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マーケターが本当に注目すべきタイトルとは?〜2020年上半期の国内スマホゲーム月別ダウンロードランキングTOP50のトレンド分析〜

今年の4月に書いた「国内スマホゲーム月別ダウンロードランキングTOP50を大解剖〜ダウンロード数が多いタイトルの共通点とは?」が思いがけずとても多くの方に読んでもらえる記事になりました。スマホゲームの売上やセールスランキングに関する記事は多いですが、ダウンロードに焦点を当てた記事が少ないことが読んでもらえた理由かなと思っています。

前回2019年のダウンロードランキングのデータを元にトレンドを紹介しましたが、今回は続編として2020年上半期のスマホゲームアプリのダウンロードのトレンドデータ公開します。2020年上半期のコロナ渦においてどんなゲームが多くダウンロードされていたのか、少しでもマーケターのみなさんの役に立てば幸いです。

今回もApp Annieから特別に月別ダウンロードTOP10のデータをnoteで公開する許可を特別にいただきました。 さらに詳細なデータはぜひApp Annieをご利用ください。

2020年上半期の月別スマホゲームDLランキングTOP10

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2020年上半期のゲーム業界の大きなトピックは、2020年2月下旬から本格化した新型コロナウイルス感染拡大と、任天堂の「あつまれ どうぶつの森(あつ森)」のメガヒットです。この2つの影響がスマホゲームのダウンロードランキングにも顕著に現れています。

まず1つ目の影響は、どうぶつの森のスマホゲームアプリ「どうぶつの森 ポケットキャンプ(ポケ森)」の躍進です。「あつ森」の発売以降の3月〜5月に一気に順位を上げており、この期間で最もダウンロード数が多いゲームになりました。「ポケ森」のリリースは2017年10月ですから、驚異的な伸びと言えます。クロスプラットフォームの影響やポテンシャルの大きさを実感したトピックでした。

そして2つ目の影響は、カジュアルゲームの躍進です。ハイパーカジュアルはもちろんなのですが、パズルゲームの「トゥーンブラスト」、「ガーデンスケイプ」、「フィッシュダム」などのパズルゲームと「Brain Test」などの脳トレ系クイズアプリが順位を大きく上げました。

これは、緊急事態宣言期間中のおうちエンタメとしてスマホゲームを始めた、もしくは久しぶりにゲームをプレイしたカジュアルゲーマ層が多く生まれたことを意味していると思います。実際に緊急事態宣言が終了した後の6月はダウンロードランキングの傾向は変化しています

ダウンロードTOP10ジャンル別タイトル数の推移

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またこのタイミングでおうちエンタメとしてスマホゲームを始めた人のアプリとの出会い方は「デジタル広告」が多いと考えています(ポケ森は例外として)。そう考える理由は、①このタイミングでゲームを開始/復帰するユーザはゲーム情報を能動的に探す層ではないと考えられること②デジタル広告の出稿量が多いタイトルが上位に入っていることです。

2020年上半期月別ランキングTOP50タイトルのトレンド

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分析の対象を月別TOP50まで広げてトレンドの推移を見てみると、2020年も引き続きハイパーカジュアルゲームのランクインの数が成長しています。2019年の分析記事では、TOP50の3本に1本がハイパーカジュアルと書きましたが、2020年は2本に1本の割合に迫る勢いです。これは世界共通のアプリゲームトレンドです。

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その他、全体的なトレンドの気づきや視点は前回の2019年データの記事に書いた以下のポイントからは大きくは変化はありませんでした。

①上位ランクインタイトルの多くが「IP」か「カジュアル群」であること
②版権/オリジナルを問わず「パズルゲーム」の躍進がすごいこと
③新作ではなく認知度も高くないゲームがTOP50にランクインしていること
④新作でも複数月でTOP50にランクインできているゲームが少ないこと
⑤周年や大型プロモ時にTOP50にランクインできているゲームがあること

この観点を元に上半期のダンロードランキングの視点での注目タイトルをいくつかピックアップしたいと思います。

上半期ダウンロードランキングで注目すべきタイトル

まずは2020年上半期にリリースされた新作タイトルについて。この分析では特にダウンロード獲得に成功した新作タイトルを、①月別ダウンロードTOP10にランクインしたタイトル②複数月でTOP50にランクインしたタイトルと定義しています。それがどんなタイトルだったのかを知っておくことはダウンロードを増やす意味でのヒントになると思います。

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①月別ダウンロードTOP10にランクインしたタイトル
2020年の上半期は13タイトルの新作がTOP10に入っていて、IPタイトルが8タイトルとミッドコアオリジナルタイトルが5タイトルでした。IPタイトルでは、熱量の高いファンを抱えたIPのスマホゲーム1作目が多いと感じます。特に「ミニ四駆超速グランプリ」、「メダロットS」が多くのダウンロードを獲得していることは驚きで、まだまだスマホゲームで成功できるIPは多く存在していることを示しています。

