24/07/24 (水)「決算による値動きが目立つ相場」寄り前情報
要点まとめ
注目の決算が取引時間終了後に控えた米国株
主要三指数は揃って横ばいで動き、小幅反落で終了
Teslaは利益予想を下回り、日本時間朝の時間外で大きく下落中
Alphabetは決算発表直後は時間外取引で好感も、電話会議で下落に転じる
日本株は円高の影響が気になる
米国株主要三指数の値動き:
昨晩の米国市場では主要三指数(NYダウ・S&P500・NASDAQ総合)は揃って反落しましたが、前日終値を挟んだ動きを続ける時間が長く、どちらかといえば横ばいの雰囲気が広がっていて、取引時間終了後に集中する注目の大型株の決算発表に備えてやや売り優勢となったような形となりました。
前日の夕方noteにて注目ポイントとした点を振り返っていきましょう。
(①、②などの番号は前回のnoteで注目ポイントとした内容の番号に連動して割り振っています)
-- ①テック決算を前に慎重 --
(前日挙げた注目点:堅調さの持続性があるか)
バイデン大統領の大統領選撤退が週末に正式に決まったことで、
「勝てるとは思えないバイデン大統領、それに伴うトランプ候補の政策への急速な織り込み進行」
という相場に対し、一旦冷静さが広がったような形となった前日月曜日の相場。
ただそれでも、今度はバイデン大統領に代わる民主党の大統領候補として指名が有力視されるハリス副大統領との選挙争いへと話題がうつることになるため、まだまだ話題が尽きることは無さそうです。📌
先週は米国にとっての7月限オプションの清算の週であり、こうした大統領選に関する思惑による市場のボラティリティの高まりも相まって軟調に終了した面もありそうななか、その反動のような動きで切り返した月曜日の雰囲気は半導体関連株の大幅反発を中心に買いが広がっていましたが、一日経つとあまり目立たず。📌
特にフィラデルフィア半導体指数は約4%高だった前日の動きは続かず、1.46%安で反落となっています。
前日もあまり目立った動きをせずに横ばいに近い状態もみせていたNYダウに関しては、昨晩も一段と方向感が乏しい値動きに。
一方でハイテク株比率の高いNASDAQ総合株価指数は、前日にみられた取引時間後半での堅調さは昨晩はみられず、プラス圏で推移する時間は長かったものの買いが続かずに前日終値付近に戻される展開となりました。
取引時間終了後にはTeslaやAlphabetといった超大型株の決算が控えていたこともあってか、今回の決算ラッシュにおける最初の大型テック株決算の発表を前に強気に出る雰囲気はなく、主要三指数は終了間際にやや下向きになり、揃って反落の形で終えています。
その決算に関しては後述。
-- ②小型株指数はしっかり --
(前日挙げた注目点:小型株物色の動向)
一方で堅調な動きをしていたのが小型株指数のラッセル2000でした。📌
一日に3%以上上昇する日が複数あるなど、急速な上昇を7/10~7/16までの5営業日でみせていたラッセル2000でしたが、主要な株価指数とともにその後3営業日は調整に。
年始からのパフォーマンスに関しては出遅れ感が非常に目立っており、7月5日には昨年末比で0.02%安となっていたラッセル2000。
しかし直近のその5営業日の急騰で、一気に昨年末比11.67%高まで上り年初来高値をつけていましたので、その分の調整も先週後半では進みました。
週明けからは再び堅調な動きとなり、金曜日時点では年間パフォーマンスが7.7%高だったものの、2日間の上昇で10.67%高まで回復。年初来高値の再度の更新も近い水準📌となっています。
S&P500業種別指数などの動き:
S&P500業種別指数は11業種中3業種上昇となりました。
素材セクターではSherwin-Williamsが決算発表を受けて上昇。
一般消費財セクターでは決算を控えたTeslaや、決算を発表し市場予想を上回ったものの好感されなかったGeneral Motorsなど、売られるものも目立った一方で、Amazonの上昇が指数の支えとなってセクター指数はわずかにプラス。
エネルギーセクターでは原油先物価格の下落とともに軟調に。
トランプ・トレードとして好調だった流れが落ち着いて以降、業種別指数は3日続落となっています。
資本財セクターもGE Aerospaceの堅調さの一方でUPSがかなり軟調になるなど、市場は決算を受けて上下。📌
その他の主な動き:
-- その他指数 --
米長期金利(10年物国債利回り)は方向感の鈍さがみられます。
9月利下げ期待によって4.2%を割り込むこともあった米長期金利でしたが、大統領選で語られる政策などを受けて財政面への意識や、政策の押し上げによるインフレへの影響も気にしてか、利下げを意識したような債券市場の動きは直近はあまり目立たず。
-- 欧州株 --
STOXX600が前週の5日間すべて下落した流れから、月曜日は反発。
昨日(火曜日)はわずかな続伸で、欧州株はまちまち。
-- 為替(ドル円) --
米長期金利の動きに反し、ドル円は円高方向への進みやすさが見られています。
昨日の日中は156円半ばで動いていましたが、今朝は155円半ば。
日経先物もこうした動きに反応してか、やや弱含んでいます。
今日の注目ポイント
-- 本日の日本市場 --
本日の日本市場のポイントとして、
①今晩の動きを織り込みながら
②気になる為替の影響
の2つを挙げます。
注目された取引時間終了後の決算。
Teslaは時間外で下げをどんどん広げていく展開がみられています。
一方でAlphabetの時間外取引は決算発表直後は好感されるような動きから始まったものの、決算後の電話会議で示唆した今後の投資負担による利益率低下を嫌気したのか、こちらも下げに転じる展開。
一方でこの2社の存在によって注目度が下がっているようにみえますが、Texas Instrumentsは時間外でやや上昇。
このように時間外での取引は電話会議の内容によっても値動きが変わってきているため、実際の取引時間中での反応というのもまた違った可能性がありますので注意。
しかしパッとみた中での注目のTeslaとAlphabetの決算は、米株先物を押し上げるように作用して無さそうなのは気掛かりです。
さらに気になるのは為替の影響。
昨日の日中よりも円高方向に動いたことにより、日経先物もやや弱含んでいます。
次に注目される日経平均株価の節目は39,500円。先物ではこれを割り込みそうな反応になっていますが、日中で耐えられるかどうかが需給面での一つのポイントに思えます。
日本でも決算発表のあったニデックの反応などをみながら、相場全体の日中での雰囲気に注目。
-- 今晩の米国市場 --
米国市場での注目はまず決算発表のあった銘柄たちの反応。
特にAlphabetに関しては時間外で上下しているため、実際の取引時間でどうなるのかは不透明。
Teslaに関しては直近のハイテク株安の流れで既に過熱感から落ち着いてきているとはいえ、7月に入って発表された4-6月販売台数の発表から急な株価上昇で注目を集めていた面もあるため、そこからの下落は市場全体の雰囲気への影響も若干気になります。
また、欧米のPMI速報値への反応に注目。
最近は経済指標よりも大統領選が絡んだ思惑で動く場面が目立つ米長期金利。債券市場の需給に注目。
今朝の注目ニュース
画
関連銘柄:
大引け後の企業決算関連などでは、
指数・今後の重要イベント
終値
Dow 30 : 40,358.09 ( -0.14% )
S&P 500 : 5,555.74 ( -0.15% )
NASDAQ: 17,997.35 ( -0.06% )
イベント
(誤字、表記ミスがたまにあるため、必ず自身でもご確認を)
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