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23/12/05 (火)「全体的に弱含んだ今日の日本株」引け後情報


要点まとめ

  • 日経平均株価は節目の33000円を割り込み、下げを広げる

  • メジャーSQ週のため、水準を意識した値動きに振り回されやすい

  • そんな中でドル円の最近の動きもあり、買いづらさも?

  • 小型株指数や新興市場の指数も大きく下落

全体的に弱含んだ今日の日本株

株価指数等の値動き:

本日の日本株は非常に軟調な動きとなりました。
メジャーSQ週であるため、先物市場では週末にむけて日経平均株価の節目の水準である33000円が非常に意識されそうな中、昨日はなんとか踏みとどまったその水準を朝に割り込む📌形となり、こうした日本独自の特殊要因も下げを大きくしていそうです。

-- 強みの"政治の安定感"にも陰り --

昨日の日本株は金曜日の米国株が堅調だったにも関わらず、円高が重しとなる形で軟調さがみられました。
今日に関しては米国株が反落した重しがあったとはいえ、前日に比べて円安方向に進んで朝を迎えたにも関わらず、米国主要株価指数よりも下げが広がる形に。
上述のようにメジャーSQ週である日本独自に弱さがみられる値動き📌となりました。

ほかに日本独自の弱さがあるとすれば、為替変動に敏感なセクターが直近のドル円の動きにやや翻弄されていそうなことのほか、国内政治にも陰りが。
海外投資家からすると、日本の政治面での強みは政治が"安定"していることであるという話は良く聞きます。
岸田政権自体の支持率低下だけならば、批判の受け皿となる野党がパッとしないために海外投資家からみた"安定性"に大きな影響が無かったかもしれませんが、いわゆる"パー券問題"などの問題がより大きくなると、その評価にも陰りがみえてきます。
「政治面が株価を下げている」とするのは早計だと思いますが、少なくとも買い材料ではないと感じられます。

-- 全体的に弱い --

米国では昨晩の主要三指数が下げながらも、堅調な動きが続いているセクターがあったり、小型株指数は続伸したりと強弱がありました。
欧州株もSTOXX600は4営業日ぶりに反落しながらも小幅となっていました。

そんな中で本日の日本はプライム市場の8割が下落📌。小型株指数も大きく下落し、新興市場の指数も大幅反落と、全体的に弱さがみられた一日となりました。
新興市場に関して、東証グロース市場250指数(旧マザーズ指数)が今年の10月末には昨年末比で13%安となる日がありました。
同じく米小型のラッセル2000も昨年末比でマイナスになるも、現在は6.8%高と持ち直してきているのに対し、グロース250指数は今日の下げで5%安と、まだ低迷が続いている状態です。
米長期金利の低下により、"小型株への注目"という話題が目に付きやすい中ではありますが、"TOPIX小型株"と"新興株"とで分けてそれぞれの動向を追いたい📌ところです。

東証業種別・市場別指数などの動き:

東証の業種別指数をみてみると、33業種中8業種上昇でした。
陸運、空運や電気・ガス、食料品など、内需系やディフェンシブ系が底堅い動きになりました。

一方で精密機器は軟調さがここ数日みられるほか、バリュー系でも鉄鋼が弱かったりと、幅広く売られている様子も。

東証の発表した本日の空売り比率の合計は45.8%
金曜日に37.9%とかなりの低水準になってから、昨日、今日と45%越えで売りが活発になっている様子がみられます。

その他の主な動き:

本日の全市場の売買代金ランキング上位15位、スタンダード、グロース市場の上位5位はこのようになりました。

独自の強さをみせていたレーザーテックも今日は下落。
東京エレクトロンやアドバンテストに比べれば下げ幅はマシな方でしたが、前日まで9連騰していたSCREENホールディングスなどとともに全体的に軟調に。
川崎汽船は4日続伸となったほか、さくらインターネットはNIVIDIAとの連携が期待される形で前日に続いて大きく上昇。一時はストップ高となるも、大引け前に売りに押され、上げ幅を縮めています。

グロース市場ではGNIグループやカバーが下落。ほかの主力銘柄も売られるものが目立ち、東証グロース市場250指数は大幅下落となりました。

他アジア市場では中国・香港株が弱く、香港ハンセン指数は3日連続で年初来安値を更新📌しています。
上海総合指数も終盤に下げ幅を広げ、10月につけた年初来安値が近づいています


