【note毎日更新チャレンジ18日目】修学旅行稲川語り

あれはーあたしが高校生だった頃の話なんですけどね。
ちょーど今頃だったかなぁ。修学旅行で京都へ行くことになったんだ。

でー同じ班の同級生・・・仮にN君とします。
N君を班長とし皆で「おい、皆どうしようか。修学旅行で京都は2回目だぜ。」
なんて話をしてたんだ。

自由時間にどこへ行こうにもめぼしいところはもう皆いってる。
どうしたもんかなぁなんて思いながら、皆でわいわいわいわい話してる。
えぇ、楽しいもんですよ。

わいわいわいわい言いながら、皆で地図を見ながら考えていたらね?
N君が急に
「満足稲荷神社だ!満足稲荷神社がある!」
って声を上げたもんだからあたしは「うわぁっ!」って

おかしい。だって今まで満足稲荷神社なんて聞いたことないんだ!
なんだろうなぁ、やだなぁ、こわいなぁなんて思ってたんですがね、
これがどーにも気になる。
イナリを満足するってどういうことなんだ。

結局-…全員一致で満足稲荷神社へ行くことになったんです。

それでもってして修学旅行当日の自由時間。
いよいよ満足稲荷神社へ行くことになったんです。

おい、満足稲荷神社って何を満足するんだろな?
ってな話をしながらですね・・・
ちーさな町ですよ。そこへバスでもって向かっていったんです。

停留所へ着くたび「ギィィィィ」という不気味な音で扉が開くんだ。
その度どんどん人がいなくなっていく。

「ギィィィ」

ズッズッ

「ギィィィ」

ズッズッ

どんどんどんどん人が降りていくんだ。
んでー・・・結局バスに乗っているのは運転手と
あたし達だけになってしまったんですね。

あたし、いやぁーな気持ちになりましてね。

「N君、なぁ、N君。やめよう。満足稲荷神社やめよう」って言ったんですがね?

「馬鹿いってんじゃないよ。もうすぐつくだろう。見てみようぜ。」
頑なに言うんです。

思えばあの時もうN君は正常じゃなくなってたんだなぁ。

ついにバスが満足稲荷神社について、
あたし達は降りることにしたんだ。

いけない!ダメだ!いっちゃいけない!心の中でそう思ったんですが、
これが不思議なもんでですね?
あたしの意思とは関係なくつーって足が向かってしまうんだ。

それで満足稲荷神社を見た瞬間「ギャァアアアアアア!」

これ観光地じゃない!

地元の稲荷神社だ!

不思議なことに、満足稲荷神社を見ただけで
ほとんど観光の時間はなくなってしまってたんです。

こういうことってあるんですね。

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