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最高1.5億円のグリーン成長枠(事業再構築補助金)を活用できるのは、どんな会社?

事業再構築補助金の第6回から追加された「グリーン成長枠」について調べてみました。補助金額が最高1.5億円(中小企業の場合は最高1億円)ということで、目を惹くのですが、すべての会社が活用できるわけではないので、注意が必要です。

そもそも、事業再構築補助金とは? という方のために、おさらいを、、、

そして、グリーン成長枠を活用できる会社の条件を確認してみましょう!

✅グリーン成長枠(事業再構築補助金)の概要

補助金の上限額、補助率

まずは、補助金額の上限を確認しておきましょう。中小企業で上限1億円、中堅企業では上限1.5億円です。中小企業と中堅企業の定義は、公募要領を確認してください。

グリーン成長枠の概要

参考までに、通常枠は補助金の上限額は低めですが、補助率が中小企業で2/3と高いため、金額によっては、通常枠を選択した方がお得な場合もあります。(下表参照)

例えば、
グリーン成長枠:対象経費4000万円 → 補助金額2000万円(補助率1/2)
通常枠:対象経費3000万円 → 補助金額2000万円(補助率2/3)
となり、補助金額は同じなのに、グリーン成長枠の方が1000万円も多く支出する必要がある、という変な状況もありえます。

(参考)通常枠の概要

マンガでわかる「グリーン成長戦略」

経済産業省・中小企業庁が運営するミラサポPlusに「グリーン成長枠」の解説記事がありました。
背景情報と概要を掴むにはちょうどいい感じです。下のリンクから、どうぞ!

「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」解説

経済産業省の解説記事も参考になるでしょう。下のリンクからどうぞ!

✅グリーン成長枠(事業再構築補助金)の申請要件

★ 基本的には通常枠の要件を満たした上で(売上減少要件を除く)、さらに以下の追加要件を満たす必要があります。

  • グリーン分野での事業再構築を通じて高い成長を目指す事業者が対象

  • 具体的には、政府が策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」(令和3年6月18日付)に記載されている14分野のいずれかの「課題」の解決に資する取組であること

    • (参考)「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」【概要資料】

    • (参考)「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」【本体資料】

  • その取組内容について、2年以上の「研究開発・技術開発」計画書または従業員の一定割合以上に対する「人材育成」計画書を策定して提出すること

    • 「人材育成」計画書については、従業員の10%以上年間20時間以上の外部研修または専門家を招いたOJT研修を受けることが必要

  • 補助事業終了後3~5年で付加価値額が年率平均5.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること(または、従業員一人当たり付加価値額の年率平均5.0%以上増加でもOK)

売上高 10 %減少要件は不要です。売上が増加しつづけていても申請できるのは、このグリーン成長枠のみです。

🌏要するに、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の14分野のどれかの「課題」に対応し、2年以上の「研究開発・技術開発」か、「人材育成」を行うこと。その計画書を策定することが条件です。🌈

なんとなく頑張ります、というレベルではダメ。しっかりと計画した取り組みが必要です。

✅「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の14分野とは?

カーボンニュートラルとは?

カーボンニュートラルとは :
温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します

2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。

https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/

いつのまに、そんな宣言したんだよ!? と思っても仕方ないですね。国際的に、こういう流れです。現状から考えると、とんでもなく高いハードルに思えてしまいますが、世の中はすでに実現に向けて動き出しています。

温室効果ガスとは、CO2(二酸化炭素)、メタン、N2O(一酸化二窒素)、フロンガスなどを指します。とりあえず、主要なCO2を中心に考えれば良さそうです。
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/carbon_neutral_01.html

14分野とは?

14分野の概要

カーボンニュートラルへの取り組みによって産業成長が期待される14分野を設定し、政策的に支援する。新しい時代をリードする産業政策という位置づけです。

現在のCO2排出量の由来割合

CO2排出量の多い分野から対策するのが効率的です。

まずは、電力(発電)。CO2排出量が最も多い分野です。風力、太陽光、地熱発電などクリーンエネルギー分野の成長が期待されます。

産業、運輸の領域でも、エネルギー効率化の取り組みが期待されます。わずかな効率化が大きな効果をもたらします。

家庭、オフィスでもエネルギー効率化が期待され、高性能・省エネ住宅、廃棄物処理・リサイクルへの取り組みも14分野に含まれます。

普段意識していないだけで、よく考えると今やっていることがカーボンニュートラルに貢献するかも?と考えるキッカケが増えるといいですね。

「グリーン成長枠」想定事例集

「グリーン成長枠」想定事例集

事業再構築補助金のポータルサイトに、想定事例集が掲載されています。あなたの会社の取り組みも、実は関係しているかもしれません。
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/cases/green_seityo_soteijirei.pdf