コラム:直近の米超大型ハイテク株の下落

今回の内容は、

昨晩のいわゆる"Magnificent Seven"の7銘柄は揃って下落。
NYダウがNASDAQ総合よりも弱いという動きが数日続いている。
今年の日経平均株価も半導体関連などハイテク株高に押し上げられてきた面があるだけに、この動きは要注目。

という話。

-- Magnificent Seven --

先週の金曜日今週の月曜日の米国市場ではNASDAQ総合株価指数がNYダウに比べて相対的に弱い動きが続いている📌ことに朝のnoteで触れました。

今年の日経平均株価の堅調さを牽引してきたのが大型ハイテク株・グロース株であり、それらの銘柄がNASDAQ総合の動向を気にするような動きがあるだけに、一度ここで直近のNASDAQ総合の弱さを引き起こしている銘柄群の動きを整理してみます。

今年の米国株の上昇を牽引してきた"Magnificent Seven"の約2カ月の動きをみてみましょう。
Magnificent Sevenは、
Alphabet (GOOG)
Apple (AAPL)
Meta Platforms (META)
Amazon (AMZN)
Microsoft (MSFT)
NVIDIA (NVDA)
Tesla (TSLA)

の7銘柄を指します。

この中で、日付が黄色く塗られている直近の4日間では、見ての通りこれら7銘柄が総じて弱め。📌
特に今朝のnoteでも触れたように、昨晩は7銘柄すべて下落となっています。

その前をみてみると、まず日付がオレンジ色に塗られている期間では弱さが目立ち、何日かは7銘柄すべてが下落しています。
このオレンジ色の期間は何が起きたかというと、米長期金利が5.0%へと上昇していった時期で、この後に上昇がピークアウトする形に。
そのため、米長期金利の下落が始まり、進んだ11月に関しては堅調さが非常に目立ちます

同じく7銘柄が揃って弱含んでいる黄色の期間と、オレンジ色の期間ですが、金利上昇が重荷だったオレンジ色の期間とは違い、直近の黄色期間では米長期金利はむしろ下落しています。

-- 循環?資金の抜け? --

金利低下によってグロース株が11月に堅調になりました。
とはいえ、"Magnificent Seven"はそもそも米長期金利の上昇が予想外に続いた今年、11月に入る前から異様な強さとなっています。
これからの金利低下局面でもさらに資金を吸収するとなると、自然と投資資金がこれら7銘柄に極端に集中し、バランスが悪くなることが考えられます。

仮にそういった理由で資金が抜けている場合、抜けた資金がどこに向かうのかが重要になります。
直近ではNYダウが年初来高値をつけたり、小型株であるラッセル2000が続伸していたりと、出遅れたものに資金が向かうような動きも。
こうした形でうまく循環するのかが、今の相場で注目したい点📌となります。

警戒したいシナリオとしては、調整の形で"Magnificent Seven"の下落が続き、相場の雰囲気を悪くしてしまうこと。資金の循環ではなく、抜けて別のアセットクラス(現金、株式、債券、金など資産の種類)に向かってしまうと、"金利低下を好感"する相場から"景気の弱さを心配する相場"という雰囲気に📌なりかねません。

"今年の中ではちょっと違う動きが出る……かも??"という局面であるだけに、半導体関連に押し上げられた日経平均株価、バリュー株人気に押し上げられたTOPIXなど、明確なテーマが日本にもあっただけに、流れがいまどこにあるのかを気にしておきたいところ📌ですね。


明日の注目ポイント

-- 今晩の米国市場 --

今晩の注目は雇用動態調査(JOLTS)の内容と反応
明日はADP雇用統計、明後日は週次で発表される新規失業保険申請件数があり、金曜日は注目の雇用統計。
雇用関連指標が相次ぐだけに、どのような結果と株価の値動きになるのかに要注目。
また、日本株としては為替の値動きもしっかりとチェックしたいところ。

ISM非製造業景気指数によるサービス業の強さと、米長期金利の動きも要チェック。
来年の利下げ期待が市場でかなり織り込まれ始めているだけに、物価高の主要因であるサービス業の強さがどう変化しているのかをみることも重要です。

