残り3名のうち共産党所属の村議も恐らく改革派に票を投じると見られ、残りはハッキリしない1名と当選後すぐに辞職した新人の1名、つまり酒井候補その人です。 更に新田知事もJCの繋がりで渡辺候補に檄文(為書き)を送ったと報じられています(酒井陣営には無し)。
酒井候補に取材を断られ、怒りつつもガックリきていたところ、どこかしらから候補者のものと思われる声が聞こえてきて、それを頼りにクルマを走らせたところ、村内を “歩いて” 回っている両候補を見つけ、これ幸いとばかりに声をかけ、取材をさせていただきました。
取材に対して固かった主流派陣営と違いコチラは取材ウェルカム。 先ほど書いたように平日昼間は村内に人がいないため、選挙カーでグルグルまわるよりは村内を歩いて、住民を見つけたら直接声をかけるようにした方が効果的だとの判断で、選挙カーを持っていない小杉候補を伴って村内を歩くコトにしたそうです。
酒井候補の “塩対応” とは打って変わっての “神対応” 。 渡辺候補は良くも悪くも舟橋村が全国ニュースとなったのだから、コレを機会にもっと舟橋村を知ってほしいというキモチを持っているのに相手陣営が固くて渡辺候補も困っているようで、あのAbemaからも取材の申し込みが有り、番組で両候補が出て討論してほしいという内容で渡辺候補は快くOKしたものの、やはりコレも相手陣営からNGを喰らいダメになったとのコト(まぁAbemaは、どーせ面白おかしく弄るダケだから出ないで良かったと思いますが・・・)。
ちなみに新聞に載った「統一教会が・・・」発言については、取材を積極的に受けているので大手新聞の記者さんが来るコトも多く、そのクルマが県外ナンバーなので相手陣営はそれを見たのだろうと説明をいただきました。 そして弁護士を通じて相手側に “重い文書” を送ると宣言されていました。 もうそろそろ届いた頃でしょうか。
そして川崎候補が「役場外の一般住民の間では大きな問題は起きていない」と語っていた「元村」と「新住民」との確執について両候補にも聞いてみたのですが、新住民の方が新しい事業を立ち上げようとしたら妨害されたり嫌味を言われたりしたなどは有ったが、その対立が目に見える事象として表れたケースは特に無い、と語り、この言葉を以て私が抱いていた「舟橋村最大の問題」が明らかになったという確信を私の中で持ちました(後述)。
さて、今回主流派候補に大差をつけて当選を果たした両候補。 これにて一件落着! かというと、そうではないと私は考えます。 きっと渡辺新村長は行政改革を徹底して行うでしょうが、それによるハレーションが大きくて、きっと村政は今までと違う混乱を迎えるのではないか、と。
しかし現在の旧態依然とした村政を変えるには、一度 “劇薬” を用いるコトも必要でしょう。 そしてそれを行う上で理解者が議会にいる必要もあるでしょうから、その点において改革派が当選したコトは良かったと思っているのですが、問題は両候補が掲げる、政策。
主流派候補のものと比べて子育て政策に厚い点は良いとして、それ以外は、なんだかふんわりした内容だったり実現性に乏しい政策が並んでいます。 特に高度自動運転(レベル4)のバスを導入するなんて、この先4年間で実現できるとは到底思えず、せいぜい、
オンデマンドバスやAIタクシーといった、予約制の交通機関導入が精いっぱいでしょう。 しかも渡辺候補の公報には「自動運転バス導入の “検討”」と書かれており、既に逃げ道を作っているように見えます。 だってアタマの中で考えた時点で「検討しました」と言えるのですから。
更に新聞によると、酒井候補が取り組むとしていた「無医村の解消」についても「(他自治体でもイイから)医療機関への公共交通機関の整備が必要」として、それよりも自動運転バス導入を優先するように見えるため、恐らくこれについては何も進展しないかもしれません。
そして、渡辺候補の公報には「共助」という文字が実に6回使われています。 これは行政として積極的に関与しない、住民同士の努力に委ねるという意思の表れにも見え、もしかすると渡辺新村長は、いわゆる “小さな政府” を目指しているのかもしれません。 現在の役場の “能力” を考えるとそうせざるを得ないのかもしれませんが、渡辺村政は住民に対し、あまり優しくない政治を行う可能性があるため、今後も注視する必要が有りそうです。
◆舟橋村役場の問題点を考える
さて、各候補に話を聞くと、元村と新住民の確執は、役場内で大きな問題となっているという話を聞きました。 だとするならば、これを一発で解決できる方法が有ると私は考えます。 それはズバリ、
勿論、そんなコトをすぐに出来るワケが無いし、そもそも他自治体と合併する気なんて無いでしょうから無理な話なのは重々承知です。 ただ現状、舟橋村役場の職員は30名(2022年4月1日現在)と、とても少ない。
例えばコレ。 役所なのに2階3階に行く人は「土足禁止」でスリッパに履き替えなければならない(1階は土足OK)という、これまで取材でいろいろな役所に行きましたが、土禁なんて初めてです。 しかもスリッパも20足程度しか用意されておらず、如何に利用者が少ないかが分かります。
そして私は取材で必ず役所を訪れるようにしており、そこでは当然、期日前投票が行われています。 普通は投票用のスペースをロビーや会議室などに設け、そこに職員を配置するものですが、舟橋村の場合、
このように総務課の廊下が投票所となっていました。 廊下の壁に設置された記入所で投票用紙を記入し、
総務課の窓口に投票箱をドカンと置いて、総務課職員が通常業務をしながら投票案内をするという、てんやわんやっぷり。 これまでどんなに過疎が進んだ自治体に行ってもこんな光景は見たコトが有りません。 これを見て舟橋村は職員が少なすぎると感じたのです。
