観劇感想/『ある馬の物語』
読売演劇大賞上半期の男優賞(成河さん)・演出家賞(白井晃さん)にノミネートされましたね!
賞発表される前にさくっと感想書いておけばよかったです…笑 感想書くのに無駄に力んでしまう。とはいえ私に書ける感想なんて他愛無いものですから、いつもと変わらずさくっと印象に残ったことだけ書いておくことにします。
私は兵庫の千秋楽で観たのですが後方ちらほら空席残っていて、良い舞台だったのにもったいないな〜と思っていたら、まさかの読売演劇大賞だったのでなおさら残念!とはいえ賞を取った=必ずしも良い舞台でもないのかもしれませんが…。
しかし素晴らしいと思った舞台が必ずしも満席ではない現象、観ているとくやしくなります。
たしかに私自身もこの作品はわりとぎりぎりまで観に行くかどうか迷ってました。宣伝ビジュアルも作品を観た後だとかなり作品の世界観を忠実に表していることが分かったけれど、内容を知らない状態で興味が惹かれたかと聞かれるとうーーんという感じではあったのです。単に渋めの芝居であることは間違いなくそのせいで客足が伸びないのも仕方ないのですが、うーーーん。ほんとにこの現象が勿体無い。
テーマは宣伝文句にもあるように、とにかく普遍的なんですよね。もう語り尽くされた感があるのに。なのに、それでも心にぐっと来るものがあって。原作の素晴らしさに加えて、やっぱりこの演出と出演者がそれだけ素晴らしかったんだろうなあと思います。
私は、前情報全くなく、白井晃さん演出なら大きく外れないだろうと、ふらりと観に行きました。
私は他のトルストイ作品すらろくに読んだことがない人間です。(本当に演劇の仕事してたのか)
客席に座るとまず舞台美術に目が釘付け。一体これはどうやって使うんだろーと思いながら開演。
冒頭の物語への引き込みがすごかった。あんなアクロバティックな始まり方するなんて。舞台から遠目の座席からの観劇だったのが功を奏しました。
そして冒頭〜前半の暗いダークな雰囲気から、1幕ラストの盛り上がりへの持っていき方がテンション上がりました。確かに同じ世界線なのに空気感が全く違うんですよね。あの空気感の作り方は休憩入った瞬間おおおおおおおおってなりました。
正直前半部分は重めだから、あー結構しんどい系の芝居だなぁって思ってて、2幕まであるのきついなーとか思っちゃってたんですが、そういうの全部吹き飛ばしてくれるくらい爽快な1幕ラストでした。この体験は結構初めてに近い気がする。
個々人の俳優さんについて。みなさん素晴らしかったですが、やっぱり成河さんがすごかったので、ひとこと書いておきます。
最近、私が観たいなーと思う作品に何故かよく出演してらっしゃる成河さん。『木下歌舞伎 桜姫東文章』『ラビット・ホール』などを観ました。俳優さんを目当てに追っかけてるわけじゃないのに、こんなに私の好みに入り込んでくるのが不思議です。でも作品への期待を裏切らない確かな芝居。今回の『ある馬の物語』で、私のこれからの「観劇するか否か」の判断基準の指標のひとつとして加わりました。
とりあえず、ぜったい書き残しておきたいのは、こんなところです。
良い舞台を観れるとほくほくします。
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