業務のデジタル化、DX化も、捉え方によるとカーボンニュートラルに貢献しうる。ちょっとこじつけな感じもしますが、数値的な貢献度を示せると、何でもありなのかもしれません。

物流の効率化も、データ活用をからめると、対象になりそうです。

住宅、建設分野は、省エネの取り組みをやっているハズなので、言い方次第では、幅広く対象になりそうです。期待効果や数値目標の表現がキモでしょうか。

事例集に載っているからと言って、すぐに対象になると勘違いしないように、注意が必要です。本来の目的に合っているか、各要件を満たしているか、慎重に検討することをオススメします。

✅「研究開発・技術開発」計画書、「人材育成」計画書とは?

本編の事業計画書15ページとは別に、「研究開発・技術開発」計画書、「人材育成」計画書、それぞれ所定のフォーマットが用意されています。ページ数は5ページ程度。
「程度」というのがくせもので、4~5ページのイメージ、それなりのボリュームですね。
併せて、20ページ程度の計画書を作成することになります。補助金額が高いので、計画策定の手間もかかります。

「研究開発・技術開発」計画書の場合、主な記載内容は、以下のようになっています。

  • 概要、背景、当該分野の動向

  • 開発の具体的内容

  • 開発の高度化目標、技術的目標等(課題やその解決方法を含めて説明)

  • スケジュール(2年以上)

  • 成果及び期待される効果

  • その他アピールポイント等(自由記載)

審査項目も確認して、すべての項目を網羅して記載することが重要です。

  • 研究開発・技術開発の内容が、新規性、独創性、革新性を有すること

  • 目標達成のための課題が明確で、その解決方法が具体的に示されていること

  • 研究開発・技術開発の成果が、他の技術や産業へ波及的に影響を及ぼすものであること

✅その他の注意点

再生エネルギーの発電を行うための発電設備 及び 当該設備と 一体不可分の附属設備 (太陽光発電を行うためのソーラーパネルなど)は補助対象外です。
自社ビルに太陽光パネルを設置して、省エネ、カーボンニュートラルを実現します、みたいな単純な話ではダメということですね。

グリーン成長枠の補助事業実施期間:交付決定日から14か月以内(ただし、採択発表日から16か月後の日まで)
通常枠に比べて2か月間ほど、実施期間が長く設定されています。

✅すでに事業再構築補助金を採択済でも追加申請できる!?

事業再構築補助金は1企業で1回しか申請できないハズでしたが、今回のグリーン成長枠は特別。すでに採択済、交付決定済でも、追加申請できます。事業内容(補助金の用途)は別であることが前提ですし、減点措置もあるので、2回目の申請となると、なかなかハードルは高いと思います。

また、以下の注意点があり、追加書類が必要です。

  • 既に事業再構築補助金で取り組んでいる又は取り組む予定の補助事業とは異なる事業内容であること【別事業要件】

  • 既存の事業再構築を行いながら新たに取り組む事業再構築を行うだけの体制や資金力があること【能力評価要件】

  • 申請に当たって、「別事業要件及び能力評価要件の説明書」を提出すること

  • 補助金の支援を受けられるのは2回まで(従来の申請+グリーン成長枠の申請)

  • 一定の減点を行った上で、審査される(なかなか厳しそう)

✅幅広い分野で対象になるかも!?

こうしてみると、かなり幅広い分野が対象になりそうです。大型投資を検討している企業さんでは、一度検討してみる価値はありそうです。

補助金制度は申請するまでも面倒ですが、採択後もかなり面倒です。もともとやる予定だった計画で申請要件を満たすようであれば、活用検討をオススメします。
逆に、むりやり計画自体を考えることは、あまりオススメしません。本業に集中した方がオトクです。


少し専門的な内容でしたが、自分の頭の整理もかねて、まとめてみました。
何か参考になれば嬉しいです。

関心がある、相談してみたいという方は、下のお仕事のご依頼について、からお願いします。

この記事を書いたのは、
もうそうビズ企画 代表 川原茂樹
https://mousoubiz.com/
https://twitter.com/mousoubiz


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