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【イベント告知】本の星座 第三夜 宮沢賢治という〈鏡〉

イベント名:本の星座 第三夜 宮沢賢治という〈鏡〉
日時:6月24日(土)18時〜20時
場所:気流舎(東京都世田谷区代沢5-29-17 飯田ハイツ 1F)
参加費:無料(ワンドリンク制)、予約不要

「ごらん、そら、インドラの網を。」
 私は空を見ました。いまはすっかり青ぞらに変わったその天頂から四方の青白い天末までいちめんはられたインドラのスペクトル製の網、その繊維は蜘蛛のより細く、その組織は菌糸より緻密に、透明清澄で黄金でまた青く幾億互に交錯し光って顫えて燃えました。

宮沢賢治「インドラの網」

宮沢賢治に導かれながら、世界の秘密を探索するワークショップ「本の星座」の第三夜を開催します。

イベント名は、会の最後に行う、自分の中で生まれた「発見」を表す一冊を気流舎の本棚から選んでいただき、参加者全員で一つの星座をつくるセッションに由来しています。

前回は、宮沢賢治の言語感覚にヒントを得ながら、「オノマトペ」だけでお題を表現するワークショップを行い、言葉の秘密を探りました。

今回は、宮沢賢治の多面性にフォーカスします。

子どものときに読んだ賢治の作品を、大人になって読み返すと、印象が大きく変わることがよくあります。

詩人、童話作家、農学者、散歩者、教育者、アニミズム的感性の持ち主、仏教徒、求道者、ランドスケープデザイナー、文化コミュニティの創設者、工場の技師、肥料の営業担当、岩手県花巻の有力者の長男、独身者、鉱物マニア、甘党、エスペラント語学習者、チェロ弾き、レコード蒐集家、浮世絵愛好者……。

さまざまな顔をもつ宮沢賢治は、童話や詩という多様な解釈に開かれた媒体で作品を遺しました。賢治のどの作品に惹かれるのか、あるいは違和感を持つのか、それは読む人自身の〈今〉を映し出しています。

今回のイベントでは、参加者の気分や興味関心から、その人の〈今〉を映し出す賢治作品を会場全体で考えるワークショップ「光の交錯」を開催します。賢治という光、他の参加者という光により、今の自分が照らされ、道が示される。そんなことが起こる場になればと考えています。

宮沢賢治が好きな方、よく知らないけど気になるという方、逆に宮沢賢治が気に入らないという方も、ぜひご参加いただけると嬉しいです。

【プロフィール】
岡田 基生
書店員。宮沢賢治学会会員。大学院で日本哲学を研究後、IT企業を経て、本に関わることに。本を通して、物の見方やライフスタイルを変容させることに関心がある。気流舎のお気に入りメニューは、ラムチャイ。

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