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「江戸前 通の歳時記」を読みました

何か面白い本はあるかとhontoを覗いていたらこの本が目に留まった。
説明文を読んでみると「小鍋立」「常夜鍋」といったワードがあり、購入を決めた。
ネットがmixi全盛期だった頃、友達登録していた歌舞伎好きでちょっと小金持ちでいわゆる通だったおじいさんがよく「今宵は小鍋立で一杯やる」とか書いていたのを思い出したのだ。

江戸前 通の歳時記
集英社文庫
池波正太郎
2017.3.17

※※※※※

池波正太郎というと「鬼平犯科帳」を思い出す。
原作は全部読みました!などではなく、フジテレビで放送されていた、中村吉右衛門主演のドラマを見ていたからだ。そのエンドロールにお名前が出てたので自然と覚えた。
他によく見たのは「剣客商売」だったか。

「鬼平犯科帳」や「剣客商売」などを書いた方、それくらいの情報しか無かったのだが、食通な方だったという情報がいつの間にか加わっていた。おそらくmixiにいた通なおじいさん経由だろう。

読み始めてみると、自分の祖父くらいの年代の方の文章なのだが、思ったよりも読みやすい。”戦後を代表する時代小説化”なのだから当然と言えば当然なのかもしれない。

しかし、旬の食材をシンプルに調理する方法や戦前の東京下町の風景、子供の頃の思い出などが素朴に素直に書かれていたから私でもスッと入ったのかなと思った。

何よりも美味しそうなのだ。

シンプルな挿絵は入っているが、文章を読んでいるだけで、鍋が煮える様やどじょう鍋やポテトフライ、ビフテキが目の前にあるかのように思えてしまう。
寝る前に読んでいると、お腹の調子が良くないにも関わらずお腹が空いてきてしまい、何か食べたくなってくる。まさに飯テロエッセイだった。

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