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根拠のない「大丈夫」がほしかった。

嘘でもいい。
本当に思っていなくてもいい。
大丈夫かどうかなんての根拠なんかなくていいから、

「大丈夫」って言ってほしい。

ただ、その言葉がほしかった。

根拠のない「大丈夫」がほしかった。

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今日は2021年の2月11日、
大学4年生のおわり、
つまり世にいう「学生ブランド」が一冊の本だったら、
わたしは今、その最終章にいる。

そんなわたしは今、
遠い昔に終えたはずの就活をしている。

現実から目を背けたい自分に後ろ髪を引かれながら、
明るくしていた髪の毛を暗くしにいった。

「マイナビ」「リクナビ」といった、
数ヶ月も前に別れたはずの存在と
また付き合う日々が来るなんて。


昨日は、最近クローゼットの奥から引っ張り出してきた
黒いリクルートスーツに身を包まれながら、
ある企業の最終面接に向かった。

電車に揺られているのか、
人生の荒波に揉まれているから揺れているのか、
どっちか分からなかったけど、自分の足で立つことはできていた気がする。

その最終面接で社長とお会いした。

「もう2月だと思いますが、今の就活状況教えてもらえますか?」

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全てはコロナのせい。


そう言っていればいいだけの世界に生まれたかった。

「もしコロナじゃなかったら〇〇だった。」

本当はそんな言い訳をずっとしていたい。

確かに、コロナに包み込まれた世界にならなかったら
こんな悪夢を見なかったかもしれない。

でもこの世界はそんなに甘くないらしい。


全ては自分のせい。


人は一人なんかじゃ生きていけないけれど、
人生の責任をとってくれるのは、
国でも親でも会社でもなく、
結局、自分。

自分の人生の脚本家は、
世界中どこを探しても自分しかいない。

何度も何度も台本を書き変えたっていいから、
ハッピーエンドで終わればいいな。

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こんなことをnoteに残して何になるんだと思ったけど、
この感情を絶対に忘れたくないって思った。
情けなくてもどうしようもなく苦しくても、
しっかりと今の自分の感情と向き合って
文字として残しておきたいと思った。

何年後か先に振り返ったときに忘れたくないから、
あの時頑張って良かったと思える日がくるって信じたいから、
誰かが苦しんでる時に寄り添える人になりたいと思ったから、
いつか自分の子どもができたら「一人じゃないよ」って守りたいから、
「大丈夫だよ」って伝え続けられる親になりたいから、
絶対に絶対に忘れたくないから、

だから、書く。


恥なんて晒してしまえばいい、
少しでも自分が楽になるのなら。

みんな自分の人生に必死で、
誰がどこで何を苦しんでたのかなんて、覚えてないんだから。

皮肉にもこの時代に生まれてよかったと少しだけ思った。
悲しいけど。

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2020年4月、
ある旅行会社に内定をもらった。

内定を承諾し、就活を終えたはずだった。

そんな中、

コロナが、
たった3文字のカタカナが、
私を、会社を、日本を、世界を襲った。

旅行業界が大ピンチなんてこと、誰が見ても分かる。
そんなこと分かっていたけど、なぜかその時は深く考えられなかった。

他人事にしていたのかな。
現実から逃げたかったのかな。
まあ何とかなるでしょって思ってた。

そんな風に、自分の今いる居心地のいい場所でぬるま湯に浸ってた。

入社日の4月1日が近づくにつれて
社会からも会社からも現実を突きつけられて、
ぬるま湯から出なきゃいけないって決意した。

もっと早くぬるま湯から出てればよかった、
何回もそう思うけど、後悔してたって前に進めない。

2月4日、
どっちを向いてどこに向かって進んだらいいか分からなくなっていたとき、
お話する時間をいただいて心から憧れている方からいただいた言葉。

過去を振り返っても仕方ないから、今から後悔しないようにするしかないんだよ。明日の自分が「昨日頑張ってよかったな」と思えるようにね。


少し遡って
1月31日、
恥を晒してもいいと思った人に向けて
「親しい友達リスト」なんてもの作って
インスタのストーリーで自分の状況を綴った。

自分でも何をしてるんだろう、とは思った。
「かわいそうだね」なんて同情はいらなくて、
根拠のない「大丈夫」がほしかっただけだったんだと思う。

「強い意志もっててかっこいいよ」
「そういうところが魅力なんだよ」
「いつでも話聞くからね」
「もとこなら大丈夫」

そう思ってたとき、
みんながこんなにも温かい言葉をくれた。
そんなみんなからの言葉を
何度も何度も読み返して泣いた。
文面や電話で話を聞いてくれた人もいた。

「こんな時代に旅行会社に就職を決めたのが悪い。」
「自己責任だ。」


別に誰にも言われてないけど、
そんな言葉のナイフが飛んできそうで怖かった。

でも恥を晒して助けを求めてよかったと思った。

「もとこって本当、頼るの下手くそだなあ」
みんなからそう言われるくらいに、
私は人に助けを求められていないらしい。

でも、わたし頼れるじゃんと思った。
どうしようもなく辛いときは頼ってもいいのかもしれないね。

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みんなから背中を押されて、頑張ろうと思った。
毎日少しずつ、頑張ってみた。

