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外国人ママをサポートする理由 その1

このところ、通常の妊娠出産のサポートだけでなく、様々なサポートが続いています。

例えば

*研修医がお産を取り上げた際に肛門部分が損傷して、2度縫合するも失敗して人工肛門に。

6ヶ月経ってもまだ治療の方針が立たない(しかも産まれたのは双子ちゃん(!))中で

赤ちゃんをみていてくれたご両親の帰国が迫っていて、何をどうしたらいいか分からない、と言うご夫妻。

→日本人でも、これは途方にくれます(泣)

*介護福祉士の研修中にストレスから生理不順になり、そうこうしてる間に妊娠が発覚。

日本人の父親は認知はするけれど結婚はしない方向なので、1人で産んで育てる決意をした女性。

→日本人でもよく起こるパターンですが、外国人の方の場合ビザが絡むので複雑です。

*ママのビザが切れてしまい、そうこうするうちにパパも失業間近。

保険も切れてしまうため、どうやって産めばいいか途方に暮れている女性。

→日本にいるとあまり感じないのですが、日本は「国民皆保険制度の上に成り立っている国」であることをしみじみ実感します。

それぞれに日本で一生懸命に働いて暮らしてきて、色々なことが重なっての今。

そして、お腹の中の、そして幼い命を守ろうと暗中模索ながら懸命に走っています。

その想いが伝わるので、なんとかしてまた軌道に戻れるように、安心して出産・子育てできるようにサポートします。

こうした場合、

・地域の保健センターや行政と連携する
・パブリック弁護士会さんに繋ぐ
・くらしのサポートが必要な時は地域の団体に協力を要請

この3つが不可欠ですが、大切なのは、ただ「つなぐ」で終わらせないことです。

その後もこちらから

・ちゃんとつながっているか
・コミュニケーションはいい形で取れているか
・他に解決しておく問題はないか

などを、体調を聞きがてらさりげなく連絡して、スムーズに軌道に乗れたかを確認します。

(私が言わなくても、外国人メンバーたちが自然とそれをしてくれます)

これがないと「電話交換手」で終わってしまうからです。
(実体験として、しんどい時に「たらい回し」されることほど絶望感を感じる時はないなと思います)

サポートが難航する時は、海外で言葉の通じない中、怪我や病気が多かった私を苦労して育ててくれた母のことをいつも考えます。

内気で、遠慮深い、自分からあまり助けを求められない昔ながらの日本人女性の母。

学歴や夫の収入などで微妙な上下関係がある日本人コミュニティに入っていくことも、気後れして苦手だった母。

仕事でほとんどいない父に代わり、言葉が通じないながらも時に命がけで守ってくれた母でした。
(今もピンピンしております(笑))

母がこの状況にいたら、どんなサポートを必要としたかな、どこまで自分でやれたかな、どんな声がけなら安心できたかな…

そんなことを想像しているうちに、自分の中で、サポートの方針や適切なボリュームなどが見えてきます。

よく「なんで外国人のためにそこまでやるの?」という質問を受けることがあります。

答えは簡単で

今この時も、世界のどこかで、私たちの家族・友達が誰かの温かい手に支えられているからです。

母や私が、そうした温かい見守りの中で暮らし、無事に帰国できたように…。

日本に暮らす外国人の方は日本人が、世界で暮らす日本人はその地域の人が、お互いに支え合っているから、この世界が成り立っています^ ^

そして、今日もNPO法人Mother’s Tree Japanの電話、LINE、メッセンジャー、Whats appは忙しく機能するのでした。

NPO法人Mother’s Tree Japan
事務局長 つぼみ

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