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柏市で1年間子育てしてみた③〜娘3歳とくーちゃんの思い出〜

 6月のある朝、玄関をあけるとそこで
くーちゃんはひっくり返ってジタバタしていた。

 しばらく放っておいたのだけれど、
くーちゃんもそれを見ていた娘もその場から全然離れない。
少し元気がないようにも見えたので
「少しの間、お世話してみる?」と提案してみた。

「うん、お世話する!」と見上げた娘は
もう最高に嬉しい!楽しい!!大好き!!!
ワクワクが溢れて止まらない!
という表情をしていた。

ひとまずくーちゃんを捕獲。
娘がコレ食べるかなぁとキャベツを持ってきたのでそれも入れてっと。

その後さっそく、飼育に必要なものを買い出しに行った。
とはいえまだ3歳だし、すぐに飽きたり忘れたりといった感じだろうなぁと思い、必要最低限の物だけ揃えた。

面倒を見なくなったら、近くの林にありがとう元気でねとリリースしようと思っていた。

出会った日のくーちゃん



しかし、私の思惑に反し娘は飽きる事も忘れる事もなく、くーちゃんをお世話し続けた。
乾いた土に霧吹きをし、ゼリーを交換して
「くーちゃん、ご飯だよ♡」と話しかけた。
たまにそうっと撫でてはくーちゃんに威嚇され、それでも「おめめがまん丸でかわいいねー」
と優しく微笑んだ。

そうやって夏が終わり、
秋も深まった11月上旬
くーちゃんはとうとう動かなくなった。
つい2日前には、羽を広げ元気にリビングを飛んでいたのに。(娘がカゴのフタを閉め忘れていた為。)

悲しい時、痛い時、寂しい時、
いつも思いっきり声をあげて泣く娘が、
ただ静かに見つめる姿は印象的だった。

その後で私にぎゅっと抱きついてきた娘が
何を感じ、考えていたのかは分からない。

けれどこの出会いと別れが、
少しでも命の大切さを感じる経験となってくれたらばいいなと思う。

リリースするはずだった林に行き、
くーちゃんを土に埋め2人で手を合わせた。

くーちゃん、ありがとうございました。
娘は今でも時々あなたを思い出し、
ノスタルジーに「会いたいな...。」
などと呟いています。

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