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進路を決める高校生の保護者に伝えたいこと

 私が勤務する通信制の高校では、多くの生徒が不登校生でした。

 今年担任したそんな生徒達が、4月から3年生になります。

 卒業後の進路に向かって具体的に動き出すこの時期に、保護者の皆様に伝えたいことをまとめておきます。

 進路についての考え方です。

 生徒の進路を決めていくことは、高校3年間の経験の成果と教員側の勤労観、仕事に対する考え方が問われます。

 どうしたら、卒業後も幸せで充実した人生を歩めるかを共に考え続けなければいけません。

 以下、進路を決めていくにあたっての私の考え方です。

・働き方の変化について

・仕事に対する考え方

・子供達の挑戦と成長に保護者の存在が不可欠

・働き方の変化について

 社会の変化によって、仕事の内容や働き方が変化しています。

 学校は、社会で必要となる人材の育成が目的です。

 社会が変われば、学校も変わらなければいけません。

 しかし、その変化のスピードに教育がついていけていないのが現状です。

 例えば、言われたことを正確に、より早く行うような人材育成の傾向がずっと続いています。

 これからの未来は、そういう仕事は機械がして、機械では難しいところを人間が担うようになります。

 だからこそ、それぞれの人が得意な事を生かせる社会になると思います。

 以前の学校では、記憶力や計算力が求められていました。実は今もそんなに変わっていません。

 これからは、「何をしたいか?」「夢は何か?」という目的に向かって、行動できるような人材が必要です。

 そういう人材が社会に夢と希望を与えることが出来ます。

 そういう人材が他人や社会に対して、大きな貢献が出来ます。

・仕事に対する考え方

 仕事に対する考え方も変化しています。

 幸せの価値観も変化しています。

 いい大学に行って、大きな企業に入れば、一生安泰で、幸せな人生が送れるとは限らなくなりました。

 上司から言われた仕事だけをしていれば、会社は成長し、自分も昇進し、やりがいが生まれてくるような仕事はとても少なくなりました。

 何のために仕事をするのか?

 なかなか解にたどり着かない、とても考えるのが面倒くさい問かもしれません。

 だけど、悩み、考え続けた人間だけが、成長できます。

 悩んだ時間=成長の時間です。

 仕事の意味は、生徒それぞれに見出すことがベストだと思いますが、私が考えていることを生徒にも伝え続けます。

 それが、生徒達の人生のヒントにもなると思っています。

 それぞれの教師や周りの大人が仕事観をどんどん発信していってほしいと思います。

 私は、仕事とは、社会の役に立ったり、誰かを笑顔にしたりすることだと思っています。

 お金は、その対価として、お給料として、いただくものです。

 自分が幸せじゃないと、誰かを幸せにすることはできません。

 自分が笑顔じゃないと、他人を笑顔にすることはできません。

 その仕事は、誰に喜んでもらうのか、どんな人の役に立つのかを考えなくてはいけません。

 そして、もっと喜んでもらうためにはどうしたらいいだろう、もっと世の中に貢献するためにはどうしたらいいだろう、と考え続ける姿勢が私達の存在価値につながります。

 どんな仕事を選択しても、何のための仕事かを見出しさえすれば、生まれた意味を発揮する舞台にすることができます。

 だから、仕事を選ぶときには、「何のための仕事」かということに「共感」できる人達と働くことを重視しなければいけません。

 まずは、自分の好きなことにとことん挑戦して、誰かの役に立てないか、考えることです。

 とことんやろうと思っていると、自然に自分らしくなってしまいます。

・子供達の挑戦と成長に保護者の存在が不可欠

 高校を卒業してから、社会人になってから、好きなことに挑戦するというのでもいいのですが、どうせなら、学生のうちからどんどん挑戦できる環境を用意できれば、成功の確率が高くなります。

 子供達が様々なことに挑戦できるかどうかは、周りの大人がどう接するかによって大きく変わってきます。

 赤ちゃんが歩くようになるときに、

「転んじゃうと危ないから、歩いちゃダメ!」

「あなたにはまだ無理よ!」

と挑戦の機会を奪う人はいませんよね。

 また、歩くことに挑戦して、一歩目で転んだときに、

「なんで、そんな簡単なこともできないの!」

と怒る人もいませんよね。

 だけど、成長して子供達が夢を語ると、上記のように成長の機会を奪ったり、失敗を非難したりすることはありませんか?

 赤ちゃんが歩けるようになるのは、お母さんやお父さんの喜ぶ顔が見れるからです。

 笑顔で応援してもらえるから、何度転んでも、挑戦し続けます。

 子供が成長してもそれは同じです。

 お母さんやお父さんが、絶対できると信じてくれていて、失敗よりも挑戦を評価してくれているかがとても大事です。

 子供達は失敗しても、励まし、応援し続けてくれるお父さんやお母さんの存在があるから、何度も挑戦できる強い姿勢を保つことができます。

 だから、お父さんやお母さんには子供達の可能性を信じて、可能性に挑む子供達の姿を喜んで、心の居場所になっていただきたいなと思っています。

 もちろん、私自身も、肝に銘じて、教育に携わっていきます。

よろしければサポートお願いいたします。 子どもたちやその保護者の皆様に既存の教育とは違った教育の場という選択肢を増やすために活動しています。 具体的には、画一的な教育ではなく、自由で朗らかで伸び伸びしていて、本当にその子を100%認められる楽しい学校を作ります!