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英語学習をもっと楽しく!洋楽で口語スキルを磨きませんか?(21)

今日は、海外ドラマの続きで、私が学生時代の英語修業時に、もっともお世話になった学習素材を紹介します。通称sitcomと呼ばれる30分もののコメディドラマ、         

       ファミリー・タイズ(Family Ties)

です。

一般家庭で起こるさまざまな日常をコミカルに描いているため、この番組を通じてまるでホームスティでもしているかのごとく、普段着の生きた会話表現にたくさん触れることができました。

そして、幸いにも、この時期に年に数回ほど3週間の海外ホームスティツアー(ロサンジェルス、サンフランシスコ地区担当)の添乗員のバイトもしていたので、学んだことを実践で使う機会にも恵まれました。

ここで覚えた表現を実地でバンバン試すチャンスがあったわけです。つまり「①覚える→②使う→③チェック&修正」の繰り返しサイクルがうまく確立できました。こうすることで留学をしなくても、それと同じくらいの効果を日本国内だけで得ることができたんじゃないかなと今、振り返って思います。

で、本題ですが、この番組の中で要所要所で使われていた曲がビリー・ベラさん(Billy Vera)の、

           At This Moment

このテレビドラマ(Family Ties)での起用がなかったら、日の目を見ることがなかっただろう1曲です。とってもいい曲なのでぜひ聞いてみてください。ファミリー・タイズを見ていた人にはきっと「あーあの曲!」とすぐピンとくると思います。

気になる歌詞の表現解説です。

You just don't love me no more.
(もう俺のことを全然愛していないんだね)

洋楽定番の二重否定が使われてますね。覚えてますか?「決して~でない」と否定を強調する用法で、黒人英語「Ebonics(エボニックス)」から来ていると言われていて、くだけた会話では否定が一つでは弱く感じられるため、追加してその気持ちを強めようとしたものです。

I don't need no education.(教育なんて全然いらない)、I didn't know nothing. (全く何も知らなかった)や、ザ・ローリング・ストーンズの名曲I Can’t Get No Satisfaction(満足なんかできない)なんかも同じ用法です。


When I'm faced with the knowledge that you just don't love me
 
(あなたが私を愛していないということがわかったとき)

I'm faced with the knowledge that~(~という事実がわかる)は、直訳すると「~という知識に直面する」ですが、実はknowledgeには「情報、事実」という意味もあって、When I'm faced with the knowledge that~で「~という情報・事実に直面する」→「~という事実がわかる」という感じで使われます。使えそうで使えないknowldegeの用法です。

How could I hurt you?
(どうして君を傷つけることができるんだい)

How could I ~?は、反語を表すとよく言われます。ここも「どうして君を傷つけることができるんだい、そんなことできるわけないじゃないか」という意味です。仮定法がからんでいますね。「もし~だったとして」という含みがあるからです。この歌詞は「もし~なら」という仮定を前提に話を進めているので、If you'd stay, I'd subtract .......(もしあなたがここにいてくれたら、私は...を引き算するだろう)やI'd fall down on my kneesIf I could......(もし………できるのなら、私は膝をついて倒れ込むだろう)など仮定法が必然的に多くなっているわけです。

さてさて、私この番組のおかげで、日常会話力、特に微妙な心情面を表現するときの言い方をたくさん仕入れることができました。普段は日本で生活して、英語を外国語として学習する環境にいたので、どうしても情感を伴った生活言語としての英語に触れる機会が全くありませんでした。

その部分を補ってくれたのが、このドラマだったわけです。週1回NHKでやっていたのをバイリンガルで聞ける小型ラジオを購入して、カセットテープに録音、そして後で場面を思い出しながら何度も何度もセリフを聞いて書き取るディクテーションをやったものでした。

ところで、実際にこの曲が使われているシーンがあります。後の実際のマイケル・J・フォックスの奥さんとなるエレン(トレイシー・ポラン)との出会いをダイジェストで振り返るものです。そういえばこんなシーンあったな、と懐かしく思い出されます。ファミリー・タイズファンにはたまらないかと。



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