見出し画像

コミュニケーション不安を解消:緊張とトラウマの克服

今回のテーマは「緊張とトラウマの克服」というお話です。

「人前で話すのが苦手…」という声をよくいただきます。

・小学校のときに本読みで失敗して、それから人前で話すときに緊張するようになった…
・以前、大勢の前で話したときに、目の前に怖い顔をして聞いている人がいて、ものすごくドキキドキした。そのことがいつもフラッシュバックしてくる…
・プレゼンしたときに、緊張で声が震えてしまい、あとから上司に「緊張しすぎだろ!」と怒られた…

こういう経験がトラウマになって、人前で話すときの緊張がなかなか治らない方がいます。

トラウマが起こるメカニズム

トラウマという言葉は、ギリシア語の「傷」というところからきています。
精神的に大きなダメージを受けて、その影響が心に残るような体験のことを言います。

なぜ、トラウマが起こるのか?
『ストレス脳』(アンデシュ・ハンセン著)という、2年くらい前に80万部のベストセラーになった本があります。
本書の中で「トラウマが起こるのは、忘れたい記憶ほど重要だから」という指南があります。

まさにその通りだと思います。これは大事な脳機能です。
子どものころ、犬に噛まれて怖い思いをしたとします。それを忘れてまた犬に近づいたら、また噛まれるかもしれません。今度は大きな犬に噛まれて大けがをするかも…。
だから「犬に近づかないほうがいい」という記憶が形成され、犬を見るたびに自分の心を緊張させ、その行為をしないように促します。

危険な記憶や体験を覚えておかないと、また自分を危険にさらすかもしれません。
だから、人前で話したときに失敗した経験をいつまでも記憶させておいて、「そんな危険なことはするな!」と脳が反芻するわけです。
これがトラウマの正体です。

嫌な記憶がフラッシュバックするのは、人間の脳機能上、しかたがありません。
しかし、今と昔では、状況も環境も自分の成長度合いも違います。
いつまでもトラウマを抱えていると前には進めません。
トラウマを克服して、一歩ずつ前に駒を進めることが大切。

そこで登場するのが、トラウマの克服方法
1、持続的エクスポージャー法
2、ポジティブdoing

です。

持続的エクスポージャー法で少しずつ慣れる

持続的エクスポージャー法とは、不安の原因になる刺激に段階的に触れることで、不安を消していく方法です。

よくあるのが、安心できる環境下で、過去に起こった出来事を話し、少しずつトラウマに慣れていく方法です。
例えば、グループカウンセリング。
過去にいじめにあったり、虐待された経験がある方などが集まって、安心で安全な場で、昔のことを話します。
同じ境遇の人が集まっているので、自然に話すことができます。
過去の辛い経験を話すことで、その経験に慣れていきます。そして「これはいま起こっていることではない」と脳に認識させることができます。
自然にマイナスな記憶を消していくやり方です。

当スクールでは、緊張しやすい方のトレーニングとして、以前緊張したシチュエーションに似せて話すワークがあります。

例えば、
「大勢の前で話したとき、目の前に怖い顔をして聞いている人がいて、ものすごくドキキドキした。そのことがいつもフラッシュバックしてくる…」

という方には、あえて怖い顔をした人の前で話す練習をしてもらいます。
聞き手は受講生なので、本当に怖い顔をしている人ではありません。
あえて、眉間にしわを寄せて、無表情で聞いていもらう。
その前で話してもらいます。
あくまでもこれは練習なので、そこまで緊張しませんが、やはり演技だとわかっていても、そういう顔で聞かれると話しづらいものです。

こうして、ちょっと負荷をかけて、少しずつその状況に慣れていく。
そして、
「別に怖い顔をしている人がいたとしても、もともとそういう顔かもしれなれない」
「そういう人が聞いていたとしても、自分らしく話せばいい」
「別に命まで取られるわけじゃないし」
と、思えるようになったころには、トラウマは消滅しています。

ポジティブthinkingよりも、ポジティブdoing

二つ目はポジティブdoing。
よく、ポジティブシンキング(thinking)という言葉が使われますが、考え方を変えたところで、思考はすぐ元に戻ります。
「自分は緊張せずに話せる!」と前向きに考えても、数秒後には「でもな…前回も緊張したしな…」とすぐに落ち込んだりします。

