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読書の記録(24)『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』 桜木紫乃


手にしたきっかけ

冬休みに読む本を探していて見つけた一冊。桜木紫乃さんの本は『ホテルローヤル』をきっかけに何冊か読んでいます。ちらっと読むと、釧路のキャバレーが舞台で、人情ものっぽい。桜木さんだし、間違いないだろう読むことにしました。

心に残ったところ

たまたまだけど、書かれている時期と私が本を読んだ時期が重なっていて不思議な体験ができました。

現実の自分の年末は、今年中にあれこれやっておこうとか、買い物に行かなくちゃとか、細々したことに追われていました。年内の仕事を終えて、細々したことを終えて、コーヒーを淹れて本を読む時間を作りました。

桜木さんの作品は、どこか哀愁が漂う、少し暗くて淋しいイメージのものが多いと思っていました。北海道の厳しい寒さや広大な自然のイメージと重なる感じです。でも、この作品は、今まで読んできたものとは雰囲気が違いました。読んでいる途中も、読み終わったあとも、明るい温かい気持ちになれました。

一人で生きてきた俺と、キャバレーにやってきた三人のやり取りが何とも面白いです。年齢を重ね、たくさんのことを経験してきたからか、三人のおせっかいが嫌味になりません。止まった時を動かしていく感じ、俺の心がじわっと動き出す感じ、がよかったです。私は、『俺』の再生の物語と感じました。

まとめ

普段は通勤時間や、ちょとした隙間の時間に本を読むことが多いです。10分とか15分ずつぐらい。仕事に関連して並行して何冊かを読むこともあります。

この1冊を読むぞ!と集中して本を読むのは久しぶりでした。
本の世界にグ~っと入りこめて楽しかったです。

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