妄想の理想の学校生活最後の夏休み

夏休みなんてもうウン十年も前のお話。
そんな昔のお話です。 

高校最後の夏休み。
確かキャンディーズが解散発表したのもこの年の夏だった。

 
彼女と付き合って約一年ほど。

学生生活最後の夏休みだから、
出校日が終わったあとの制服デート。
その帰り道夕立でびしょ濡れになって笑いあったり、

近所のお祭りに浴衣着て行って、
学校から9時までには帰れと言われていたが、約束を破り
見回りの先生を見つけた彼女は手を握り猛ダッシュで逃げたのも
この夏の思い出だ。


~夏休み最終日前日~

ふと思いついて僕は彼女に電話をした。

だけど出たのは彼女の3つ下の弟だった。
会ったのは2~3回の弟くんは
「あっ、ちょっと待ってくださいね。」と
受話器の置く音が聞こえると共に電話の向こう側で聞こえた
「お姉ちゃんーいつもの人からー」って聞こえて
そろそろ名前覚えてくれよ!なんて思った。


彼女が電話に出たので僕は話を始めた。

「俺らは進学組じゃないから、学生最後の夏休みじゃん?
明日浴衣着て出かけない?」

そう言うと、

「うん!いいね!行こう!
・・・・・・でも○○くん宿題終わったの!?」

宿題終わってない僕が言葉に詰まってたら


「ほら~!終わってないんでしょー!
明日は朝からそっち行くから宿題終わらせるよ!
出かけるのは終わってからだよ!」

そう言う彼女との約束をし、電話を切ってから
急いで部屋を片付けて、少し宿題を進め始めた。


~当日~

彼女が家に来て宿題を始めた。
休憩の時はマッサージしてくれた時間は幸せすぎた。


そして宿題が終わったのはお昼。


一旦彼女は着替えるため家に帰り、最寄りの駅で待ち合わせをし、
僕はやっと買った中古のカメラを持って。
そして電車に乗って目的地に向かう。
タイミングよく急行があったのでそっちに乗った。


目的地に着いた僕らはご飯を食べて軽く観光した。
歩いているとすれ違うおじいちゃん、おばあちゃんに
「お似合いだねぇ~」とか言われ笑いあったのは今でも覚えている。


彼女をカメラで撮ってたら、
「いいカメラだね、お二人さん一緒に撮ってあげようか?」と
声を掛けてくれたので、撮ってもらった。

薄暗くなってきたので近くのお店で花火を買い
海に行って花火をすることにした。

一緒に楽しんだり、カメラで撮り合ったり
セルフタイマーで走って撮ったりした。
線香花火で競うなんてこともした。


帰りの電車。普通と急行の両方が止まってた。

僕が急行に乗ろうとしたら
彼女の足が止まり僕の腕が後ろに引っ張られる感じになったのだ。

僕は「どうしたの?乗らないの?」って言ったら
繋いでた左手がギュッて強く握られた。

彼女は「急行は早く着いちゃうでしょ?普通乗って・・・ゆっくり帰りたいなぁ・・・」

そんな彼女が愛おしすぎて
人も少なかったから抱き寄せギュッてハグしたのは無意識だった。


そして僕らは普通乗って帰ることにして
彼女を家まで送り届けた。

家に着いたら彼女が
「夏休み最後に楽しかったね!ありがとう!おやすみ!」って

家に入るかと思ったら立ち止まり、振り返って
少し駆け足で僕のとこに戻ってきて


僕のほっぺにチューをして戻っていった。

突然のことに時が止まったようだった。
そんな夏の学生最後の青春は幕を閉じた。

明日からは学校が再開し
次は最後の学園祭。
昨年のお祭りの屋台で実行委員をしたおかげで
彼女と付き合うことが出来た、あの学園祭と違い
カップルとして一緒に作業したり回ったりできるのは楽しみだ。

撮ったカメラのフィルムを現像しに行ったら
彼女の写真の撮り方の上手さや、失敗の写真もいい思い出だ。
 
【〜完〜】

ちなみに前回記事の学園祭の約1年後ぐらいの設定


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