コンタクト

コンタクトの度数を上げた。

初めてコンタクトレンズを着けたのは中学一年生。
目が悪く、メガネをかけていたがバスケ部ということもあってメガネでプレーは出来ないと思いコンタクトにした。

その時に私より数ヶ月前からコンタクトをつけている同級生に
「つけた瞬間世界変わる、すごいってなる」
と語られたものだからワクワクしてコンタクトを入れた。

世の中では初めてコンタクトをつける時に2時間かかる人間も居ると聞いた。

しかし過去の私は
「世界が変わるのに2時間もかかるなんて！」
という感情と
「ワクワクする！」
というアホ丸出しの感情だけで挑んだものだから
入れるのに10分もかからなかった。

今じゃ片目3秒だよ。

まあ入れた瞬間の素晴らしいこと。
世界が鮮明に見えた。
目を細めなくても遠くの輪郭まではっきりしていた。
まありにも嬉しいもんだから遠くばっかり見ていた。

その時の感情今回も思い出した。
度数の合ってないコンタクトを着け続けてたものだから遠くの物の境目なんて分からなくなっていた。

今回度数を上げたコンタクトを、着けた瞬間、あの時の感情が蘇った。

嬉しくて洗面所から見える1番遠くのものを見た。
ぼやけてない！
輪郭の境目が鮮明だ。
この日は嬉しくってかなりの時間遠くを眺めていた。

おかげで顔を上げる回数が増えた。
鬱にもならなさそうだ！

でもこの感情はこれっきりにしたいものだ。
もうこれ以上目が悪くなるなんてごめんだな。
この文章は電車で思いついてポチポチ打ってるが、
10秒に1回くらいは顔を上げて窓の外を眺めている。
遠くのものを。

あーでも田舎だし真っ暗だしほぼなんも見えねえや。