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2024年8月の記事一覧
その予感を知るために私は再び外に出ることにした。
七月も終わりの夏だった。私はいつの間にか夏が始まっていることさえも知らなかった。「そりゃそうだろ」と言われてしまえばそれまでなのだが、それを知っているのはこの街の人達だけなのである。
「土曜日、16時30分に関内駅で待ち合わせでお願いいたします」
会社の後輩に終業後に突然言われた。実際には数ヶ月前からプロ野球観戦に誘われていたことを忘れていた。そして私はオーケーの返事をしたことも自分の手から溢