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【おうちでさつまや】出汁のつくりかた

皆さま、お疲れ様です。
本さつまや7代目料理長の岸本竜彦です。

先日初めて投稿したnote、思ったよりたくさんの人に読んでもらっていて大変嬉しい限りです。

今後も「僕とさつまやの思い出」や「おうち時間にできる簡単レシピ」等を投稿していきます。
宜しくお願いします。

さて、今回は僕の献立で1番出番の多い八方出汁の作り方をお伝えします。
昆布とカツオ節で取った基本の和風出汁は自律神経を整えます。
疲労やストレスを軽減し、落ち着きを取り戻した楽しい食卓を演出します。

ただ、簡単レシピと言いつつ昆布とカツオ節で取る出汁は、日々訓練が必要で簡単ではありません。。
八方出汁に関してはご家庭では大手企業の同じ商品名のモノで代用できるので、少々ガマンして読み進めてください。

八方出汁を使うと○○が主役に

厨房に入って最初の仕事が出汁を取ることです。
お店では「香り高く上品な旨味の一番出汁は、お吸物専用」に。「力強いコクのある二番出汁はお浸しや煮炊き物用」に使います。
お店の八方出汁は二番出汁ですが、ご家庭では一番出汁の出番が少ないので、一番と二番を混ぜて使うとロスが出ません。

【一番出汁の材料】
水:1ℓ(軟水のミネラルウォーターでも可)
昆布:13g(羅臼昆布ならなお良い)
かつお節:50g(※本枯節の血合抜きなら尚良)

①鍋に水を張り昆布を入れて火を点ける。70度に達したら50分キープする。

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②待つ間に出汁を漉す準備をする。①の鍋より大きめの鍋を用意し鍋の縁から浮くようにザルを乗せる。ザルの上に、よく水洗いし硬く絞った和タオルなどの布を敷く。
③50分後に昆布を取り出し、強火にして、かつお節を入れる。沸騰する直前に火を止める。2分後にお玉で出汁を掬って小皿で味見をする。10秒ごとに味見を繰り返し、かつお節の酸味を感じる直前に鍋を抱え、濁りが出ないようゆっくりと漉す。決して絞らず自然と落ちるまで放置する。

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二番出汁】
鍋に一番出汁と同量の水を張り、強火にかけ、③で濾し取った一番出汁の残りのかつお節と昆布を投入する。(刺身を引いた後に残った魚の中骨を焼いて投入するとこもある)
沸騰したら弱火にし、微笑むくらいの沸騰を20分キープして同じように漉す。冷めたら布巾ごとまとめてしっかり搾り取る。

【八方出汁の材料】
二番出汁:1ℓ(一番出汁や一二番を混ぜた物でも可)
本みりん:80cc
薄口醤油(おすすめはヒガシマル)
:80cc
鍋に上の材料を合わせて火にかけ沸騰したら出来上がり。
面倒な人は大手の市販の八方出汁を、そのまま飲んで美味しいくらい(※喰味)に水で薄める。


八方出汁を使うと、野菜が主役になり肉や魚が脇役、引き立て役に変わります。

八方出汁の展開は後日紹介する翡翠豆、

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新じゃがの煮含め、

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さつまや鍋などのベースになります。お楽しみに。

因みに、出汁単体は日持ちしませんが、八方出汁を沸騰させると冷蔵庫で1週間持ちます。

おうち時間が長引きお疲れのことと思います。
皆さまの日常にとって少しでもプラスになれば幸いです。
本日も貴重な時間を頂きありがとうございました。


※八方出汁・・・昆布とカツオ節で取った基本の和風出汁
※本枯節の血合抜き・・・カビ付けを施し長期間かけて作られる最高級のカツオ節
※喰味・・・業界用語。食べるのにちょうど良い味付け


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