思考よりも行動を変えた方が早いです。
ポジティブdoingとは、前向きな行動を起こすことです。しかも、その行動は小さいことでいいです。
例えば、
・元気がなかったけど、大きな声で挨拶していたら、だんだん元気になってきた
・とりあえず笑っていたら、本当に面白くなってきた
・体を動かしたら、気持ちがスッキリした
なんてことありませんか。
行動ならすぐに起こせるし、効果が出るのも早いです。

年上の人と会話するときに緊張するという方は、まずは優しそうな年上の人と話してみる。
人前で話すのが苦手な人は、人前で堂々と話している人の動画を見て研究する。
特に「初めて結婚式のスピーチを依頼された…緊張する…」という方は、Youtubeで「結婚式のスピーチ」と検索して、実際話している人を見てください。
見るだけでも、だんだんイメージできます。
イメージがつかめたら、実際に話すことを考えて、とりあえず友人の前で話してみて、それで本番に臨む。

このように、少しずつ行動を起こすことで、嫌な記憶を成功体験で埋めつくしていきます。
コーラのペットボトルに水を入れ続けると、そのうち全部水になります。
そんな感じで、成功体験の記憶が埋まるころにはトラウマは解消されています。
動画でも詳しく解説しておりますので、ぜひお時間のあるときに下記をご視聴ください!

-------------------------------------------------------
【モチベーション&コミュニケーションスクール】

あがり症・緊張を改善するセミナー
伝わる話し方が身につくセミナー
論理的思考が身につくセミナー

【株式会社モチベーション&コミュニケーション:桐生稔 著書】
◎あえて話さない戦略(大和出版)

◎「質問の一流二流三流」(明日香出版)

◎「一生得する雑談力」(宝島社)


◎「話し方すべて」(かんき出版)

「コミュ障」でもしっかり伝わる話し方(PHP研究所)

◎「話し方の正解」~誰とでもうまくいく人の55のルール~(かんき出版)

◎緊張しない「最初のひと言」大全(Clover出版)

◎図解版:雑談の一流、二流、三流(ASUKA BUSINESS)

◎説明の一流、二流、三流(明日香出版)

◎雑談の一流、二流、三流 (明日香出版)

◎10秒でズバッと伝わる話し方(扶桑社)

【ビジネスマンのための「伝わる話し方」実践スクール】

【プロフィール】
・株式会社モチベーション&コミュニケーション代表取締役:桐生 稔
・モチベーション&コミュニケーションスクール代表講師
・日本能力開発推進協会メンタル心理カウンセラー
・日本能力開発推進協会上級心理カウンセラー
・日本声診断協会音声心理士

1978年生まれ、新潟県十日町市出身。もともと臆病な性格で、対人関係が非常に苦手。小さい頃は親戚の叔父さんと話せない程、極度の人見知りであがり症。体も弱く、アトピー性皮膚炎、扁桃腺炎症、副鼻腔等、先天性欠如等、多数の病気に悩まされる。

18歳の頃に新潟から東京に上京。東京で新卒入社した会社では営業成績がドベで入社3カ月で静岡県富士市に左遷させられることに。しかしそこから一念発起。コミュニケーションスキルをあげるべく心理学、大脳生理学を学び始め、1,200店舗中営業成績でNo1となる。その後、ボイストレーニングスクールに転職。話し方の基礎を徹底的にマスターし、8店舗だったボイストレーニングスクールを40店舗に拡大。一気に全国区の業界大手に引き上げる。そして2013年、強いビジネスマンをつくりたいという想いからモチベーション&コミュニケーションスクールを設立。現在では全国で伝わる話し方、あがり症改善、人前でのスピーチをトレーニングするビジネススクールを運営。全国40都道府県で年間2,000回のセミナーを開催し、受講者数は30,000人を越える。

【モチベーション&コミュニケーションスクールSNS】
モチベーション&コミュニケーションスクール公式LINE
YouTubeみのちゃんねる
instagram
Twitter
Facebook
TikTok

株式会社モチベーション&コミュニケーション
所在地 〒163-0649 東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービル49F
お問い合わせ TEL:03-6384-0231
MAIL: info@motivation-communication.com
-----------------------------------------------------------------------------

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?