-- 明日の日本市場 --

まずは今晩の米国株の値動きをみてからというところですが、明日は引き続き日経平均株価の33000円という水準がどう効いてくるのかに注目。
メジャーSQ週なだけに、先物主導で上下することは警戒しておきたいところ。
今日の下げで日経平均株価、TOPIXはそれぞれ25日移動平均線を割り込んでおり、弱含む動きが続いてしまった場合はより上値の重さが意識されることになりそうなだけに、12月相場が好調になるためには明日しっかりと持ち直せるかが一つ重要なポイントになるかも📌しれませんね。


指数・今後の重要イベント

終値
日経平均株価       : 32,775.82 ( -1.37% )
TOPIX        :  2,342.69 ( -0.84% )
東証グロース市場250  :     693.79 ( -2.75% )
東証プライム市場指数   : 1,205.34 ( -0.85% )
東証スタンダード市場指数 : 1,155.04 ( -0.84% )
東証グロース市場指数   :   884.76 ( -2.42% )
スタンダード市場トップ20: 1,087.57 ( -0.89% )
グロース市場コア     :    903.49 ( -4.28% )

東証プライム 売買代金: 35833億円


イベント

2023年12月第2週(メジャーSQ週)
12/05 (火):10月JOLTS雇用動態調査
12/05 (火):米11月ISM非製造業景気指数
12/06 (水):米11月ADP雇用統計
12/08 (金):米11月雇用統計
12/08 (金):米12月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2023年12月第3週
12/12 (火):米11月消費者物価指数
12/12 (火):FOMC(~12/13 日本時間14日早朝にパウエル議長会見予定) 
12/13 (水):米11月卸売物価指数
12/14 (木):ECB理事会
12/14 (木):英国金融政策委員会
12/14 (木):米11月小売売上高
12/15 (金):米11月鉱工業生産
12/15 (金): 米12月PMI 速報値

2023年12月第4週
12/18 (月):日銀金融政策決定会合(~12/19 19日に会見予定)
12/19 (火):米11月住宅着工件数
12/20 (水): 米12月消費者信頼感指数
12/20 (水):米11月中古住宅販売件数
12/21 (木):米12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
12/22 (金):日本11月全国消費者物価指数
12/22 (金):米11月耐久財受注 速報値
12/22 (金):米11月新築住宅販売件数
12/22 (金):米11月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2023年12月第5週
12/25 (月):クリスマス 米休場
12/27 (水):配当・株主優待 権利付き最終日

2024年1月第1週
01/01 (月): 元日/新年 日米休場
01/02 (火): 日本休場
01/03 (水): 日米休場
01/03 (水): 11月JOLTS雇用動態調査
01/03 (水): 米12月ISM製造業景気指数
01/03 (水): FOMC議事要旨公表
01/04 (木): 米12月ADP雇用統計
01/05 (金): 米12月ISM非製造業景気指数
01/05 (金): 米12月雇用統計

2024年1月第2週(SQ週)
01/08 (月): 成人の日 日本休場
01/11 (木): 米12月消費者物価指数
01/12 (金): 米12月卸売物価指数

2024年1月第3週
01/15 (月): 「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」開示企業一覧表公表
01/15 (月): キング牧師記念日 米休場
01/17 (水): 米12月小売売上高
01/17 (水): 米12月鉱工業生産
01/17 (水): ベージュブック公表
01/18 (木): 米12月住宅着工件数
01/19 (金): 日本12月全国消費者物価指数
01/19 (金): 米1月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値
01/19 (金): 米12月中古住宅販売件数

2024年1月第4週
01/22 (月): 日銀金融政策決定会合(~1/23 23日に会見予定)
01/25 (木): ECB理事会
01/25 (木): 米12月耐久財受注 速報値
01/25 (木): 米12月新築住宅販売件数
01/26 (金): 米12月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2024年1月第5週/2月第1週
01/29 (月): 配当・株主優待 権利付き最終日
01/30 (火): 12月JOLTS雇用動態調査
01/30 (火): FOMC(~1/31 日本時間1日早朝にパウエル議長会見予定) 
01/31 (水): 米1月ADP雇用統計
02/01 (木): 英国金融政策委員会
02/01 (木): 米1月ISM製造業景気指数
02/02 (金): 米1月雇用統計

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