読書の記録(42)『世界でいちばん優しいロボット』 文 岩貞るみこ 絵 片塩広子 絵 講談社
手にしたきっかけ
先日『ミライの武器』を読んで、吉藤オリィさんのことを子どもたちに紹介したくなった。1冊でブックトークをするとなると高学年向けになってしまので、他に子ども向けの本がないか探していて見つけた。
ノンフィクションを紹介するときによく挙げる1冊が『しっぽをなくしたイルカ~沖縄美ら海水族館フジの物語~』だ。イルカは小学生に人気で、動物好きな子が何人かいつも興味を示してくれる。
『世界でいちばんやさしいロボット』は他にも『幸せを運ぶチョコレート』『魚をにがす漁師さん』の計3編が収められている。どれも、読みやすい。フィクションをずっと読んできて、ノンフィクションをあまり読んでこなかった子にも薦めやすい。
心に残ったところ
先に『ミライの武器』を読んだので、それに比べると簡潔に書かれていることもあり、ちょっと物足りない感じもする。高校や高専でのエピソードは私は読んでいて面白かったが、小学生はまだ体験していないので、これぐらいでちょうどいいのかもしれない。むしろ、番田雄太さんとのエピソードの方がいろいろ考えさせられた。2人が出会い、つながっていくのは偶然であり必然だったのだと思う。たくさん話をして、それぞれの価値観や考えを知っていくところは、胸が熱くなる。生きる意味とは?孤独とは?孤独を解消するにはどうしたらいいのか?と話を重ね、一人では気づけなかったことに吉藤オリィさんは気づき、自分の使命を見つけていく。
まとめ
伝記や偉人伝とはまた違った魅力がノンフィクションにある。ロボットに興味がある子、自分の好きなことがある子、孤独を感じたことがある子、自分の強みがわからない子、どんな子にも薦めたい。どこかが自分の心に引っかかってくれると思う。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?