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何者でもない私の読書日記

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何者てもない私が読んだ本たち。
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2021年4月の記事一覧

【読書日記】ひんやりした千早世界

【読書日記】ひんやりした千早世界

「透明な夜の香り」今読んでいるのは「透明な夜の香り」。

心にいろいろ抱えた主人公若宮一香はスーパーの掲示板で見つけた求人に応募する。雇い主は調香師の小川朔だった。

本書は全部で12章あり、5章まで読み終わっている。
主人公を雇っている小川朔は調香師の仕事をしているのだけれど、とにかく臭覚が超人的である。
生活に支障をきたすレベルなので、主人公が採用されたとき、ボディソープや洗髪関係、化粧水など

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【読書記録】「勘三郎の死」中村哲郎

【読書記録】「勘三郎の死」中村哲郎

勘三郎と私ここ一週間ほど、「勘三郎の死」という本を読んでいた。
中村勘三郎丈は、私にとっては特別な役者さんである。
中学生の時に大河ドラマ「武田信玄」で白塗りで貴族風の今川義元を演じていたのを見てファンになり、母親から歌舞伎役者だよと教えられ、歌舞伎座へ行った。

初めて行った歌舞伎座は赤色メインの綺羅びやかな空間で、ざわざわとした何とも言えない高揚感やワクワク感は今も覚えている。
いくつか演目は

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【読書日記】四十路からの読書

【読書日記】四十路からの読書

三年前の夏、中学時代からの親友が癌で逝ってしまった。
当時まだ高校生だった子供二人と、高齢のご両親を残しての他界はさぞ無念だっただろう。

告別式で、高齢のご両親が骨を拾う背中の小ささに、これが親不孝というものかと思い知らされた。
もちろん本人が望んだ事ではない。しかし、自分の力では死ぬ年を選ぶことは出来ないのだ。

死は誰にでもやって来るが、いつ来るか、そしてどのように死ぬかは決して平等ではない

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