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「自分ごと」で頭と手を動かす - 修理グループでの社内インターン -

マザーハウスには、他部署の仕事を経験できる「社内インターン」という制度があります。スタッフがキャリアを考えるにあたって、そもそも事務所の仕事を知らないのでは?という話から、事務所の仕事を理解する機会として2018年に始まりました。

今では事務所の仕事を知ることを目的とした約1か月のインターンと、本異動を見据えマッチングをはかるトライアル期間としての3か月以上のインターンの2つに分かれ、今後のキャリア形成や、インターンでの学びを店舗での実務に役立てる機会として実施しています。

今回は、サプライチェーンマネジメント部門の修理グループで1ヶ月の社内インターンに参加した柏崎と、受け入れ先の上長である濱口を交え、実際の社内インターンの様子を聞いてきました。

プロフィール

左:濱口 右:柏崎

柏崎
2021年マザーハウス入社。
幼いころから母親の影響を受け、前職でインフラ維持管理会社の技術職として働く傍ら、ハンドメイド作家としても活動。直接届くお客さまの声に、作り手も使い手も笑顔になる理想のモノづくりの在り方を見出す。自分の本業としてもっとモノづくりに関わってみたいと思いマザーハウスに転職。入社後は丸ビル店に所属し、2022年6月にサプライチェーンマネジメント部門・修理グループでの社内インターンを経て、同年11月より本異動。

濱口
2016年マザーハウス入社。
モノづくりを生業とする家系で育ち、自身も製造業に従事。あまり表には出ないモノづくりの裏側を知り日々葛藤する中で、モノづくりと社会性を両立しようとしているマザーハウスと出会い入社を決意。入社後、関東と関西の3店舗を経験し、2018年に修理グループへ異動。現在はお客さまから寄せられる修理/品質関連業務を担当。

インターンを活用しようと思った理由

ーまずはじめに、受け入れる側として、なぜ社内インターンを募集しようと思ったのかを教えてください。

濱口:今、お客さまが品質面やアフターサービスについて何を求めていらっしゃるのか、修理品を持ってきてくださるお客さまをお迎えする店舗のみんなは何に困っているのか、現場感をもっと知りたいと思っていたのがきっかけです。

私は、店舗での勤務を経て修理グループに異動してきたんですが、お店を離れてから約3年くらい経っています。その間に商品数やレザーの種類も増えていて、お客様のお悩みの幅も広がり、店舗スタッフにとっても修理対応が少しずつ複雑になってきているのではないか感じていたんです。

お客さまや店舗スタッフのリアルな声を仕組みに落とし込み、今以上にお客さまに価値を届けるために、今のチームに何か風穴みたいなものが必要なのではないかと思って1ヶ月間の社内インターンを店舗スタッフから募集することにしました。

ー柏崎さんが修理グループでのインターンに応募するきっかけは何だったんですか?

柏崎:全店舗分の修理案件に関わることで、品質に関する知識も今より身につけて、店舗に戻った時により良いサービスを提供したいと思い応募しました。入社研修で、商品の品質に関する研修を受けた際に、品質の向上はマザーハウスが掲げる「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念に向かっていく中で欠かせないものの一つだと強く感じたのを今でも覚えていて・・・

その後、店舗に立つようになり、日々お客さまから寄せられるケアや修理のご相談にプロとしてもっと自信を持って答えられるようになりたいと思っていたところ、インターンの募集があったんです。

ー 実際には、インターンを希望するスタッフが多かったと聞きましたが、ずばり、柏崎さんにされた決め手は何でしょうか。

濱口:決め手は、「品質向上に対する意識の高さ」ですね。
正直、応募してくれたスタッフ全員、お客さまの声を届けたいという気持ちは、とても強かったんです。

ただ、その中でも、柏崎の志望理由の中には、モノを作る責任や修理から見えてくる構造の細部を修正していくことが未来の品質向上に繋がっていくということが真っ直ぐ書いてあって、今後ブランドが大きくなる中で、品質の向上がいかに大切かを捉え、「自分ごと」にしていることが伝わりました。

また、社内インターンを募集する前から、革の加工について、個別で質問をしてくれていたことも印象に残っていて、モノづくりに対する強い気持ちを感じ、柏崎に来てもらうことにしたんです。

柏崎は店舗でケアの専門知識を持つ社内資格「ケアマイスター」も取得

学んで終わりではない!社内インターンでの取り組み

ー インターンに来て、実際にどんなことをされていたのですか。

柏崎:修理品の仕上がりの確認と店舗からの各種問い合わせ対応をしていました。約40店舗から届く修理品の中には、初めてみるアイテムや修理事例もあり、理解するまでに時間がかかったりこなすことで精一杯だったりもしましたが、モノに触れることが好きな私としては本当に楽しかったです!

