岡田基生

代官山 蔦屋書店 人文コンシェルジュ 兼 人文・ビジネス リーダー。修士(哲学)。宮沢…

岡田基生

代官山 蔦屋書店 人文コンシェルジュ 兼 人文・ビジネス リーダー。修士(哲学)。宮沢賢治学会会員。1992年生まれ、神奈川県出身、上智大学大学院哲学研究科博士前期課程修了。連載「ほんとうのさいわい」につながる仕事ーー宮沢賢治に学ぶワークスタイル」(図書出版ヘウレーカ)。

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  • 宮沢賢治

    独自の世界観を構築し、実践の中で展開した宮沢賢治から、世界の見方や生き方のヒントを探ります。

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岡田基生 Okada Motoki

こんにちは。代官山 蔦屋書店 人文・ビジネス リーダー兼人文コンシェルジュの岡田基生です。 店内フロアのマネジメントや棚づくり、フェア、トークイベント、ワークショップの企画、企業コラボ企画のディレクションを担当しています。また、イベント登壇、文芸誌への寄稿、WEB連載、店内Podcastでのトークなども行っています。 大学院では哲学を研究し、「構想力(形を生み出す力)」をキーワードに京都学派の哲学者・西田幾多郎と三木清に注目しながら、新たな社会や文化のあり方を探っていまし

    • 新たなパラダイムを構想するためのブックリスト「新しい文化を導く北極星」

      工業社会から知識社会へ、成長社会から成熟社会へ。時代が変化する中、どんな生き方、働き方をすればいいのか? 私は、それを考える鍵は作家・思想家、宮沢賢治が握っていると考え、探究してきました。2023年11月、代官山 蔦屋書店で探究の成果をブックリストとして発表しました。この記事では、そのリストに加筆したものを公開します。 これからどこに向かえばよいのか、その航路を照らすため、本と本を星座のようにつなげながら選びました。 はじめに2023年、宮沢賢治は、没後90周年を迎えま

      • 【イベント告知】本の星座 第三夜 宮沢賢治という〈鏡〉

        イベント名:本の星座 第三夜 宮沢賢治という〈鏡〉 日時:6月24日(土)18時〜20時 場所:気流舎(東京都世田谷区代沢5-29-17 飯田ハイツ 1F) 参加費:無料(ワンドリンク制)、予約不要 宮沢賢治に導かれながら、世界の秘密を探索するワークショップ「本の星座」の第三夜を開催します。 イベント名は、会の最後に行う、自分の中で生まれた「発見」を表す一冊を気流舎の本棚から選んでいただき、参加者全員で一つの星座をつくるセッションに由来しています。 前回は、宮沢賢治の言

        • 宮沢賢治が鉱物に映す宇宙

          代官山 蔦屋書店の自然科学の小部屋では、2023年3月27日まで、宮沢賢治と鉱物の関係にフォーカスするフェア「鉱物に映る宇宙」を開催しています。セレクトは広島の鉱物標本店 PEANTUS MINERALSさんです。 今回のフェアを企画するにあたり、コンシェルジュとしてどんなことを考えていたのか、書いていきます。 宮沢賢治は今年没後90周年を迎えます。賢治の作品をあらためて読み返していると、鉱物に関する美しい表現が多く現れることに驚かされます。 「キャッツアイ」「紫水晶(

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          生活の芸術家になるために ASEEDONCLÖUDの家と宮沢賢治の農民芸術論

          先月、横浜市青葉区のたまプラーザで家を建てた。 家といっても、本物の家ではなく、小さな手作りの模型だ。朝からワークショップに参加して、久しぶりに糊や絵具を使って作業した。 ASEEDONCLÖUDの物語私は、ASEEDONCLÖUD(アシードンクラウド)というブランドの服をよく着ている。 毎年、春と秋になると、「架空の職業」をモチーフにした物語性の強いコレクションが発表される。例えば、旅をしながら雨乞いの舞いを踊る司祭、漂流物を拾いながら灯台を守る夫婦、村人たちから魔女

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          言葉の音、音の言葉 宮沢賢治のオノマトペ

          「イーハトーヴ」というプロジェクト思索の秋。私は宮沢賢治に夢中になっている。童話、詩、散文、書簡。賢治の残した文章にはたくさんの形があり、鉱物、天体、植物、動物、修羅や菩薩など作品の中に登場するモチーフは、私たちそれぞれの関心とどこか結びつく。そんな中で、私自身が彼に惹かれるポイントを振り返ってみた。するとやっぱり、一番は「イーハトーヴ」という場所を生み出したことだと思う。 賢治は、その生涯のほとんどの時を故郷・岩手で過ごした。そして、その土地を「イーハトーヴ」と呼び替えた

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          本の星座 第二夜 「言葉」の秘密に迫る〜宮沢賢治『注文の多い料理店』

          こんにちは。岡田です。 下北沢の古本カフェ・バー 気流舎で、宮沢賢治の言葉を読み解くイベントを行います。 日時:10月9日(日) 18:00〜 場所:気流舎 http://www.kiryuusha.com/ 参加費:ワンドリンクのご注文をお願いします。 予約:不要 「本の星座」は、本に導かれて語り合いながら、日常に隠れた文化の宝石を探すワークショップです。 第二夜のキーブックは、宮沢賢治の童話集『イーハトーヴ童話 注文の多い料理店』。科学と芸術が調和する作風で知られ

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          道玄坂 イーハトーヴへと続く坂

          「保阪嘉内、道玄坂に泊まってたんだね」 ある夜、リビングで本を読むパートナーがつぶやいた。手元には、宮沢賢治の書簡集がある。 先月、宮沢賢治の足跡をたどるため岩手県の花巻と盛岡を旅してから、あらためて賢治の生活に興味を持ったようだ。私は、締め切りの近い書評を書くために読み返していた哲学書から目を離し、思わず聞き返した。 「道玄坂?」 なぜ驚いたかというと、ちょうどその日、たった数時間前に二人で渋谷の道玄坂を歩いていたからだ。 保阪嘉内。賢治の手紙が宛てられたその人物

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          光の交錯の場 宮沢賢治の「イギリス海岸」

          岩手県花巻市に「イギリス海岸」と呼ばれる川岸がある。宮沢賢治ゆかりの場所だ。 この場所について『季刊 アンソロジスト 2022年夏季号』でエッセイを書いたが、そのときには訪れたことがなく、賢治のエッセイや詩歌など、文章を通して触れたものに基づいていた。 先日念願叶って、この場所を訪れることができた。 イギリス海岸は、岩手県花巻市にある北上川流域の泥岩層が露出している部分のことで、花巻駅の東方約2kmに位置する。「イギリス」と呼ばれるのは、泥岩層の風合いがイギリス・ドーバ

          光の交錯の場 宮沢賢治の「イギリス海岸」