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東京の電車にいる

東京の電車にいる。

タスケテ・・・・・・



東京の電車が最近、前より混んでいる。
これは、ありえないことが起こっていることになる。
なぜならば、以前の時点で、これ以上混みようがなかったからだ。そこに更に人が増えたのだ。
毎日ありえない乗り物に乗っている。

増えた理由は、4月だかららしい。
新入社員の人の分、増えた。きっと、普段はリモートで働いているが新入社員に教えるために出社となった社員の分も増えただろう。
更に新学期が始まり、学生の分も増えた。

無理である。

毎日無理な乗り物に乗っている。

東京の電車に乗っているみなさん。
無理ですよね????!!


私は満員電車がいやだ。

バスケットボールが苦手なのも、人との距離が他の競技と比べて近いからだ。

そんな私が、半年東京に住んで、やっと電車に慣れてきた矢先である。

初めて東京の通勤電車に乗った時のことを覚えている。

ここからは少し、真剣な顔で話していく。


朝の山手線。
電車を降りて乗り換えをする間の数分、人がごった返している中を歩く。
人がごった返している。というとイメージが湧かないかもしれないので、他の伝え方をしてみる。

改札に入る時は、立ち止まることの出来ない緊張感を抱えながらひやひや通りぬけ、
ほっと目を上げると、ホームまでの階段に向かう人たちで道が詰まっている光景が目に入る。
ぼーっとしていると詰まりはどんどん酷くなり、膨れ上がってくる。
歩幅さえも決められながら人の波に従って詰まりに加わると、目の前の人の背中で視界がいっぱいになる。
斜め上を見上げて歩かないと、人の濃度の濃さで溺れてしまいそうになる。
そんな中を、全方位の人と、当たりそうで当たらない距離感を保ちながら進んでいく。
二酸化炭素を吐いて、二酸化炭素を吸う。

ごった返すとは、そういう感じの数分間だ。

私は、その中で苦しみながらも、めちゃくちゃ腹を立てていたことを覚えている。

目の前の人や、周りの人や、駅員さんにではなく、なにか、社会というものに対して腹を立てていた。


ホームまでの階段に差し掛かり、人との空間に緩みが生じて、久しぶりに新しい酸素を吸うことができて、
解放された気分になりながらも、「今日のこの怒りは絶対に忘れない」と思った。
頭の中に「臥薪嘗胆」の文字を出して、それを憤怒の形相で睨みつけながらつり革を持っていた。
それが初日だ。


その日からしばらくは、自分に合う電車の乗り方を模索してきた。
そのおかげで、段々と人混みを避けられるようになってきた。
そうして平穏に過ごしてきた。

4月になるまでは・・・・


4月3日、いつもと同じ電車に乗ったのに、なんだかいつもより混んでいるぞ…と不安に思いながらも電車に入り、入り口の向かい側の扉に落ち着いていると、

ばん!!!とすごい音がして、人が扉にぶつかった。目の前で。

車内に入ろうとする人の圧に押されてか、そこから抜け出した勢いでか、よく分からないが、人が自分の目の前で扉にぶつかったのだ。

あまりのことにショックを受けていると、それを見た人混みの中から「やべえ」と声がした。
それだ。やべえ。だ。やべえことになっている。
あの瞬間、みんなそれに同意したに違いない。
それだ。「やべえ」だ。本当に。そろそろ。


そんなことになっているのだ。

駅の中を歩く東京の人は速い。
器用に体をコンパクトにまとめて、スムーズな歩行の流れを全員で作り出している。(すごい)
私は未だその速度に耐えきれず、時々列を抜けて柱の隅で深呼吸をする。
そうして外側から列を眺めていると、みんな無表情で、一心不乱に前を見て歩いているのが分かる。

この光景だけを見たら、東京の人は冷たい、とか、感情が無い、とか思ってしまうかもしれない。
たった今その列から抜け出して来た私から見ると、そんなことは無いと思う。
あの中にいながら、平気な人なんていないと思う。

毎日駅構内で、不必要にストレスを与えられている。
歩いている全員が被害者だから、責められる対象も無い。
自分が抱えるしかないのだ。
日々膨れていくストレスを抱えながら、誰にも迷惑をかけないように歩いているのだ。

東京にいる人は、見ているこちらが傷ついてしまうくらい健気だと思う。

無表情のまま効率的に滞りなく、レーンに乗った商品のように歩くのは、自分が人間のままで、心をむき出して歩くには、傷つくリスクがありすぎるからではないだろうか。
自分を機械のように扱うことで、心を守り、傷つけないようにしているのではないか。。

(まだ東京に来て半年しか経っていない人間の考えなので、見当違いかもしれないが。)

私自身が、運悪く満員電車に乗る時は、そんな風に考えてしまう。
苦しい数分間、まるで自分が人間じゃないみたいに扱われていることに気づくことが嫌だ。気づいたら傷ついてしまう。
傷ついたら、もう電車に乗れなくなってしまう。
あぁ。嫌だ。

東京の電車に乗っているみなさん、どうしていますか?



東京の電車への怒りと悲しみだけを吐露することで終わるのは嫌なので、私なりの改善案を考えてみた。
東京という異質な都市だからこそ、他のどことも違う改善策が必要だと思う。




○提案1  二階建てにする

二階建ての電車が走っていたら、見てみたいという気持ちが生まれて良いと思う。
車内に階段があるのも、気分が変わって尚良し。



○提案2  仕切りをつける

座りスペースは無くし、全員仕切られるようにすれば、人と近い位置でいなくてはいけないストレスが無くなって良いと思う。
新聞も大きく広げられるし、もたれられるし、ぼーっと前を見ていることだって出来る。


○提案3  大企業の会社がみんな引っ越しをする

働く人の乗車率が高いと思うので、大企業の人たちに郊外に引っ越してもらう。


あとは、乗車可能重量を決めておき、それをオーバーしたら「ブー」と音が鳴るなど。


以上です。
東京にいるシリーズ、第一回目から苦情で始まってしまった…(いいところはたくさんあるのに!)

それではまた…

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