見出し画像

何のための教育か?〜フリースクール開校までの軌跡〜

僕は、10年以上教員を続けてきました。

現場で出会ってきた子ども達の姿と「教育が子ども達に提供するもの」や「学校が子ども達に求めるもの」との間に大きな乖離があると感じています。

いろいろな想いを持って教育に携わってきたので、初期の想いから記していきたいと思います。

1.どうしたらできるようになるのか?

教育者として、一番最初の想いは、

「すべての子ども達をできるようにしたい」

というものでした。

向山洋一先生の
「どんな子でも跳び箱は飛ばせられる」
という言葉に憧れました。

僕もあらゆる分野でそんな教師になりたいと思いました。

・どうやったら子ども達の理科の成績が上がるのか?
・どうやったら子ども達が熱中できる授業ができるのか?
・どうやったら部活の試合で勝たせられるのか?

そんなことに力を注いできました。

だから、子ども達の姿を一番大切にしていました。

それは今も大切にしています。
「子どもの実際の姿でしか成果は測れない」
ということです。
「子どもの様子(熱中しているか、理解しているか)を唯一の評価基準」
としていることです。

子ども達が何を考え、どういう背景を持っているのか、をこのときにたくさん学ぶことができたと思っています。

その後、担任していた高校生の進路を決める際に「現実」とぶつかりました。

つまり「どんな子もできるようにしたい」と思っている反面、全員が行きたい大学に行けることもなく、就きたい職業につけることもできませんでした。

そもそも高校生になると、
挑もうともしない…
そこまで頑張れない…
やりたいことがわからない…
そんな「現実」を突きつけられ、考え方や取り組みが変わっていきました。

2.何をやるかよりもどんな心でやるか?

高校3年生を担任したとき、最初の面談で
「◯◯大学に行きたいです」
というような進路の話をよく受けます。

教師側としては、その大学に行けるように主に勉強の計画を立てます。
「点数が◯点足りない」
「夏休み前までにこの辺りくらいまで終わらせたい」
「毎日◯時間の学習が必要」
などです。

このようにして、その生徒と相談しながら、受験までの計画を綿密に立てます。

そして、明日からがんばろう、となるわけです。

だけど……

ほとんどの生徒が計画の下方修正を迫られます…

計画通りに続かないのです。

僕はなんとかして続かせたいので、励ます・尻を叩く・脅かす・一緒に勉強する、などいろいろな方法で促しますが、上手くいきませんでした。

結局、最初に話した志望校には行けない、ということがほとんどです。

そんなときは、生徒の継続力や努力の才能、勉強への姿勢など生徒に原因を求めました。

僕は、やれば誰でも伸びると思っていたので、次の疑問が浮かびました。

「どうやったら、やり抜く力を伸ばせるんだろう?」

子ども達の努力を継続させたいと考えたのです。

僕自身も継続できるときとできないときがあるので、自分自身を実験台にしながらいろいろな方法を試しました。

そして出た結論は、

ここから先は

1,551字

よろしければサポートお願いいたします。 子どもたちやその保護者の皆様に既存の教育とは違った教育の場という選択肢を増やすために活動しています。 具体的には、画一的な教育ではなく、自由で朗らかで伸び伸びしていて、本当にその子を100%認められる楽しい学校を作ります!