それは他自治体と比べても明らかで、日本で2番目に小さい自治体は沖縄の離島、渡名喜村のため比較は避けますが、日本で3番目に小さい面積(4.03㎢)の自治体である大阪府忠岡町の職員数は、155人(2020年4月1日現在)。 日本で4番目に小さい面積(4.07㎢)の奈良県三宅町の職員数は、120人(2017年4月1日現在)です。 また、人口で比べても、
人口2,977人(2021年7月末現在)の愛知県東栄町の職員数は、115人。
人口2,691人(2022年4月27日現在)の長野県小谷村の職員数は、59人です。 これらと比較しても如何に舟橋村の職員数が少ないかが御理解いただけるかと存じます。
役所の人数が少ないというのは、案件に対する連絡先が少なくスピーディに実行できるというメリットがある反面、マンパワーが足りず急な事態に対応が遅れるという点が有り、それが村の急激な人口増による待機児童の発生に繋がってしまったのでしょう。
更に役所の人数が少ないと、人事異動が難しいというデメリットも有ります。 実際舟橋村でも、それが原因で職員間に “ファミリー感” “イツメン感” が生まれ、更に同じ部署に長年いる職員が “既得権益化” するケースも有り、それがパワハラの温床になっている面は否めません。 古越前村長もパワハラ騒動を取材に来た週刊誌のインタビューに対し、
と堂々と述べております。 大体組織のトップが「アットホーム」とか「ファミリー」とか言い出す会社は大体ブラック企業だと、吉本興業の闇営業問題や同事務所に所属していた某司会者が出演者を「ヘキサゴンファミリー」などと言っていた頃から相場が決まっているものです。
更に舟橋村役場では、子育て政策を充実させようと「地方創生プロジェクトチーム」を役場内に設置。 公園整備や子育て支援賃貸施設「リラフォートふなはし」を建設するなどした結果、その取り組みが国土交通大臣賞を受賞するなど、大きな成果を生みました。
しかしその受賞によりプロジェクトチームのメンバーが、いわゆる “テング” になり、チーム外の職員に威張り散らすというコトも起きていたようです。
これらの事案から鑑みて、職員数を増やすコトが最善なのでしょうが、それも簡単には出来ないでしょう。 ならばいっそのコト他自治体に吸収されて、そこの職員と人事の入れ替えを行えば早いのでは? と思い、この項、冒頭の意見を述べたのです。
それが出来ない(やらない)ならば、やはり民間出身の渡辺新村長による手腕にかかる部分は大きいでしょう。 動脈硬化を起こしているような舟橋村役場を早急に治療していただきたいと、願います。
◆だから、選挙は必要である
役場の問題は以上だとして、一方各候補が「大きな問題は起きていない」と言っていた住民間の対立は、本当に大したコトないのでしょうか。
昔から住んでいた住民と移住者との軋轢、対立というものは何も舟橋村に限った話では有りません。
例えば、八ヶ岳高原がある山梨県北杜市では、ゴミの出し方をめぐって住民間の対立が問題となりましたし、
穂高地区に高原リゾート地が有る長野県安曇野市でも、昔からの住民と移住者との対立が問題になっています。 なので舟橋村で起きているコトは別に珍しくも何ともなく、移住者が多い自治体ではどこでも見られる現象なのです。
それでは何故今回、(役場の問題も含めて)これだけの騒動になり村長失職という事態にまで発展してしまったのか。 それこそ、
に他なりません。 先ほど挙げた山梨県北杜市ではゴミ問題が市長選の争点になりましたし、長野県安曇野市では移住者側から市議に立候補して行政に参加しています。 問題点から目を背けず、選挙の場で表沙汰にして住民に知ってもらい、改善に努めてきたのです。
しかし舟橋村は、一部の人間による話し合いで村長を決め、住民が対立するのを恐れ(「ビビり」という表現が正しいかもしれません)るが余り選挙を避け続けてきた。 それを42年間繰り返す間に不満はマグマのように溜まり続け、今回一気に噴出したのではないでしょうか。
当然誰しも他者と対立なんてしたくありません。 話し合いで上手く行くならそれに越したことはないでしょう。 しかし「話し合い」は全住民参加で出来るワケがなく、どうしても一部の人間が参加する形になってしまいます。 だがそれでは多くの住民の声を反映するコトは難しく、結果として一部住民が既得権益化してしまいます。
可能な限り多くの立場の意見を取り入れ、多数の意見、少数の意見を数値化し、少数派は結果を受け入れ、多数派は少数派の意見を尊重する。 その手段こそ選挙であり、それを以て構築するものこそ、民主主義です。
多くの立場の意見を聞くのに最も簡単な手段が、選挙。 それを疎かにしていては、せっかくの民主主義が廃れてしまいます。 だからこそ、選挙は絶対的に必要であり、それを疎かにすると舟橋村のように、どこでも起きているような問題に右往左往して、結果「村長失職」なんて一大事に発展してしまったのだと、この選挙を通じて多くの方々に知っていただきたいと思い、私は今回このレポートを無料で出しています。
そして、合わせて知っていただきたいのが「地方選挙の重要性」。
どうしても国政ばかりが注目されて地方選挙にはあまり目が向かないものですが、地方選挙こそ私たちの生活に直結する、重要で大切なものです。
国政選挙に投じる一票も勿論大切です。 しかしその一票が国の未来を決める一票になる! という実感は湧きにくいのが正直なところです。
でも地方選挙は有権者数が限られているため、投じた一票が本当に街の政治を決める一票に成り得ます。 そしてそれは、ゴミ出しのルールや子供の医療費や保育費といった、正に生活に直結する事案となって返ってきます。
だから、選挙は必要で、大切で、大事なのです。
最後までお読みいただき有難う御座いました。
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