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オールナイトフジコの石丸伸二ゲスト回を観た

石丸伸二が『オールナイトフジコ』に出ると聞いたので、興味本位で観てみた。バラエティ番組だし仕方ないとはいえ、キャスト総出で石丸をヨイショしているのには薄ら寒さを覚えたが、ゲストを活かせるように企画も練られていたし、番組としては悪くなかった。いかにもフジテレビ的な悪ふざけだなぁとは思ったけど。

「普段何時に寝るんですか?」「(女子大生16人の中に)タイプの娘とかいますか?」といったくだらない質問に、「質問のレベルがサンジャポと並びました」「そういう質問を投げかけてくれる勇気が好きですね」と皮肉や感想を述べるだけではぐらかす流れから、「大事じゃないと思った質問は無視するっていう」と発した石丸のボケを、オズワルド伊藤がスルーしていて、そこに咄嗟に反応できないほど、変な緊張感が漂っているのを感じたが、当の石丸は和やかにバラエティ対応をしていた。

都知事選の開票特番では、古市憲寿や山崎怜奈に対し、かなり好戦的に質問に質問で返していたが、『グッド!モーニング』のインタビューにはにこやかに答えていたし、本気で話の通じない人ではなくて、場や相手によって対応を変える人なのだろう。

彼がいわゆる石丸構文を使って質問者を煙に巻くのは、「老害議員」や「オールドメディア」として「敵」認定した相手に対してのみで、対立構造を作らなくてもいい、バラエティ番組に関しては今後もイメージアップの場として活用するため、ノリ良くやっていくのだと思われる。

この日不在だったさらば森田は自身のYouTubeで「石丸チャレンジ」と称し、相方に手を出させるまで石丸スタイルで喋るという企画をやっていたが、石丸構文の解像度の低さといい、記者会見時の雑な再現といい、彼のことをおちょくり倒していた。

番組内では、ツアーで忙しいから来られなかったということになっていたが、ヒカルやガーシーをネタにしても、コラボには応じなかった森田のことだ。石丸のアピールの場として使われてしまうことにリスクを感じたのか、自らの意思で出なかった可能性もあるのではないか。

「選抜制度の廃止」を訴える鈴木心緒

ちなみに、この日のメイン企画は、フジコーズサブリーダー選挙。政見放送風に公約を訴える三人のフジコを、政治家目線で石丸にツッコませるという、彼ありきで立ち上げられたと思われる企画だ。

彼女たちの演説は存外ちゃんとしていて(石丸が「この前の政見放送の何個かより良かった」と評すほど)、掲げる公約もメンバー全員に見せ場を作るといった真面目なものから、セクシーポーズチェキ会の開催を訴える泡沫候補っぽいものまで、バラエティに富んでいたのだが、中でも印象に残ったのは、 「選抜制度の廃止」を訴えた鈴木心緒だ。

『オールナイトフジコ』はタイトルから分かる通り『オールナイトフジ』を基本コンセプトとしているが、かつてのようにガチの素人の寄せ集めではない。一応は素人の女子大生というテイだが、実際はタレント候補生が芸能界へのステップアップを図るため、それぞれの目標に向かって切磋琢磨する番組だ。やはりそこにはバトル的な構図があった方が面白い。選抜制度はそのために持ち込まれたシステムだろう。何も選抜なんて設けなくても、16人ならみんな平等に見せ場を作れそうだし。

選抜制度というのは、選ばれれば露出の機会が増えるが、落ちたときの悔しさや悲しさは計り知れない。そう訴えた鈴木に、石丸は「勝ったときは気持ちよくなかったですか?」と競争がモチベーションを生むのでは?といったニュアンスの質疑を行った。それも一理あるかもしれないが、16人全員で目標を達成したいというのが鈴木の答えだろう。

彼女の演説には、他のフジコからの共感が最も集まっており、視聴者投票でも最多得票数を獲得。仲間にも民意にも選ばれたわけだが、叩き上げでここまでやって来た石丸に果たして彼女の想いは理解できるのだろうか。

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