ー 1ヶ月という限られた期間の中で、日々どんなことを心がけていましたか?

柏崎:この社内インターンは、キャリアを考えるという視点で「事務所の仕事を理解する」という目的があると思うのですが、せっかくやるのであれば、業務を学んで終わりだけではなく、マザーハウスの修理部門がよりよくなるためにはどうしたらいいのか、そのために自分が貢献できることは何か、を考えるようにしていました。

そんな中で、店舗にいる時から、もっとよくできるはず!と思っていた、全店舗で使用している「修理の見積もり表」を改善したいと思ったんです。

正直、私が修理部門でのインターンを希望したのは、修理受付への不安があったのも理由の一つで・・・。入社時に修理研修もあるのですが、修理箇所によって金額も様々ですし、対応方法も色々とあり、覚えることがかなりたくさんあるんです。そして、修理受付は、お客様の「世界に一つしかない大切なモノ」を扱う緊張感もあります。私と同じように修理受付に不安を感じている他の店舗スタッフもいると思ったんです。

どのスタッフも自信を持って大切にお使いいただいているアイテムをお預かりできるよう、分かりやすさだけでなく、見積もりの際の所作も美しくなるように体裁を整え、修理項目の整理と更新を行いました。

ー 店舗にいる柏崎さんだからこそ実施できたアクションかもしれませんね。
柏崎:もちろん、濱口をはじめ修理部門のみなさんの協力なしではできないことでした。初めての仕事と並行しながら、自分もバッグの構造や修理の専門知識が完璧ではない中でだったので、分からないこともたくさんありました。都度、濱口やチームメンバーに疑問をぶつけながら、1ヶ月という制限がある中で形にするために試行錯誤しながらなんとかやりきりましたね!



修理完了品を確認する柏崎と濱口

全店舗に共有した後「見やすくなった」「前よりもスムーズにご案内できる」といった声もいただきました。きっと不安があると「間違えないように・・・」と自分の心配をしてしまうんですよね。スタッフの不安を取り除くことで、より目の前のお客さまに向き合うことができ、お客さまの安心感に繋がったらいいなと思います。

ー 自分が変えていこう、という当事者意識はどこからくるのでしょうか?

柏崎:そうですね…。改めて考えてみると私の場合は、お客さまである前に、「目の前で困っていて、自分達を頼ってくれている人」として向き合っているとした時に、自分ができることをやる。それだけなんです。

「プロとして頼ってくれている」というお客さまの期待があります。なのに「社歴が短いのでわからない」とスタッフによっておもてなしに差が出るのは、今後ブランドが目指す姿ではないのでは?と私は考えています。

もちろん、経験を重ねることでしか上達できないこともあります。でも、仕組みで解決できることは1日でも早く変えていくべきだなって。私、根がめんどくさがりなので、難しいことは簡単にできる方法を考えて、向き合うべきことに時間をちゃんと使いたいんです。

店舗スタッフと事務所スタッフが一緒に働くからこそ気づけること

ー 最後にお二人にお伺いします。インターン制度を活用してみてよかったことは何でしょうか。

濱口:限られた期間でも、自分ができることは何かを考え、目の前のことを自分毎にして、主体的に取り組む柏崎を見て「自分の方こそ変わっていかないと」と思わされました。社内インターンは受け入れる側にも刺激的で学びがある制度なんだと思います。

柏崎:一つ目は、修理や品質の向上に取り組むにあたって必要なスキル・マインドは何かを、濱口や修理部門のメンバーの背中を見て理解できたことです。二つ目は、関わった部署以外の事務所のみなさんがどんな思いで、どんなスタンスで仕事をしているか理解できたことも大きかったですね。言葉で説明されるより、実際に一緒に仕事をして行く中で、肌感覚で理解できたことはよかったです。理念に共感したり、思いを持って入社して仕事をしている人が多い会社だからこそかもしれませんね。

編集後記

制約がある中で何ができるか。社内インターンでもこの問いを前にして自分にできることをやり切るスタンスと、それを当たり前のこととして取り組む自然体な柏崎の姿勢に、マザーハウスが大切にしていることのヒントがあったように感じました。実は、数か月後、柏崎はこのインターンでの活躍により、修理部門に異動しています。マザーハウスをつくっていく仲間のひとりとして、目の前のことに向き合い、自分ができることは何かを考え、アクションできる柏崎の今後の活躍が楽しみです。


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