だけど、
悔しくて苦しくて情けなくて、
不安でどうしたらいいか分からなくて、
自分でも嫌になるくらい毎日泣いてた。
その状態がここ数日前まで2週間くらい続いてた。

泣きたくないのに、
毎日どこかのタイミングで何かが引き金となって
不安が押し寄せてきて涙が止まらなかった。

もうむしろ、
こんなに毎日泣いてるのに、
まだ涙って出るんだねって
バカらしく思った日もあった。

どれだけ言葉で嘘をついて
心では強がっても
体は正直で、

なぜだか毎日涙が出るし、
疲れてるのに夜は寝れなくて、
自分が思っているよりもショックを受けてるんだな、
今は悲しんでる自分を受け入れていくべきなんだなと思った。

あまりにも受け入れなきゃいけないことが多すぎて、
毎日、「大丈夫」っていう言葉を求めてた。
どうしようもなくなって自分で自分に言っていたこともあった。

根拠のない「大丈夫」でいいから
その言葉がほしくてたまらなかった。

嘘でも何でもいいから。

今だから言えるけど、本当に苦しかった。
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そんな日々が続いていたけど、
本当に少しずつだけど、受け止めていけた。

あ〜、きっと今は
何十年後かに人生を振り返ったときに
人生の中で5位以内に入るくらいに落ち込んでる時期なんだろうなあ。

これ乗り越えたら一回り強くなれるだろうなあ。

そう思えるようになったら、
ちょっとだけ心が軽くなった。

今頑張らなかったら、絶対に後悔する。
失敗したっていいからとりあえず行動し続けたい。

そう思ってから、苦手ながらも人に頼れるようになった。

友達に電話で話を聞いてもらったり、
初めましての方にコーチングをお願いしてみたり、
たくさん頼ってみた。

勇気づけられた言葉たちの一部を
ここに記しておこうと思う。

10回挑戦して1回でも成功すればいい。
ありのままでいればいいんだよ。
自分を守るために、常に逃げ場を作っておこう。
たくさん逃げ場があってもやりたいこと、
進みたい道が本当にやりたいこと。
何でもいいから、とにかく継続。
自分で選んだ道なら、失敗しても頑張れるはず。
みんなと違う道に行くなら、自分のビジョンをしっかり立てるべき。
負の連鎖は結局自分で作ってる。
自分の想いを信じて伝えたら、必ず想いは伝わる。
この世にはどうにもならないことはない。
たまにどうしたらいいか分からなくなるだけ。
落ち着いてやれば大丈夫。
怖いと思うことをやってみると、
人生で怖いことが一つ減る。

こんなにも素敵な言葉が出てくるような方たちに出会えてよかった。
尊敬しています。

喧嘩も言い合いもよくしたけど2人でご飯に行くこともあるような、
東京で単身赴任中の父は、こんな言葉をかけてくれた。

もとこが悪いんじゃない。コロナが悪いんだから、一年かけて探せばいい。せっかくやるなら、楽しい仕事の方がいいじゃん。


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" TURN LEFT AT ANY TIME WITH CARE "
( August, 2016 / Australia )
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2ヶ月先の4月からの道は
正直まだ見えていないけれど、
このたった数週間の間で
今までとは違う方向に少し成長できた気がした。

そして、私はなんて恵まれてるんだろうと思った。

「なんで私がこんな目に。」
「コロナのせい。」

そう言っていた時の自分が恥ずかしくなるくらい、
私は周りの人に恵まれすぎていることに気づいた。

友達、

家族、

初めましてなのに親身に話を聞いてくれた
エージェントの方々やコーチングのお仕事をしている方々。

お仕事だから親身に聞いてくれただけなのかもしれないけれど、
それでも、私は一人じゃないって思えた時間だった。
感謝しています。

2月5日、
ある方にコーチングをしてもらったときに、
「あ〜この人みたいな生き方をしたい。」って思ったのを覚えてる。

何でそう思ったのかは、はっきり分からないけれど、
仕事をすごく愛してることが伝わってきた。

その方にとっては、まるで仕事が仕事じゃないような、
何かがすごく輝いてみえた気がした。

すごい人はみんな努力してる。

自分としっかり向き合ってきたから、苦しくても続けてきたから、
そんな道を歩んできたから、周りから輝いてみえるんだろうなって勝手ながらに思った。 

人として、かっこいいと思った。

わたしも頑張らなきゃ、と思わされた。

憧れの人がまた一人増えた。
わたしは、なんて幸せ者なんだろう。

出会いに感謝しています。
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一つお願いがあります。

コロナがもう少し収まったら、
「ありがとう」を伝えに、
みんなに会いに行かせてください。

それまでに少しでも、
今の自分より成長しなきゃだ。

みんな、いつもありがとう。

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最後に...

1日でも早く、
みんなが自由に
好きな人に会いにいける世界に
戻りますように。

国境を超えてみんなで笑い合える世界が大好きです。

結論、旅した〜〜〜い!笑
(何の結論?)

そして私の一番好きな言葉で締めくくりたいと思います。

意味なく群れるより、意志のある孤立を。

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