「フンころがさず」は、タイトルからして想像をかきたてる興味深い絵本です。物語の主人公は、なんと「フンコロガシ」そのまんまの名前です。この名前が物語の核心をなす重要な要素となります。フンコロガシは、自分の名前に不満を抱き、周りからも異様な存在として見られることに憤りを感じます。
そこでフンコロガシは、自分の名前を変えることを決意します。しかし、その名前の変更案は思いついたものの、なかなか良いものが見つかりません。
ユーモアを交えながらも深い洞察
フンコロガシはさまざまな試行錯誤の末、キツツキの助言を受けて元の名前に戻ります。しかし、変わったのは名前だけではありません。フンコロガシは自分を肯定し、受け入れることができる場所を見つけることができたのです。これは、読者にとっても重要なメッセージです。
「フンころがさず」は、子どもだけでなく大人にも価値のある絵本です。自分の居場所や個性を模索する過程で迷う人々に、新たな視点を与えてくれることでしょう。