またミッドコアオリジナルの新作でTOP10にランクインしていたタイトルはやはりプロモーションで目立っていた、工夫していたタイトルと言えそうです。注目したいのはサイバーエージェントグループの2タイトル、「キックフライト」と「マジカミ」です。これらのタイトルはプロモーションの工夫が目立っていたように思います。IPタイトルの「このファン」を加えると、サイバーエージェントグループは3タイトルをTOP10に送り込んでおり、リリースプロモーションに強みを持っていると感じます。

②複数月で月別ダウンロードTOP50にランクインした新作タイトル
複数月でランクインした新作タイトルは10タイトルでした。そのうちの6タイトルはTOP10にも入っていました。つまりTOP10に入ったタイトルの半分は翌月にはTOP50に入れていません。個人的な考えとしては、スマホゲームにおいては長期間ダウンロードを獲得し続けることができることが理想的で大ヒットになるための条件だと考えています。その意味では、特に「ディズニー ツイステッドワンダーランド」の右肩上がりの躍進ぶりはすさまじく、2020年を代表する新作タイトルと言えます。

また「魔剣伝説」はTOP10に入っていないものの、こちらもプロモーションの工夫が目立っており(やんちゃな工夫とも言えますが)、セールスランキングにも結果が出ていることを考えると、注目すべきかなと思います。


③周年やキャンペーンでTOP50に入っていたロングセラータイトル
上半期は「あつ森」が凄まじかった話は前述しましたので、それ以外のロングセラータイトルをピックアップすると、2月の「モンスターストライク」と5月の「白猫プロジェクト」が大きくダウンロードを伸ばしTOP10入りしていました。この主要因はどちらも「鬼滅の刃コラボ」です。コラボの力を再認識するトピックでした。

また2019年から引き続きですが、「放置少女」は上半期で3回TOP50にランクインしています。デジタルマーケティングを中心として成長を続けてきた印象が強いですが、この2年ほどは和田アキ子さんや橋本環奈さんなど国民的知名度のタレントを活用したTVCMなどのマスマーケティングを積極的に活用して成長を持続しています。また制作したCMはYouTubeでも積極的に広告を展開しており、なんと上半期の橋本環奈さんを起用したCMのYouTube再生数は5000万再生超で、上半期に公開されたYouTubeの動画の中で全体3位の再生数になっています。持続的なユーザ獲得の成功には、積極的なプロモーションが背景にあることがよくわかると思います。

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スマホゲームにとってユーザ獲得は大きな命題であり課題です。このような視点でランキングを分析すると、本当に注目すべきタイトルが見えてくると思うのでおすすめです。

■マーケターが注目すべきタイトルの探し方
①月別ダウンロードTOP10にランクインしたタイトル
②複数月でTOP50にランクインしたタイトル

スマホゲーム業界はセールスランキングに目が向きがちですが、ダウンロードランキングにもたくさんのマーケティングのヒントがあると思います。また定期的にこのテーマでnoteを書いていきたいと思いますので、ぜひ参考になった方はいいねやシェアをお願いします!

おまけ)2016年12月〜現在までのトレンドの変化

おまけとして、2016年12月から2020年上半期の独自のゲームカテゴリ分類によるゲームカテゴリ別のランクイン数の推移のデータを貼っておきます。このように推移で見ると、この3−4年の間の中でもトレンドが変化していることがよくわかりますね。

・ハイパーカジュアルのランクインは2倍以上に
・ミッドコア系タイトルのランクインは2分の1に
・引き続き堅調なIPタイトルとパズルゲーム
※リリースタイトル数の変化の影響も大きいと思います

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このようにトレンドを掴むためには、ゲームジャンルやカテゴリ別に分析をする必要があり、これまでMOTTO社では各ゲームタイトルのゲームジャンルをコツコツで手作業でタグ付けをしていました。これがとても地味で大変な作業だったのですが、なんとApp Annieが各ゲームのジャンルやマネタイズモデルを分類し、分析できるようにする「GameI Q」という新サービスの提供を開始しました。これを使うととってもかんたんにゲームカテゴリの分類ができてトレンド分析もかんたんになると思いますのでおすすめです。(もっと早く欲しかった)

競争が激化するゲームアプリの市場・競合分析を簡単かつ高精度に実現 App Annie、モバイルゲーム業界向けに新製品『Game IQ』リリース〜収益を高めるための投資判断や意思決定をサポート〜
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000144.000011276.html

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株式会社MOTTO代表。株式会社ディー・エヌ・エーを経て2018年に独立し、スマホゲームとアプリのマーケティングの戦略支援を始めました。お力になれることがあればお気軽にお声がけください。noteではスマホゲームやエンタメのマーケティングについての考察していきたいと思っています。

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