映画「ノートルダム 炎の大聖堂」鑑賞

映画「ノートルダム 炎の大聖堂」を観た。2019年4月に発生したパリ、ノートルダム寺院の火災事故をもとに撮られた映画である。
私は「実話に基づいた」映画が好きで、以前もそうした映画を見に行ったものだが、この映画は実話に基づいているというよりも、まるでドキュメンタリーのように創られた映画である。
パリのノートルダム寺院には観光で訪れたことがあり、あの美しい寺院が火災で焼け落ちそうになる映像をみて、ショックで観ている間に何度も声をあげそうになった。
ドキュメンタリー仕立てになっているためか、観ている間は起きている出来事をただ見つめているだけで、そこには作品が発するメッセージのようなものはなかったように思う。
パリの美しい風景を堪能し、大勢の人がスマホを向けて撮影している場面にため息をつき、消防隊員たちのためらい、勇気、そしてなんとしても大切なノートルダム寺院を守るんだという彼らの気概が伝わってくる映画であった。夜消火活動をしている間、パリ市民が集まり、賛美歌だろうか、歌を歌いながらノートルダムの鎮火を祈るのがとても印象的であった。フランスは国教を定めてはいないが、カトリックが国民の大部分をしめており、教会というのは心のより所なのだろう。歌いながら心を一つにして、教会が救われるように、消防士たちが無事なようにと祈りをささげる大勢の人の姿に感銘を受けるというよりは羨ましいという気持ちになった。なにか起こった時に心を一つにする共通の拠り所というのがあるのかと思ったのである。

映画は映像が素晴らしく、IMAXで鑑賞したかったのだが、上映が短かったようで通常館で鑑賞した。
美しいノートルダム大聖堂やパリの風景、通常入ることができない大聖堂の裏側が見られるバックステージツアーとしても見る価値があると思う。


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