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「黙っていると自分の存在の軽さに耐えられないから」 〜よく喋る口下手と人見知り


 Twitter、俗称「キラキラしていないSNS」

 別に悪いことではない。

 ユーザーのメイン層がアンダーグラウンドなネット文化に慣れ親しんできた中高年で、ひと昔前の匿名掲示板みたいなノリが目立つからそう言われるようになったんだろう。たしかに見渡してみると、学生時代はクラスで比較的おとなしめだったり、活字ホリックで国語の教科書や電車の中吊り広告の文章を全部読むタイプだったり、集団の中にいてもどこか無理しているポジションの人がTwitterにはよくいる気がする。そうあんたとか。

 そもそもTwitterはひとりごとを呟くツールだったので、パリピだろうがオタクだろうが、主婦や会社員だろうが、趣味垢だろうが裏垢だろうが、内向的な人がユーザーに多いのは当たり前のことだとも思う。それに日常がキラキラしてたらSNSに来る暇も必要も無いもんね。リアルが充実してる人は友達との伝達手段の一つとして、せいぜいインスタのストーリーやDMを使う程度だろう。

 そんなTwitterではしばしばバズるツイートの中に、あんたらのようなユーザーに共感され、強く支持されているものがある。

 例を挙げると、

「他人から『いま暇?』って聞かれるのが嫌だ」
「予定が無いからと言って充実していないわけじゃない」
「3人組になると絶対に自分があぶれる」
「飲み会とか参加したくない」
「人見知りなのに喋り過ぎてしまう」
「初対面だと流暢に話せても二回目になると話せない」
「繊細なのに大胆なので人間関係が長続きしない」
「布団の中で今日喋ったことの一人反省会をしてしまい眠れなくなる」
「テンションが上がると早口でキモい喋り方になってしまう」
「人間関係をリセットしてしまう」
「無理だと思ったらすぐに他人との関係を切ってしまう。長続きしない」

 
 こういう感じのやつ。

 どれもとにかく外交的でなく、コミュニケーションに難儀していたり、対人関係に苦手意識を持っていて、人といると疲れ、大人数も一対一も苦労するタイプの人から共感されるツイートだ。

 あたいはパリピでは無いんだけど、誘われればわりとホイホイ遊びに行き、知らない人との表層的で浅い交流も嫌いじゃないし、自分自身が人懐っこいタイプだと思っているので、これらにはあまり共感はしない。でも理解はできる。

 理解はできるからこそ、思うところもある。

 たとえばこういう人付き合いが苦手な人でも、そのことに後ろめたさを感じず、自分の距離感、自分の苦手分野を理解し、自分の時間と趣味などのスペースを確保できてる人はそれでべつにあたいもいいと思うし、きっとあたいなんかがいいって言わなくてもそもそも自分自身でも「自分はこれでいいの」と思えていることだろう。

 でもそれとは違って、「他人と上手いことやりたい」「人に好かれたい(というより嫌われたくない)」と考えているのに上手くできない人、緊張や失敗で苦しむ人にはあたいも一言言ってやりたい。べつに怒ったり叱ったりするんじゃなくて、そう、なんというか他人事なひとこと。

 それは「口数の多さは、自信の無さだよ」ってこと。

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ここはあなたの宿であり、別荘であり、療養地。 あたいが毎月4本以上の文章を温泉のようにドバドバと湧かせて、かけながす。 内容はさまざまな思…

今ならあたいの投げキッス付きよ👄