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なぜ医師の当直は辛いver1

こんばんは今日は当直について話そうかと思います。
何年も、いや何十年も前から、医師は当直明けでも夜まで働き続けていて、大変だ、おかしい。という記事がネットで出続けていて、いい加減、見飽きてきている今日この頃です。

でも、これって当直なのに、救急搬送されてくる患者の診療をしたり、当直なのにICUの重症患者の診療をしているから問題なのであって、別に当直明けで働くこと自体は何も問題はないはずなんですよね。
当然病院なので重症患者さんがいれば、夜間でも状態が変わったりするから細かい管理をし続けないといけないです。ただ、病院には医師数が少なくて夜間だけ働く医師を設けることができなかったので、日中に働いている医師をそのまま夜も働いてもらって当直という扱いにすることを、日本中どこの病院でもやっていました。当直という扱いだから夜に働いてもその人がそのまま日中も同じように働くというシステムになっています。
大前提として、医療法上の病院というのは必ず、常に医師が一人以上いる状態にしておかないといけない。一人というのは1000床の日本の医療の中枢のような大学病院でも、どど田舎の30床の全患者が植物状態の病院であっても。
ある地域に病院が3つあって、夜間に、救急車搬送が3回あるとする。
病院が3つあるので、1台ずつ各病院に搬送される。
この体制だと、その地域では一晩に3人の医師が当直することになる。
これが、大病院1つに集約すると、夜間の救急搬送は1箇所に集まる。1人で3台は辛いかもしれないから、2人で当直する。
これで、夜間の当直医師数を1人減らせることになる。
医師1人で1患者を診察していたのが、医師1人で1.5患者なので、1.5倍に増えることになるけど、実は、こちらの方が医師の負担は少ないということを分かっていない人が多すぎる(特に、地方の政治家さんたち)。
業務量は1.5倍に増加しているけど、夜間の救急医療に対する医師一人あたりの責任の範囲が50%減になるので、身体的な負担以上に精神的な負担は減るし、複数の頭脳を介することから安全管理上も医療の質が上がります。

以前に、某牛丼屋が夜間のワンオペをしていることを批判されていました。人がいないのに夜間営業する店舗を無理やり維持しようとして、あちこちから批判がされていましたが、病院も牛丼屋と同じということです。


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