村八分かスラヴ連邦

ロシアのプーチン大統領は、元々臆病者に過ぎなかった。彼を狂人にしてしまったのは米英の首脳の責任である。NATOをウクライナの応援という形で戦争に巻き込んだのは米英の首脳である。米英はロシアのウクライナ侵攻直前に偵察衛星で国境付近を観察しながら“数日以内に攻めてくる”という煽りとも言える情報をメディアに流し続けた。まるで“臆病者がまだ迷っているぞ”とでも言っているかのような煽り。そして臆病者のプーチンは侵攻命令を出したのだ。

今のプーチン大統領とロシア軍は何の弁解も出来ない非道な人間達となってしまった。しかし、長い歴史のつながりの中で見ればプーチン大統領はソ連崩壊後の混乱し弱体化したロシアを偉大なロシアとして復活させたいと思っていたに過ぎない。このような“帝国の復活”を考えたのはプーチンだけではない。習近平主席も過去の中華帝国を夢見て毛沢東を越えたと考えている。英国もまたドイツが中心のE Uでは主役になれないためにかつての大英帝国復活を夢見てブレグジットをやった。プーチン大統領だけが特別な懐古趣味を持っていたわけではない。しかし、プーチンは追い込まれて狂人になってしまった。

疑問は“ロシアのような大国(核・天然資源・面積においての)を世界の村八分にすることは人類にとって益であろうか”ということである。答えは“否”である。

世界は米英中心のアングロサクソン国家グループ、中南米諸国、ヨーロッパグループ、スラヴ系民族国家郡、アフリカ諸国、中東諸国、インド・パキスタンとベトナム・タイなどのアジア諸国、中華系諸国に分けられる。ここで私が“グループ”と呼んだのはアングロサクソンとヨーロッパだけである。この二つのグループに属する国々は何らかの形で連携が見られるがそれ以外の地域は群雄割拠の戦国時代のままである。

最終的には世界が一つとなって欲しいが、ブロック毎にまとまり、その中での争いがなくなるようにするというステップを踏んでも良いだろう。ロシアについて言えばロシアが君臨するロシア帝国やソ連ではなく、ロシアがスラヴ国家郡の一員という立場を受け入れることでスラヴ民族の団結を成功させるような連邦を形成する考えに誘導していくべきではないだろうか。そうすることでロシアも他のスラヴ国家も平和と経済の発展が望める。ロシアの野党指導者であるナワリヌイ氏であればこの理屈は一考してもらえるのではないだろうか?もはや帝国主義を復活させる時代ではない。

ロシアを村八分にすることは争いの火種を残すとともにロシアの天然資源や広大な土地が人類のために有効に活用されないことを意味する。人類の平和を考えるのであれば、ロシアを時代錯誤の帝国主義ではなく前述の“スラヴ連邦”形成のような道へ誘導する努力をすべきではないだろうか?