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上司が変わったら変えるべき行動

変化のスピードが早くなるにつれて、組織も変革が求められる。異動・転職などで上司が替わる、または上司が自分の部署に異動・入社してくるケースも増えてきているのではないだろうか。

私は今年の7月にと某外資系企業の日本法人のトップになった。既存メンバーにしてみれば、突然全く会社と関係のない人間が上司になったのである。今まで10年間に亘り部下を持つマネージャーをやってきているが、メンバーのことを全く知らない環境に飛び込むのは初めてであり、組織という観点から非常に新鮮な気づきを多くもらっている(今までの自分の経験とは大きくjことなることが多く戸惑う毎日w)。

一般的に、自分の二階層上の目線で仕事をすると良いと言われるが、なかなか難しい。そこで、上司の目線を少しでも理解してもらえればと思い本稿を記してみる。

なぜこの人が上司になったのか?

現在の会社のおかれている状況を考える。それなりのポジションの人事異動は会社に取って重要な意味付けがあるはずである。新任者の強みはなんなのか、なぜその人が組織のマネジメントをすることになったのかを押さえておくことは、今後の組織の方向性を理解する上で大切な要素となるはずである。

一般的には製品・サービスは下図にあるようなライフサイクルで市場に浸透・衰退していくことが知られている。

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Fig.1 プロダクト・ライフサイクル

各フェーズにおいて、取るべき戦略が異なる。それに伴い組織の構造も変えなければならないし、その事業部の行動方針も変えなければならない。

その事業を立ち上げ、0→1フェーズをやり遂げた人間が、その事業を成長させる、1→10のフェーズに求められている能力を持っているとは限らない。むしろその能力を欠いている方が多いのではないだろうか。人はそんなに簡単に替わることができないので、企業としては最適な人材配置を変えることになるのである。

事業部のおかれている境遇、特に潮目を見極めるためにも新しい上司の強み・経験を知ることは重要なのである。

例えば、事業がまだまだ成長期でありガンガン攻め込まなければならないのであれば、営業やマーケティングの知見を有する人が事業部を率いることになるであろう。一方、衰退期であれば、オペレーションに精通した者が、生産性を高め、競合との優位性を高めるという方針になるのである。

上司の考えていることを理解する

どうして組織改編があったのかの仮説を立てたのであれば、あとは本人とのコミュニケーションをできるだけ多く取ることである。まずは上司のことを理解してあげよう。新しい上司が降格人事出ない限りは、新しい環境にエキサイトしているであろうし、VisionやMissionを全体会議などの場において説明することだろう。もしそのような明言する機会がない場合には歓迎会などの挨拶で発したメッセージをしっかりと咀嚼し、直接会話する機会に乗じてしっかりと聞き出してみよう(上司はメンバーから質問されることが意外と嬉しもんなんですよw)。

聞き出す際のポイント:

・過去の経験

・過去の成功体験・失敗体験

・仕事感、価値観、強みと思われる点

・今後どうしていきたいのか?、そのために自分が何を期待されているのか?

自分のやっていることを説明する

組織がどういう方向に進もうとしているのかを確認できたならば、次にやるべきことは自分の取り組みと整合させる調整をすることである。

・今までのやり方が何故そうなっているのかを説明できるようにする。

・自分のやっていることの背景をちゃんと説明する。

これらは自分が日々行っている業務であり誰もが説明できるはずであるにも関わらず、実はちゃんと説明できる人は少ないのではないだろうか。理由は明白で今までの上司から言われたことや、その部署でのやり方をそのまま踏襲してきていたから。要するに自分の頭でなぜその仕事が必要で、会社にどんな利益を与えているのかを考えていないからである。

普段から大局的に物事を考え、自分のやるべきことを考えているかどうかは意外と簡単に新しい上司(または外部の人間)には見透かされていると思っておいたほうが良いだろう。例えば、「仕事どう?」っていう超オープン・クエスチョンが来たときの回答などを見ていると、どんな課題感を持って仕事をしているのか、またはノホホンと過ごしているのかがすぐにわかる。

結果を残している(ように思っている)人も同様である。どんな意思を持って成果をあげたのか、なんとなくやっていたら(外部環境がフォローしてくれて)うまくいったのか、前任のボスが言うとおりに動いただけなのかもしれない。成果をあげていると自分でアピールしたいのであれば、自分がどうして価値のある人間である(自分にしかできない仕事をした)というそのプロセスをアピールすることが必要だろう。

フィードバックのためのコミュニケーションを取る

いずれにせよ、コミュニケーションをしっかりとるという、超基本的なことが最も重要なのである。事業部のことを知らない人間に色々と意見をされるのは良い気はしないかもしれないが、自分がどのように思われているのかをフィードバックを受け、冷静に論理的且つ建設的な議論を重ねることで信頼関係は構築される。日々のホウレンソウを普段以上にきっちりとやることから上司に意見を求めてみてはいかがだろうか。

上司も忙しいし、慣れない業務で優先順位を明確に定義できているわけではない。そう、上司も新しい環境で不安なのである。自分がどうすれば上司が何を重要視するところが良いのかを明示してあげれば、心情的に上司からも信頼されやすくなることは間違いない。「お、こいつはちゃんと部署全体のことを考えてくれているな」と思わせれば、その後の上司との関係性は間違いなく上手くいくことだろう。

日本企業の国際競争力を高めるためにも、これを読まれた悩めるサラリーマンの方々が新しい上司と良好な関係性を構築できることを祈っている。

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